ビブラトーム
ビブラトームとは
ビブラトーム(vibratome)は、生物学や神経科学などの分野で使用される実験装置の一種です。ビブラトームは、組織や試料を非常に薄いスライスに切断するために使用されます。通常、ビブラトームは微細な振動を利用して試料を切削します。これにより、組織が破壊されることなく、生きた細胞を含む試料を取得できます。主に脳組織の研究や細胞の解析に使用され、特に神経科学の分野では一般的に使用されています。

ビブラトーム使用の目的
ビブラトームの主な目的は、生物学や神経科学などの分野で使用される組織や試料を薄いスライスに切断することです。これにより、以下のような目的を達成することができます。
組織の解析
生物学や医学の研究では、組織の構造や機能を理解するために組織をスライスして観察する必要があります。ビブラトームを使用することで、組織の微細な構造や細胞の配置を調べることができます。
細胞の生理学的研究
生きた細胞を含む組織や器官を取得するために、ビブラトームはしばしば使用されます。これにより、生物学者や神経科学者は、細胞の機能や相互作用を研究するための実験を行うことができます。
神経科学の研究
ビブラトームは神経科学の分野で特に重要です。脳や神経系の組織をスライ スすることで、神経回路や神経細胞の相互作用を理解し、研究することが可能になります。これは、脳の構造と機能の関係を解明するために不可欠です。
医学的アプリケーション
ビブラトームは医学的な研究や診断にも応用されます。例えば、がん組織のスライスを用いた研究や、疾患の病理学的解析に利用されます。
ビブラトームは生物学や医学のさまざまな分野で組織や試料の準備を行い、それらの研究や解析を可能にする重要なツールです。
ビブラトームの利点
微細なスライス
ビブラトームは非常に微細なスライスを作成することができます。これにより、組織や細胞の微細な構造を詳細に観察することができます。
生きた組織の維持
ビブラトームは組織を非常に細かく切断するため、細胞の破壊を最小限に抑えることができます。その結果、生きた組織や細胞を保持し、生理学的な状態で研究することが可能です。
高い制御性
ビブラトームは切削プロセスを制御しやすいため、研究者は切断の深さや速度などを調整して、試料を適切に処理することができます。
多様な試料への適用
ビブラトームはさまざまな種類の組織や試料に適用することができます。例えば、脳組織や肺、植物組織など、さまざまな生物学的な材料をスライスすることができます。
迅速な処理
ビブラトームは比較的迅速に試料を処理することができます。これにより、多くのサンプルを効率的に処理して解析することができます。
再現性と信頼性
ビブラトームを使用することで、高い再現性と信頼性を持った結果を得ることができます。このため、実験の結果がより正確で信頼性の高いものになります。
これらのメリットにより、ビブラトームは生物学や神経科学などの分野で広く使用され、貴重な研究ツールとして認識されています。
ビブラトームのアプリケーション例
神経組織のスライシング
ビブラトームは、脳や脊髄などの神経組織を薄いスライスに切断するために使用されます。これにより、神経回路や神経細胞の構造や機能を詳細に解析し、神経科学の研究に貢献します。
組織の解剖学的研究
様々な組織の解剖学的な構造を理解するために、ビブラトームが使用されます。例えば、心臓、肝臓、腎臓などの臓器組織をスライスして、その微細な構造や細胞の配置を観察します。
がん研究
ビブラトームは、がん組織のスライシングや解析にも使用されます。がん組織の微細な構造や細胞の特性を調査し、がんの進行メカ ニズムや治療法の開発に貢献します。
再生医療
ビブラトームは再生医療の研究にも活用されます。組織や細胞をスライスして、再生医療の素材として使用するための準備を行います。例えば、幹細胞から生成された組織をスライスして、移植前の評価や移植後の検証に使用されます。
植物科学
植物の解剖学的な研究や生理学的な機能解析において、ビブラトームが使用されます。植物組織をスライスして、植物の発育や栄養吸収、ストレス応答などに関する研究を行います。
これらは一般的なビブラトームのアプリケーション例であり、他にもさまざまな分野で使用されることがあります。
Precisionary ビブラトーム VF-510-0Z
Precisionary Compresstome® VF-510-0Zは細胞や組織の切片を特許取得済みの圧縮技術によりビビリなしで作製し、急性組織上の多くの生存細胞を維持します。解析した後、組織を取り出しスライスしたり、組織1つから複数の組織サンプルを取得することが可能です。
特許取得済みの圧縮技術によりビビリ・チャタリングなしで切片を作製し、急性組織上の多くの生存細胞を維持。良質な実験結果を保証します。
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従来のビブラトームの5倍の速さで切開し、ブレードを組織に当てる時間を短縮し、より良い切開を実現
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Auto Zero-Zテクノロジーにより、Z軸のたわみを1 µm未満に低減
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持ち運びに便利な軽量設計
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完全自動化:切開+厚み調整

特徴

A. 耐久性
静かで耐久性のあるパワフルなコードレスモーターを搭載
B. 洗浄が簡単
取り外し可能なバッファートレイとチューブベースにより、洗浄とチューブサイズの変更が容易
C. 切断サンプルの迅速な装填
スライド式コントロールボックスのワンタッチロック解除機構により、迅速なサンプルローディングが可能
D. ユーザーフレンドリーなコントロール
完全に統合されたコントロールボックスは、組織切片作成を制御するための直感的な制御パラメータを備えています。

E. 複数のブレードタイプに対応
新しいマグネット式ブレードホルダーにより、ステンレス製ブレードはマグネットで簡単に装着でき、セラミック製およびタングステン製ブレードは接着剤で装着できます。
F. 取り付けが簡単なブレードホルダー
ブレードの角度が固定されているため、手動での位置合わせが不要。
G. ミクロトームの長寿命化
内蔵のシースルーカバーにより、エアロゾル化した緩衝液から振動部を保護
Compresstome©ビブラトームの利点
アガロース包埋
アガロース包埋とは、Compresstome©振動型マイクロトームで組織切片を切り出す前に、組織試料をアガロース溶液で包埋することです。切片作製にかかる時間はほんのわずかで、より健康的で滑らかな組織スライドを作製できます。
Auto Zero-Z®テクノロジー
振動ヘッドは、Z軸方向の振動をなくすように正確に調整されています。Auto Zero-Z®テクノロジーは、生きた組織サンプルの表面細胞へのダメージを軽減し、薄切片のチャタリングを低減してイメージング結果を向上させます。
豊富なアプリケーション例
Precisionary社は、20年近くにわたり組織スライス装置を専門に扱ってきた会社です。免疫組織学や組織切片の培養、電気生理学や植物研究など、幅広いアプリケーションと引用実績があります 。
仕様

レビュー


ジョナサン・ティン博士
アレン研究所
この装置の主な利点は、スライスのスピードが速いことと、アガロース包埋による手動の安定化です。冠状面でも水平面でも均一なスライスを作成することができ、経心筋灌流、脳の摘出、スライスをすべて10分以内に完了させることが日常的になっています。

クラウディア・ローベル博士
ミシガン大学
Compresstomeビブラトームを精密肺切片(PCLS)実験に使用していますが、切片作成に非常に満足しています。Compresstome は定期的に(週に何日も)使用しています。

Shaoyu Ge博士
神経生物学部門、SUNY
私たちは様々なベンダーのミクロトームを使用した経験がありますが、Compresstome®の優れたスライス能力に興奮しています。

Cynthia Koziol-White博士
ラトガース大学
Compresstomeは本当にきれいな肺切片を作ることができただけでなく、Krumdieckよりも多くの肺切片を作ることができました。低融点アガロースを注入した肺サンプルを切開したのですが、Compresstomeのおかげで数日間PCLSを作ることができました。これにより、肺スライスからの出力はKrumdieckより大幅に増加しました。
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