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残留農薬分析とは

残留農薬分析とは、食品や環境中(例えば土壌や水)の農作物や製品に含まれる農薬の量を測定し、その濃度を評価するプロセスを指します。この分析は、食品の安全性を確保し、規制基準に適合していることを確認するために重要です。

主な目的

  • 食品安全の確保
    残留農薬の量が基準値(最大残留限界値:MRL)を超えないことを確認し、消費者への健康リスクを防ぐ。

  • 輸出入規制の遵守
    国や地域ごとの基準値に合致しているかを確認し、貿易の障壁を取り除く。

  • 環境への影響評価
    土壌や水などにおける農薬の残留量を調べ、生態系や環境への影響を評価する。

分析の手順

  • サンプルの採取
    食品(野菜、果物、穀物など)や土壌、水などのサンプルを収集します。

  • 抽出と前処理
    サンプルから農薬を抽出し、不純物を除去します。この工程では溶媒抽出やクリーンアップ技術が使われます。

  • 分析装置による測定
    高度な分析機器を使用して、農薬の種類と濃度を測定します。主に以下の技術が利用されます。

    • ガスクロマトグラフィー(GC)

    • 液体クロマトグラフィー(HPLC)

    • 質量分析(MS)

  • 結果の評価
    測定結果を基準値と比較し、安全性を評価します。

使用される基準値

各国や地域の法規制に基づいて、残留農薬の許容値が設定されています。日本では食品衛生法に基づき、厚生労働省が基準値を設定しています。

残留農薬分析の重要性

適切に行うことで、以下の効果が期待されます。

  • 健康被害の予防

  • 農産物の信頼性向上

  • 環境保護の推進

残留農薬分析における濃縮

残留農薬分析における濃縮は、サンプル中の農薬濃度が非常に低い場合に必要とされます。農薬は通常、非常に微量で検出されるため、検出感度を高めるために濃縮が重要な役割を果たします。

濃縮が必要とされる場面

  • 検出感度を高める場合

    • 分析対象物の農薬濃度が低く、分析機器の検出限界に近い場合に濃縮が必要です。

    • 例:土壌や水サンプルで非常に希薄な農薬残留物を検出する場合。

  • サンプル量が少ない場合

    • 測定対象のサンプル量が限られており、検出に十分な量の農薬を得るために濃縮する必要があります。

  • 複雑なマトリックス中での農薬検出

    • 食品や土壌など、複雑な成分を含むサンプルでは、対象となる農薬の検出が妨げられることがあります。この場合、濃縮することでターゲット化合物の濃度を上げ、不要な成分を除去します。

  • 法的基準に従った検査の場合

    • 厳密な法的基準をクリアするためには、微量な農薬も正確に検出する必要があり、濃縮が役立ちます。

濃縮の方法

以下の方法が一般的に使用されます。

  • 溶媒の蒸発

    • 溶媒を加熱または減圧下で蒸発させ、農薬成分を濃縮します。

    • ロータリーエバポレーター(回転蒸発器)や窒素吹き付け装置を使用します。

  • 固相抽出(SPE)

    • サンプル中の農薬を固相カラムに吸着させ、その後選択的に溶出して濃縮します。

  • 液液抽出(LLE)

    • サンプルを異なる溶媒と混合し、農薬を選択的に抽出した後、溶媒を蒸発させて濃縮します。

  • 濃縮およびクリーンアップの組み合わせ

    • 濃縮と同時に不純物を取り除く手法を組み合わせることもあります。

濃縮の注意点

  • 濃縮中に農薬が分解しないように、温度や時間を管理する必要があります。

  • 一部の農薬は揮発性が高いため、蒸発中に損失しないような適切な条件が必要です。

  • 溶媒残留物が分析に影響を与えないように、最終的に適切な量まで調整します。

濃縮は、微量での精密な検出を可能にし、残留農薬分析の信頼性を高める重要なプロセスです。

残留農薬分析における濃縮が活用されている分野

残留農薬分析における濃縮技術は、さまざまな分野で活用されています。これらの分野では微量の農薬を検出し、適切な評価を行うために濃縮が欠かせません。以下は代表的な分野の例です。

1. 食品安全

  • 目的: 農薬の最大残留基準値への適合性を確認する。

  • 対象:

    • 農作物(野菜、果物、穀物)

    • 加工食品(ジュース、ソースなど)

    • 畜産物(水産物、肉、卵などに含まれる残留物)

  • 具体例:

    • 果物ジュースの濃縮工程で、農薬濃度が希薄になるため、精密な分析を実施。

    • 乳製品や油脂類に含まれる微量農薬を検出。

2. 環境分析

  • 目的: 土壌や水中の農薬残留量を測定し、環境への影響を評価。

  • 対象:

    • 地下水、河川、湖沼などの水質

    • 農地の土壌

  • 具体例:

    • 地下水から微量の農薬を濃縮して分析し、飲料水の安全基準を確認。

    • 降雨後の流出水(農業排水)に含まれる農薬をモニタリング。

3. 農業分野

  • 目的: 農薬の適正使用や効果の検証。

  • 対象:

    • 農作物に散布された農薬の残留量

    • 土壌中での農薬の分解・移動挙動の研究

  • 具体例:

    • 農薬の使用方法による残留量の違いを評価。

    • 植物の内部移行(トランスロケーション)の追跡に微量分析を活用。

4. 輸出入管理

  • 目的: 国際貿易における食品の残留農薬基準の適合性を確認。

  • 対象:

    • 輸入食品(果物、野菜、加工食品など)

    • 輸出向けの農作物や食品

  • 具体例:

    • 国別のMRL(最大残留基準値)の違いを考慮した分析。

    • トレースレベルの濃縮を通じて検出限界を下げ、輸出先基準をクリア。

5. 製薬・化学分野

  • 目的: 農薬成分の動態や分解生成物を研究。

  • 対象:

    • 農薬の分解産物や代謝物

    • 新規農薬の安全性試験

  • 具体例:

    • 新規農薬の開発における微量成分の特定。

    • 使用後の農薬が環境中でどのように分解されるかを追跡。

6. 公共衛生・疫学

  • 目的: 人体への暴露や健康影響の調査。

  • 対象:

    • 血液や尿中に含まれる農薬代謝物

    • 大気やほこりに含まれる農薬

  • 具体例:

    • 農薬使用地域での住民の健康調査。

    • 微量分析で人体暴露レベルを特定。

濃縮技術はこれらの分野で不可欠であり、精密な残留農薬分析を実現するための基盤を提供しています。

残留農薬分析における濃縮のアプリケーション例

残留農薬分析における濃縮技術は、具体的なアプリケーション例として以下のような場面で活用されています。それぞれの応用例は、濃縮が分析精度を向上させる重要な役割を果たします。

1. 果物ジュース中の農薬残留量の測定

  • 背景: 果物ジュースは加工工程で希釈されるため、残留農薬の濃度が非常に低くなることが多い。

  • 濃縮の役割: ジュースサンプルを濃縮することで、検出感度を向上させ、精密な分析を実現。

  • 実例: オレンジジュースやアップルジュース中の有機リン系農薬の検出。

2. 地下水や河川水中の微量農薬の検出

  • 背景: 農薬の散布後、雨水によって地下水や河川に微量の農薬が流入する可能性がある。

  • 濃縮の役割: サンプル水を固相抽出(SPE)や溶媒蒸発により濃縮し、微量の農薬を検出可能にする。

  • 実例: 地下水中のアトラジンやグリホサートなどの除草剤の残留分析。

3. 加工食品中の農薬代謝物の測定

  • 背景: 加工食品中では、農薬そのものではなく、その代謝物が検出対象となる場合が多い。

  • 濃縮の役割: 代謝物の濃度が低いため、濃縮して検出限界を超える濃度に引き上げる。

  • 実例: パスタやパンなどの加工食品に含まれる微量代謝物の分析。

4. 輸出用農産物の残留検査

  • 背景: 国ごとに異なる残留基準値に対応するため、高感度な分析が必要。

  • 濃縮の役割: 検出限界を低くするため、果物や野菜から抽出した農薬を濃縮。

  • 実例: 輸出用イチゴ中のカルベンダジム(殺菌剤)やディフェノコナゾールの検査。

5. 食品添加物やサプリメントの農薬検査

  • 背景: サプリメントなどの原料にも農薬残留が懸念されることがある。

  • 濃縮の役割: 植物由来成分に含まれる微量の農薬を検出可能にする。

  • 実例: ハーブサプリメント中のピレスロイド系農薬の検出。

6. 農業廃水の影響評価

  • 背景: 農地から排出される廃水に含まれる農薬が環境に与える影響を調査。

  • 濃縮の役割: 廃水中の微量農薬を固相抽出や液液抽出で濃縮し、影響範囲を特定。

  • 実例: 農地から排出されるピリプロキシフェンやイマザピルなどの成分のモニタリング。

7. 法医学での中毒事件解析

  • 背景: 農薬中毒事件や不適切な農薬使用の調査。

  • 濃縮の役割: 血液や尿サンプルから農薬を濃縮して特定。

  • 実例: ヒトの血液中のクロルピリホスやパラチオンなどの濃度測定。

8. 土壌中の農薬残留調査

  • 背景: 農薬が土壌中で分解し、その残留が作物や環境に影響を与える。

  • 濃縮の役割: 土壌抽出液を濃縮し、微量成分を高感度で分析。

  • 実例: 農薬の分解生成物(代謝物)を含む土壌サンプルの分析。

濃縮はこれらのアプリケーションで、分析装置(GC-MSやLC-MS/MS)の性能を最大限に活用し、微量成分の高感度検出を可能にします。

残留農薬分析の濃縮時に窒素エバポレーターを使用するメリット

窒素エバポレーターは、残留農薬分析の濃縮工程でよく使用される装置です。これはサンプル中の溶媒を効率よく蒸発させ、ターゲット化合物(農薬成分)を濃縮するために利用されます。以下に窒素エバポレーターを使用する主なメリットを挙げます。

1. 迅速な濃縮

  • 窒素ガスをサンプル表面に直接吹き付けることで、蒸発を加速します。

  • 蒸発時間が短縮され、従来の方法(例:ロータリーエバポレーター)よりも効率的です。

2. 低温条件での操作

  • 加熱温度を低く設定できるため、熱に敏感な農薬成分やその代謝物が分解されるリスクを低減します。

  • サンプルの化学的安定性を保持したまま濃縮が可能です。

3. 多サンプルの同時処理

  • 一度に多数のサンプル(通常6~96本程度)を並行して処理できるため、分析作業の効率が向上します。

  • 高スループット分析に適しています。

4. 残留物の均一な濃縮

  • 窒素ガスが均一に分布するため、サンプル中のターゲット化合物が均一に濃縮されます。

  • 再現性が高い分析結果が得られます。

5. 操作が簡便

  • 自動化されているモデルが多く、手動の操作が少ないため、操作ミスが減少。

  • プログラム可能な温度制御やタイマー機能が付属している装置もあり、利便性が高いです。

6. 溶媒の選択肢が広い

  • 揮発性溶媒(アセトニトリル、ヘキサン、メタノールなど)に適しており、幅広い溶媒に対応可能です。

7. コンタミネーションのリスクが低い

  • 窒素ガスは不活性なため、サンプルが酸素や水分に触れて劣化するリスクが少ない。

  • 高純度の窒素を使用することで、コンタミネーションのリスクがさらに低減されます。

8. コストパフォーマンスの向上

  • 低消費電力で効率的な操作が可能なため、ランニングコストが抑えられます。

  • サンプル処理時間が短縮されることで、分析コストも低減します。

窒素エバポレーターは、精度が求められる残留農薬分析で、高感度かつ効率的な濃縮を可能にする強力なツールです。

Organomation - 窒素エバポレーター

オレンジサイエンスでは世界的に有名なOrganomation社の窒素エバポレーターを取り扱っています。Organomation社は、窒素ブローダウン技術を中心とした窒素エバポレーター・窒素ブローダウン蒸発装置を専門としている機器開発メーカーです。1959年に設立され、60年以上にわたり、世界中の研究・試験機関向けに窒素エバポレーター・窒素蒸発装置を提供してきました。Organomation社の高品質な窒素エバポレーター装置は、世界中で信頼性が高く、メンテナンスの手間がかからない実験装置であると高く評価されています。また、耐用年数が長いため、今日の多忙な研究室にとって、非常に費用対効果の高いソリューションとなっています。

 

窒素エバポレーターとは、分析用サンプルの前処理によく使用される実験装置です。環境試験、農業、食品・飲料、医薬、品質保証、科学捜査、オイル・グリースなど、様々な業界で使用されており、質量分析を行う前にサンプルを乾燥・濃縮するために使用されます。試料は窒素エバポレーターに充填され、窒素ブローダウンが、時には熱と併用されながら、試料の水分を除去するために使用されます。

Organomationの卓上型窒素エバポレーターは、窒素ガスの穏やかな流れをサンプルに直接供給します。一定のガス流は、蒸気が飽和した空気層を押し流し、蒸気が液体に戻るのを防ぎます。これにより、過剰な溶媒蒸気の量が減少し、圧力が下がり、サンプルがより速く蒸発することが可能になります。これは、少量、揮発性、半揮発性のサンプルには特に重要です。

窒素ブローダウンは消耗品を必要としない方法であり、サンプルに非常に優しく、代替オプションと比較して非常に手頃な価格です。

Organomationは、N-EVAPライン、MULTIVAPライン、MICROVAPラインの3つの主要製品ラインを通じて、少量サンプル用の窒素ブローダウン蒸発器の多くのバリエーションを提供しています。

N-EVAP

N-EVAPは調整可能な窒素ブローダウン技術を利用しており、窒素ガスを無駄にすることなく、サンプルへの窒素フローを完全にコントロールできます。柔軟性がN-EVAPの特徴です。他の少量サンプルエバポレーターと異なり、N-EVAPは、別々のヒートブロックを必要とせず、一度に数種類のバイアルやチューブを保持することができます。非加熱モデルだけでなく、ウォーターバスまたはドライビーズ付きの加熱モデルもあります。

N-EVAP

MULTIVAP

MULTIVAPは、一度に多数のサンプルのバッチ濃縮に一貫性を提供します。チューブは、加熱された特注アルミブロックまたはウォーターバスに設置されます。窒素分配マニホールドはユニットとして昇降し、1回の動作で全サンプルへの蒸発を開始または停止します。

MULTIVAP

MICROVAP

MICROVAPは、96ウェルマイクロプレートや小ロット用に設計されたコンパクトな装置で、ライフサイエンスや製薬業界のお客様によく使用されています。サンプルは、サンプルチューブに合うように特注加工された加熱アルミニウムブロックに収まります。常温での蒸発用に、加熱なしのモデルもあります。

窒素ブローダウン蒸発器は、少量のサンプルや大量のサンプルの蒸発、複数のサンプル前処理方法の同時実行を可能にすることで、ラボに利益をもたらします。

動画

時間計算・溶媒除去方法判別ツール

Organomation社の日本語Webサイトでは溶媒除去に関する時間計算ツール・溶媒除去方法判別ツールを用意しています。手作業で処理していた濃縮除去の時間を濃縮器を使うことでどれだけ時間短縮できるか、ラボに必要な溶媒除去方法濃縮器が必要か、など、いくつかの質問に答えるだけですぐに回答が得られます。ぜひご活用ください。

Organomationの窒素エバポレーターの違い

Organomation社は、窒素ブローダウン技術を中心としたラボ用窒素エバポレーターのメーカーです。N-EVAP、MICROVAP、MULTIVAPの3つの主要なブローダウン製品ラインがあります。各製品ラインは、容量、制御、機能が異なるため、さまざまな用途に対応できるように設計されています。ここでは、各エバポレーターの主な違いを説明し、どのエバポレーターがお客様のラボに最適かを判断できるようにします。

加熱媒体

全てのエバポレーターには加熱機能が標準装備されていますが、小さなサンプルや熱に敏感なサンプルを扱う場合は、非加熱タイプも選択できます。加熱オプションが必要な場合は、各ユニットで使用される加熱媒体を知ることが重要です。

N-EVAP

全ユニットにウォーターバスが標準装備されています。6、12、24ポジションのN-EVAPには、アルミビーズまたはガラスビーズを使用したドライバスのオプションがあります。ウォーターバスとドライバスの違いと、それぞれの利点を生かすアプリケーションについてご覧ください。

MICROVAP

すべてのユニットがアルミニウム製ヒートブロックを使用しています。15ポジションと24ポジションのMICROVAPには、チューブやバイアル用の特注ドリル付きアルミインサートも付属しています。

MULTIVAP

64ポジションと100ポジションのMULTIVAPを除き、カスタムドリルアルミヒートブロックを使用しています。

サンプルサイズと容量

各ユニットには、対応可能なサンプルサイズの範囲があります。この範囲内で複数のチューブサイズを保持できるように設計されているエバポレーターもあれば、1つのチューブサイズしか保持できないように設計されているエバポレーターもあります。エバポレーターを選択する前に、ご希望のチューブサイズと容量を把握しておくことが重要です。

N-EVAP

すべてのN-EVAPエバポレーターは、外径10~30mmのチューブに対応します。これらの装置には、一度に複数のサイズのチューブを保持できるユニークなスプリングアシストサンプルホルダーがあります。6~45のサンプルポジションのオプションがあり、小規模から中規模のバッチを扱う場合に最適です。

MICROVAP

マイクロプレートと小バッチの試験管の両方に対応します。マイクロプレート用には、96ウェルプレート1枚または3枚を収納できるシングルプレートユニットとトリプルプレートユニットがあります。試験管用には、小~中サイズの試験管用に設計された15ポジションまたは24ポジションのモデルがあります。試験管用MICROVAPは、1~2本の試験管サイズに最適です。試験管MICROVAPには、1本の試験管サイズに適合するよう特注で穴あけされたインサートが1セット標準装備されています。2本目のチューブサイズを使用する場合は、2セット目のカスタムインサートを購入できます。

MULTIVAP

MULTIVAPユニットは、1-2サイズのチューブのみを扱う場合に理想的ですが、装置モデルにより幅広いチューブサイズ(外径10-30 mm)に対応できます。ドライブロックモデルには1本のチューブサイズに適合する特注の穴あきヒートブロックが付属し、ウォーターバスモデルには1本のチューブサイズに適合する特注の穴あきラックが付属します。2本目のチューブサイズを使用する場合は、2本目のヒートブロックまたはラックを購入することができます。

ガス流量制御

窒素エバポレーターにとって、ガス制御は非常に重要な機能です。エンドユーザーによっては、各サンプル位置でのガス流量制御が便利な場合もあれば、全サンプル位置のガス流量を一度に調整したい場合もあります。

N-EVAP

各サンプルポジションには個別のバルブがあり、サンプルのサイズや量に応じてガスの流量を調整できます。また、異なるチューブの高さに対応できるよう、各ニードルの位置を調整できます。

MICROVAP・MULTIVAP

これらのブローダウンユニットはどちらも、すべてのニードルが1つのマニホールドに接続されている同じ設計です。これにより、1つのスイッチですべてのサンプル位置へのガスフローを開始および停止できます。エバポレーションセッション中にすべてのサンプルポジションを使用しない場合、MULTIVAPにはマニホールドにトグルスイッチがあり、各列へのガスフローを停止して窒素ガスを節約することができます。

デジタル制御

タイマーや温度制御システムなどのデジタル制御を搭載することで、エンドユーザーはより柔軟で高度な設定を行うことができますが、エンドユーザーの中には、必要な機能と設定だけが搭載された、よりシンプルな機器を好む方もいます。

N-EVAP

6、12、24ポジションのN-EVAPにはデジタル制御装置は付属していませんが、34および45ポジションのN-EVAPには、温度制御装置とガスおよびヒート用のタイマーが付いたサイドコントロールボックスが付属しています。

MICROVAP

すべてのMICROVAPユニットには、LEDディスプレイ付きデジタル温度コントローラーがバスケースに直接組み込まれています。

MULTIVAP

すべてのMULTIVAPユニットには、デジタル温度コントローラーとガスおよびヒート用タイマーがバスケースに直接組み込まれています。

Organomation社の窒素エバポレーターはすべて、エンドユーザーを念頭に置いてシンプルに設計されています。各製品ラインは、ブローダウン技術という基本的な要素は同じですが、わずかに異なるニーズや用途に対応するためのものです。

Organomation - 窒素エバポレーター

N-EVAP

 N-EVAP は、異なるサイズのバイアルを一括で処理することが可能な窒素エバポレーターです。さらに、各位置にあるニードル弁で各試料への気体流を個別に制御できます。

 使いやすい設計と耐久性のある構造の組み合わせで、世界中の研究者の方々にご使用頂いております。

 

Organomation社のN-EVAP窒素エバポレーターは、最も人気の製品ラインであり、様々な専門研究室において、サンプルから余分な溶剤を除去する効果的なツールであり続けています。

N-EVAPを使用している研究施設の多様性は、まさにこの装置の柔軟性を物語っています。

Organomation - 窒素エバポレーター N-EVAP
Organomation - 窒素��エバポレーター N-EVAP
MULTIVAP

 50mlビーカー9個用の乾式ブロックモデルから、最大100本までの少量試料用の恒温槽水槽モデルがあります。

 類似試料のバッチを段階的かつ効率的に濃縮する必要がある研究機関に最適です。

 一連のニードルまたはガラスピペットから、窒素ガスを試料の表面に直接供給し蒸発を促進します。

 マイクロプレートや少量の試験管向けのモデルです。重量は約7kg、直径は約30cmなので、簡単に移動でき、作業スペースを最大限に活用できます。

 MULTIVAPと同じく、全ての加熱ブロックは試験管の寸法に合うように設計されています。室温で発生する蒸発向けに熱源なしのバージョンが利用可能です。

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