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プラズマ処理とは

プラズマ処理は、高温で希薄な気体が電気的に励起され、電子と陽イオン(プラズマ中の正電荷を持つ粒子)が存在する状態を指します。これにより、気体がプラズマと呼ばれる第四の物質状態に移行します。通常、プラズマは強力な電磁場や高周波電力などのエネルギー源を利用して生成されます。

 

プラズマ処理は、このプラズマを利用して物質表面を処理する技術です。プラズマ中には多くの種類の化学的な反応が起こり、それによって物質表面の清浄化、活性化、エッチング、めっき、コーティングなどの目的を達成することができます。例えば、プラズマ処理は半導体製造業界でウエハーの表面処理に利用されたり、医療機器や食品包装材料の殺菌や表面改質にも用いられたりします。

 

プラズマ処理は、他の表面処理方法と比較して、均一な処理や微細な加工が可能であり、また、化学的な反応や熱によるダメージが少ないという利点があります。

プラズマ処理装置とは

プラズマ処理装置は、プラズマを生成し、それを用いて物質表面を処理する装置です。プラズマは、高温で希薄な気体中において、電子と陽イオン(プラズマ中の正電荷を持つ粒子)が存在する状態を指します。プラズマは通常、ガスを放電させることで生成されます。

 

プラズマ処理装置は、このプラズマを利用して、表面改質、洗浄、エッチング、めっき、表面コーティングなどのプロセスを行います。例えば、半導体製造においては、プラズマ処理装置がウエハー表面の微細なパターン化や清浄化を行うために利用されます。また、医療や食品業界においても、衛生管理や製品の改質に利用されることがあります。

 

プラズマ処理は、他の処理方法と比較して、表面に対する均一な処理や微細な加工が可能であり、また、化学的な反応や熱によるダメージが少ないという利点があります。

プラズマ処理装置が活用される分野

プラズマ処理装置は、さまざまな分野で使用されています。その主な分野には以下のようなものがあります。

半導体製造

半導体製造業界では、プラズマ処理がウエハーの表面清浄やエッチング、薄膜の成長などに広く使用されています。微細なパターン化や構造の形成に必要な精密な表面処理が可能です。

医療機器

医療機器の表面殺菌や清浄化、バイオマテリアルの改質などにプラズマ処理が用いられます。特に、感染防止や生体適合性の向上に寄与します。

食品業界

食品包装材料の殺菌や清浄化、食品の表面処理などにプラズマ処理が利用されます。食品の品質や安全性の向上に貢献します。

表面加工

金属やポリマー、ガラスなどの表面加工において、プラズマ処理が用いられます。表面改質やコーティングの実施により、耐久性や機能性の向上が図られます。

環境保護

大気浄化や廃棄物処理など、環境保護に関連する分野でもプラズマ処理が応用されています。有害物質の分解や不活性化が可能です。

これらは一部の例に過ぎませんが、プラズマ処理はさまざまな分野で広範囲に応用され、その効率性や特性の多様性から、さらなる発展が期待されています。

実験や研究に使用されるプラズマ処理装置

細胞研究などで使用されるプラズマ処理装置は、プラズマを利用して生物学的な材料や細胞を処理する装置です。これらの装置は、細胞の表面を活性化したり、殺菌・消毒したり、細胞外マトリックスの変性や細胞の増殖を制御したりするために使用されます。

 

具体的な用途としては、次のようなものがあります。

細胞表面の活性化

プラズマ処理を用いて細胞表面を改質し、細胞外マトリックスとの相互作用を変えたり、細胞接着や細胞培養の効率を向上させることができます。

殺菌・消毒

プラズマによる活性種の生成や高エネルギー粒子の放出により、細菌やウイルスを不活性化することができます。

細胞外マトリックスの変性

プラズマ処理を用いて細胞外マトリックスの組成や性質を変化させ、細胞の分化や増殖を制御することが可能です。

細胞増殖の制御

プラズマ処理を用いて細胞の増殖速度や分化方向を制御し、組織工学や再生医療の研究に応用されます。

これらのプラズマ処理装置は、生物学的な材料や細胞に対して高い効率で処理を行い、研究や医療分野での応用の幅を広げています。

真空プラズマ処理装置

真空プラズマ処理装置は、プラズマを生成する際に処理空間内の圧力を低減し、真空状態にする装置です。一般的に、真空中でプラズマを生成することで、プラズマ中の粒子同士の衝突確率を高め、プラズマ反応の制御やプロセスの均一性を向上させることができます。

 

真空プラズマ処理装置は、大気中でのプラズマ処理と比較していくつかの利点があります。

反応制御の向上

真空中ではプラズマ中の粒子が大気中よりも自由に動くため、プラズマ反応の制御が容易になります。これにより、より精密なプロセス制御が可能になります。

均一な処理

真空中ではプラズマがより均一に形成され、処理対象物の表面に均一な効果をもたらすことができます。これにより、処理結果の品質が向上します。

不純物の排除

大気を排除することで、プラズマ処理の際に不純物が取り込まれるリスクが低減されます。これにより、処理対象物の純度が向上します。

真空プラズマ処理装置は、多くの分野で広く使用されており、微細な加工や高精度な処理が必要な場合に有用です。

STREX(ストレックス)卓上型真空プラズマ処理装置

STREX(ストレックス)卓上型真空プラズマ処理装置は、プラズマ放電を利用することで、従来の洗浄方法では難しかった表面汚染物質の除去が可能となるシステムです。これにより、金属、セラミック、プラスチック、PDMSなどさまざまな材質の処理が容易になります。さらに、洗浄以外の用途としても、ポリマーへの薄膜形成、表面接着力の強化、細胞培養の前処理など、様々な試料のプラズマ処理に適用することができます。

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オレンジサイエンスは、STREX社から製品の販売・サポートを委託された正規代理店です

特徴

  • 低価格でコンパクト、実験・研究・開発にも適しています。

  • ベンチトップ式で、ラボ利用や研究開発に最適なサイズです。

  • 自動制御機能で操作も簡便です。

  • STARTスイッチを押すだけで、簡単に操作可能です。

  • タイマー設定でプラズマ処理ができます。

  • PDMS・生体材料などのクリーニング、表面改質、細胞培養の接着強化、滅菌等多くの用途にご使用いただけます。

使用例

 STREXの伸展刺激装置の専用チャンバーはPDMS製で、もともとは疎水性です。

​プラズマ処理を施すと、右の写真のように、親水性となり、細胞の接着を容易とし、伸展刺激の実験を円滑にすることができます。

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