PLCS (Precision-Cut Lung Slice) プロトコルマニュアルのご紹介
- Orange Science
- 6月17日
- 読了時間: 4分
新プロトコルマニュアルのご紹介
<PCLS(Precision-Cut Lung Slice)>
呼吸器研究でPCLSをマスターするための詳細なマニュアルのご紹介
PCLS(精密肺スライス)プロトコルマニュアルは、毎回安定した健康な肺組織スライスを得るための、実用的で研究者向けのガイドです。PCLSを始めたばかりの方にも、テクニックを磨く方法をお探しの方にも、サンプル採取から長期培養まで、このガイドブックはプロセスの全ステップを解説しています。

解剖器具には、縫合糸、湾曲鉗子、先端の細い鉗子、先端の細い解剖鋏、手術用鋏、バネ鋏、皮下注射針を取り付けた1mlシリンジに入れたペントバルビタールなどが必要です。

皮膚切開線は参考のために描かれています。このプロセスには主に2つのシナリオがあります: C.成体マウスの解剖、アガロース膨張、肺の採取、D.生後3日目(P3)マウスの解剖、アガロース膨張、肺の採取。
なぜ精密切断肺スライスなのか?
肺の研究では、信頼性の高い生体外モデルが鍵となります。そこでPrecision-Cut Lung Slicesが必要です。2次元細胞培養やオルガノイドとも異なり、PCLSは無傷の肺胞を含む肺組織の構造的・細胞的複雑性を保持しているため、損傷や炎症から再生・修復まで、あらゆる研究に理想的です。
このマニュアルでは、PCLSが従来のin vitro法と全動物モデルとの間の強力な架け橋となる理由を説明しています。さらに、動物の使用を減らすことで3Rをサポートします。また、1つの肺から、並行実験用に数十枚のスライスを得ることも可能です。
マニュアルの内容
PCLSアプリケーションの詳細な概要
滑らかで均一なスライスのためのCompresstomeビブラトームを用いたステップバイステップのプロトコル
スライスの生存率を最適化し、組織損傷を最小限に抑えるためのトラブルシューティングのヒント
マウス肺スライスの包埋、切片化、回収、培養のベストプラクティス
リアルタイムイメージングと肺胞発生モデルに関する特別な洞察

図4. 肺の精密切断とライブイメージングのセットアップ。
A. 使用する肺スライサーはCompresstome® ビブラトーム
B. アガロースを固めるためのシリンジ冷却ブロック。
C. P3マウスから採取したアガロースで膨らませた肺。
D. 分離した左肺葉を実験用組織ロールに載せる。
E. PCLSを作成するため、切断ホルダーに左肺葉をアガロースで包埋した状態図。
F. プレシジョンカットした肺スライスを24ウェルプレートに並べる。
G. トランスウェル改良により、ウェルプレート上での肺スライスの安定化が容易。
H. 精密切断した肺スライスを、改良したトランスウェルと金属平ワッシャー(黒縁)を用いてibidi 24ウェルu-plateにセットする。ライブイメージング用の倒立顕微鏡における、金属平ワッシャー、トランスウェル、肺スライス、および40倍の長作動距離の空気対物レンズの相対位置とアライメントを示す概略図。
どのような方に役立つか?
初めてPCLS実験を始める研究者
一貫性とトラブルシューティングを改善したいベテランユーザー
学生や技術者をトレーニングしている研究指導者
動物ベースのワークフローからex vivo肺モデルに移行する研究室
今すぐPCLSプロトコルマニュアルを入手して、肺スライスワークフローの構築を開始してください。マニュアルをご希望の方は下記からお願い致します。
Precisionary社
<Compresstome (組織切片スライサー)>
Precisionary社は、組織切片培養や、PCLS(Precision Cut Lung Slice)に欠かせない、アメリカ、ボストンの切片スライサー(ビブラトーム)のメーカーです。
他社の技術とは違い、専用のチューブにサンプルを入れてアガロースで包埋し、そのサンプルを設定した厚みで押出し、縦にスライスするため、厚みの調整が簡単で、サンプルへのダメージも最小限にすることが可能です。

<他社の技術~横方向~>

ステージに接着して横方向にスライスするため、サンプルを支えるものが無く、また支えを追加するとサンプルを押しつぶす形になり、ダメージを与えやすいです。
<Precisionary社の技術~縦方向~>

アガロースで包埋したサンプルをチューブに入れることにより、サンプルを支えることができ、押し出し、縦にスライスしますので、厚みの調整も簡単です。
その他の製品は下記からご覧ください