インキュベーターとは
インキュベーターとは、細胞の培養や微生物の培養に使用される装置で温度や湿度、CO2や酸素量などの条件を維持し、細胞や微生物を増殖・維持します。インキュベーターは、細菌細胞や真核細胞の培養を目的とし、多くの実験に使用されています。
タイムラプスとは
タイムラプスとは、一定間隔で撮影された静止画をつなげて撮影対象の変化を長時間で捉えることができる撮影方法です。ライブセルイメージングの分野では細胞の挙動や形態の変化を捉える目的で用いられ、ライブセルイメージングが可能な蛍光顕微鏡とソフトウェアを使用し、パソコンと蛍光顕微鏡をUSBで接続してタイムラプス撮影を行います。
インキュベーター内でも使用できる小型ライブセルイメージングシステムLumascope蛍光顕微鏡でのタイムラプス撮影
エタルーマ蛍光顕微鏡はUSBでPCと接続することにより、画像、タイムラプス、動画の取り込みを非常に簡単に行えます。そして、非常にコンパクトなため、インキュベーター、安全キャビネット、ワークステーションなどの限られたスペースでの作業が可能です。モデルにより、外部からのリモート操作、イメージモニタリングも可能です。
USBで画像をコンピュータに直接送信するLumaviewソフトウェアが付属しており、数秒、数分、数時間、または数日にわたるタイムラプス観察をできます。ライブビデオは毎秒最大30フレームで録画が可能です。
LED光源とCMOSセンサーを高度な光学技術で顕微鏡に応用し、理論上最大値付近の解像度を得ています。システムを極力単純化し、これまでの顕微鏡では考えられない丈夫な構造を実現しました。また、光源が弱くても十分な光度が得られているため、光が与える細胞への損傷や蛍光減衰が極力抑えられます。
長時間のデータ収集が可能となり、説得力のあるデータ、資料が作成でき、新しい視点の発見につながります。研究者の皆様のバイオロジー研究をより早く、より正確に、研究を一歩先にすすめることができます。
タイムラプス動画の撮影例
エレクトロポレーション(電気穿孔法):
脂質生成間葉幹細胞のための持続可能な細胞生物学保存細胞ラベリング論
Kathrin von der Haar 氏他
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30944770
エタルーマ社のインキュベーター蛍光顕微鏡LumaScope600(40倍の対物レンズ使用)で撮影されたエレクトロポレーションをされたAD-hMSCのeGFP発現
内皮細胞はSiM Pore’s のナノ多孔性シリコン窒化物膜上で24時間以上培養されました。採取後すぐのヒトの好中球をシリコン膜の上部から灌流し、強力な化学誘引物質(fmlp)をシリコン膜の下層チャネルに加えたものです。
この位相差ビデオは、Etaluma LS560を使用し、1分間に10フレームを30分以上の間撮影したものです。二種類の色は膜の上下を示しています。
ビデオ提供:ロチェスター大学McGrath研究室 分析:DRVision Quyen Tran
コラーゲンマトリックス(3Dコラーゲン発芽アッセイ)に埋め込まれたヒトのスフェロイド黒色腫 (メラノーマ)。個々の細胞がスフェロイドから出ようとしているのが見えます。コラーゲンマトリックスへの腫瘍の浸透/運動性を測定しています。タイムラプスはインキュベーター内のLS720自動蛍光顕微鏡で撮影したものです。
提供:ドレクセル大学Ed Hartsough研究室
卵母細胞の成熟過程における殺虫剤の影響について
Xiang-Shun Cui 氏他曰く、”フィプロニルは、ブタの卵母細胞の生体内での成熟期に、アポトーシスや細胞周期の進行停止を促進します。”
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10495-019-01552-w
マルチチャンネルタイムラプス
使用例画像
ソフトウェア
エタルーマ蛍光顕微鏡にはLumaviewソフトウェアが付属しています。
Lumaviewには、個々の画像のキャプチャ、3色蛍光や1色蛍光、位相差などの合成画像、タイムラプスシリーズおよびタイムラプスビデオへの編集、ライブビデオなど様々な機能があり、細胞観察を容易にする様々な機能持ったソフトウェアです。
ソフトウェアを使ったタイムラプス撮影の設定方法
ここでは、Lumaviewソフトウェアを使ったタイムラプス撮影の設定方法をご紹介します。ソフトウェアから簡単にタイムラプスのプロトコルや間隔を設定できます。
1. メニュー画面左のアイコンのProtocolから、タイプラプスの設定が可能です。
ProtocolのImageタグを開き、取得したい色をクリックしてください。
User Settingをクリックすると、先ほど調整した画像の設定が反映されます。
次にAcquisitionタグを開き、タイムラプスのIntervalとDurationを入力します。
下記の場合は、2秒毎に10秒間タイムラプス画像を保存します。
プロトコルの設定が完了しましたら、下のSaveもしくはSave Asをクリックしてください。
その後、下記画面から、プロトコルのファイル名をつけて、OKで保存してください。
Informationタブを開き、Load Existingをクリックして、先ほど保存したプロトコルのファイルを開き、OKをクリックして下さい。
最後に、左下のRun Protocolでタイムラプスが開始されます。
以上、簡易的な使い方となります。
詳細は、ソフトの上部メニューのHelpから項目毎に確認頂けます。
Lumascopeのアプリケーション例
様々な観察用途に対応できます。
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細胞増殖、コンフルエンス
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細胞移動、創傷治癒
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トランフェクション効率の決定
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タンパク質発現のトラッキング、定量化
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細胞分化観察
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含有分析
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生体内調査
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AC電源不要顕微鏡撮影
など