NETT法による
3D細胞ブロック作製
細胞だけで厚みのある3D細胞ブロックの作製を
シンプルな手法で可能にします。
細胞だけで作られた細胞ブロックは
外部からコラーゲンやゲルなどを加えることなく、
細胞自らが産出した細胞外マトリックスにより自己組織化するので
強度が高く、細胞がもともと持つ機能性を高く発現します。
NETT法とは: Net-Engineered Tissue Technology
ネットモールド法は細胞がもともと持っている「細胞同士で接着しようとする」性質を最大限利用した、大変合理的な手法です。
ネットモールドとは網目状に組み合わされた鋳型を意味します。網目は細胞の塊(スフェロイド)が通り抜けられない程度の細かさで設計されています。その網目状の鋳型の中にスフェロイドが保持された状態で培養することで、細胞同士が融合し、組織化します。
これまでのバイオインク(細胞を含んだゲル等)を利用した吐出型3Dバイオプリンターとは異なり、細胞同士の接着が密であり、細胞自らが産出するコラーゲンなどで組織化することで、より自然な3D細胞組織となります。
ネットモールド法で作製された3D細胞ブロックや細胞チューブは、縫合に堪える十分な強度を持ち、さらにTGF-B1などのサイトカインも産出します。
この技術は接着性の細胞であれば動植物を問わず有効です。
動物実験などの代替、不妊治療用途、人工臓器用途、フード用途など多岐にわたる応用用途が期待されています。
構造
固定チューブ
ストッパー
ロックプレート
トップボトムネット
厚さ:0.1㎜
ピッチ:0.1㎜
サイドネット
厚さ:0.1㎜/1枚(合計:1.0㎜)
トップボトムネット
厚さ:0.1㎜
ピッチ:0.1㎜
ロックプレート
ベース
フィリングベース
スターターキット(with ディンプルプレート※開発中)
ディンプルプレートにより、ネットモールドに投入するスフェロイドを容易に作成することができ、3次元培養を容易に可能にします。
使用方法動画
仕様
寸法:
ベース:
ネット:
チューブ:
ストッパー:
32 x 32 x 12 mm
ポリカーボネート
ステンレス(コーティング済)
シリコン
シリコン/ステンレス
型番:NM14-2
寸法:
ディンプル数:
細胞数:
細胞腫:
83 ㎜(100 ㎜ディッシュにフィット)
約 4,200個
30.0 x 10⁷ Cells/プレート
(約 7,000個/ディンプル)
線維芽細胞用
※他種細胞はご相談下さい
型番:DP10-1
使用論文一覧
ジョンホプキンス病院小児心臓外科 日比野成俊先生(現:シカゴ病院)のラボで行われた研究です。NETT法の有用性を包括的に証明しています。
「iPS由来心筋細胞を使い、NETT法を用いて「拍動する心筋パッチ」を作製。心筋パッチの厚さは約750umと厚く筋線維の特徴がみられ、内部までコラーゲン発現しており、全体が協調して拍動がみられた。更に人工的に心不全を起こしたラットの左心室に心筋パッチを移植することで、EF(駆出率)が優位に改善することがみられた」
ジョンホプキンス病院小児心臓外科 日比野成俊先生(現:シカゴ病院)のラボで行われた研究です。
バイオマテリアルなどの補助材料を使わずに、NETT法でを用いて細胞だけで3D心筋パッチを作製するプロトコルを紹介しています。NETT法により 厚みがあり大型で強度もあり、機能性に優れた3D心筋パッチが作製できることを示唆しています。