生体内の組織・細胞は、常時メカニカルストレス(力学的刺激)を受けています。これに対し、通常の静的培養系(in vitro)ではこのような刺激は存在せず、生体内細胞とは多くの点で異なっています。
血管内皮細胞・心臓内皮細胞・腎臓細胞・網膜神経細胞等を生体内と同等の環境で培養するには、ガス圧力負荷による力学的刺激が重要です。
SP-1000 ガス加圧刺激培養装置は、メカニカルストレス感知機構、細胞内シグナル伝達、タンパク質発現、再生医療等の研究に最適です。
ガス加圧刺激細胞培養装置
STREX社のガス加圧刺激培養装置は、専用耐圧チャンバーとコントローラーから成るシステムです。
コントローラーを通して、インキュベーター内のエアーをチャンバー内に置換し、その後、コントローラーで設定した圧で、チャンバー内を加圧します。一定の加圧だけでなく、サイクリックに加圧することも可能です。
一つのコントローラーに2つのチャンバーを接続することも可能で、別売りのステンレスチャンバーを使用することにより、より高い圧力での刺激も可能です。
一つのコントローラーに2つのチャンバーを接続することも可能で、別売りのステンレスチャンバーを使用することにより、より高い圧力での刺激も可能です。
ガス加圧細胞刺激培養装置 - 紹介動画
ガス加圧細胞刺激培養装置の特徴
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システム構成:圧力チャンバー、コントローラー
※ 本装置を使用するためにはCO2 5%+Air95%ブレンドガスボンベが必要な場合があります。 -
1ch仕様と2ch仕様があります。(右上写真は2ch仕様)
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120~300mmHgの圧力範囲で、2種圧力値設定し加減圧できます。
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連続加圧モード、加圧・減圧繰り返しモードがあります。
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CO2インキュベータ内に設置して、長期間の加圧培養が可能です。
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連続加圧モード時に自動ガス交換を行います。
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圧力パターンのプログラムの書き換えにより、希望の圧力パターンが製作可能です。(別途費用)
顕微鏡モデル SP-1010
ガス加圧刺激培養時に顕微鏡で観察ができる1チャンバーモデルです。使い方は SP-1000 とほぼ同じです。加圧チャンバーの代わりに、このチャンバーにチューブを接続して使用します。
使用論文
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Nagamatsu, G., Shimamoto, S., Hamazaki, N., Nishimura, Y., & Hayashi, K. (2019). Mechanical stress accompanied with nuclear rotation is involved in the dormant state of mouse oocytes. Science Advances, 5(6), eaav9960.