心臓の恒常性と疾患におけるN末端アセチル化の役割の解明
- Orange Science
- 1 日前
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MyoCyte system
プライマリー単離心筋細胞 カルシウム・収縮測定システム
使用論文紹介
N末端アセチル化の調節異常は不整脈と心筋症を引き起こす
『Nature Communications』誌に掲載された最新の論文で、研究者らは、N末端アセチルトランスフェラーゼ(NatA)複合体に、これまで確認されていなかった変異を持つ、患者から人工多能性幹細胞由来心筋細胞(iPSC-CM)を作製し、心臓の恒常性と機能不全におけるN末端アセチル化の役割を明らかにした。
この発表はいくつかの点で重要である:
NatA活性が低下した新規NAA10変異体の確認: QT延長症候群や心臓突然死と関連するN末端アセチルトランスフェラーゼNAA10におけるこれまで確認されていなかった変異が、NatAを不安定化し、アセチルトランスフェラーゼ活性を弱めることが示された。
iPSCモデルの開発:NAA10R4S変異を持つ患者由来のiPSC-CMを用い、拡張型心筋症で死亡した患者の観察結果と一致するように、サルコメア充填密度の低下とサルコメア長の増大を示した。
収縮力の低下: 患者iPSC-CMから作製された心臓組織は、野生型EHTと比較して、明らかに弱い収縮力を示した。
カルシウムクリアランスの遅れが収縮力の低下を証明する: IonOptixシステムとカルシウムインジケータFura-2を用いて、SERCAを介したカルシウムの再取り込みとNCX1を介したカルシウムの排出が遅いためと思われる、安静時カルシウムの上昇とカルシウムクリアランス速度の低下が、力の弱い収縮に寄与していることを示した。
ナトリウム電流とカリウム電流の調節障害: NAA10R4Sを持つiPSC-CMでは、後期ナトリウム電流が増加し、遅発性遅延整流カリウム電流が減少したため、再分極が延長した。
レスキュー: NAA10R4Sを導入したiPSC-CMでWT NAA10を発現させると、機能障害が部分的に回復した。
MyoCyte system
プライマリー単離心筋細胞 カルシウム・収縮測定システム

画像解析による、細胞の収縮、サルコメアの測定、また2波長光源でのレシオメトリックス法による細胞のカルシウム測定(ピーク・速度)が可能です。
標準モデルから、自動セル検知機能の付いたハイスループットまでございます。下記の表からお客様のニーズに合ったモデルをお選び頂けます。

オレンジサイエンスでは、その他にも、様々な装置を取り扱っております。