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PFAS分析・テフロンフリー仕様分析装置

  • Orange Science
  • 7月28日
  • 読了時間: 20分

更新日:7月30日


PFAS分析・テフロンフリー仕様分析装置

PFAS分析・テフロンフリー仕様分析装置とは、主に「PFAS(ペルおよびポリフルオロアルキル化合物)」の検出・定量を目的として設計された装置であり、分析中の汚染を防ぐためにテフロン(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系材料を使用しない、または極力排除した構造を持つ装置のことです。



PFASとは

PFASは、撥水性や耐熱性などの特性から、調理器具、防汚コーティング、消火剤、食品包装などに広く使用されてきた人工化学物質の総称です。環境中で非常に分解されにくく、「永遠の化学物質」とも呼ばれています。人や動物の体内に蓄積され、発がん性、ホルモンかく乱、免疫影響などの健康リスクが指摘されています。



なぜテフロンフリーが必要か

PFAS分析では微量の化合物を高感度に検出する必要があるため、装置や消耗品に含まれるフッ素系樹脂(例:テフロン製チューブやバルブ)からのコンタミネーション(汚染)が分析結果に大きな影響を与えるおそれがあります。 そのため、分析装置やサンプル調製に使う器具を非フッ素材料(例:ステンレス、PEEK、ガラス)に限定した「テフロンフリー仕様」が重要です。



主なテフロンフリー仕様装置の例

  • LC-MS/MS(液体クロマトグラフ質量分析計):インレットやラインをPEEKなど非フッ素素材で構成

  • 自動サンプル前処理装置:テフロンバルブやチューブを使用しない設計

  • サンプル容器やフィルター:PTFEろ過膜の代わりにナイロンやセルロースアセテートなどを使用



このようなテフロンフリーの分析環境を整えることにより、PFASの正確な測定と再現性の確保が可能になります。国や地域によってはPFAS分析における装置や器具の仕様についてガイドラインや規制も設けられています。



PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理窒素エバポレーター

PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理窒素エバポレーターとは、PFAS(ペルおよびポリフルオロアルキル化合物)分析において、液体試料から溶媒を除去・濃縮するために用いられる装置です。この装置では、窒素ガスを用いて試料を穏やかに乾燥・濃縮します。

PFAS分析は微量分析が中心であるため、濃度を高める工程(濃縮)が必須です。しかしその際、フッ素系素材によるコンタミネーションを防ぐ必要があるため、PFAS専用のエバポレーターは「テフロンフリー仕様」となっていることが重要です。



主な役割

  1. 試料中の溶媒(例:メタノール、水など)を除去

  2. PFAS成分を損なわずに濃縮

  3. 後続のLC-MS/MS分析に適した濃度まで試料体積を減容



特徴

  • 加熱機能付き(ウォーターバスなど) 溶媒の蒸発を促進するための加熱が可能(低温で制御)

  • 窒素ガス吹付け機能 試料表面に窒素を吹き付けて気化を促進

  • マルチポジション対応 複数サンプルの同時処理が可能な構造

  • テフロンフリー構造 サンプルが接触する部分にPTFEなどのフッ素系材料を使用しない(PEEKやステンレス、ガラスなどを使用)



なぜPFAS分析で必要か

PFASは環境中でも微量で存在し、検出限界も非常に低いため、分析前のサンプル濃縮が不可欠です。また、フッ素系材料由来のコンタミネーションは偽陽性(False Positive)の原因になるため、非フッ素素材のみを使用した窒素エバポレーターが必須とされます。



このような装置は、飲料水、河川水、血清、土壌抽出液などのサンプルをPFAS分析に供する前処理に広く使われています。国際規格(例:EPA Method 533, 537.1)でも、フッ素系樹脂の不使用が求められています。



PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理窒素エバポレーターの目的


1. PFASの検出感度を高めるためのサンプル濃縮

PFASは環境中や生体中にごく微量しか存在しないため、液体試料中のPFAS濃度を高めておく必要があります。窒素エバポレーターを使って、試料から不要な溶媒(例:水、メタノール、アセトニトリル)を蒸発・除去することで、検出可能な濃度までPFASを濃縮します。



2. 高感度な質量分析(LC-MS/MS)への適合

分析装置(特にLC-MS/MS)は、少量の濃縮試料での測定が前提です。前処理で体積を数mLから数百μLへ減容することで、限られた注入量でも正確な定量が可能になります。



3. PFASの損失・コンタミネーション防止

窒素エバポレーターは非加熱または低温加熱(例:40℃前後)+窒素吹付けによるやさしい濃縮方式を採用しており、PFASの揮発や分解を避けることができます。また、テフロン(PTFE)などのフッ素系素材を避けた構造により、外部からのPFAS混入を防ぎ、信頼性の高い分析を可能にします。



4. 多検体の効率的な前処理

多数の環境水試料や血清サンプルを並列で処理できる構造(マルチポジション仕様)により、高スループットな前処理作業が可能です。これは環境調査やモニタリング業務において極めて重要です。



まとめると、この装置の目的は、高精度・高感度でPFASを分析するために、試料を安全かつ効率的に濃縮・前処理することにあります。信頼性の高いPFAS測定を支える重要なプロセスです。




PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理窒素エバポレーターのメリット


PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理窒素エバポレーターの主なメリットは、以下のとおりです。



1. 高感度なPFAS分析に対応可能

微量しか存在しないPFASを、液体試料から効率的に濃縮できるため、LC-MS/MSなどの高感度分析装置での検出感度・定量精度を大幅に向上させることができます。



2. フッ素系汚染(コンタミネーション)の防止

PFAS分析では、装置や消耗品に含まれるフッ素樹脂(PTFE/テフロン)由来のコンタミが分析結果を誤らせるリスクがあります。専用の窒素エバポレーターはテフロンフリー構造で設計されており、バックグラウンドノイズや偽陽性のリスクを回避できます。



3. 温和な濃縮条件でPFASの揮発・分解を抑制

窒素エバポレーターは、窒素ガス吹付け+低温加熱(例:40℃以下)による穏やかな濃縮を行うため、PFAS成分の化学的安定性を保ちながら処理が可能です。これにより、分析精度の低下を防ぎます



4. 複数サンプルを同時に処理可能

装置によっては同時に12~50サンプル程度を処理できるマルチポジション仕様になっており、前処理作業の効率化・時間短縮に貢献します。大量の検体を扱うモニタリング業務や研究機関に最適です。



5. 操作が簡便で再現性が高い

一定条件下で均一に濃縮できるため、オペレーター間のばらつきを抑え、再現性の高い分析結果が得られます。また、加熱温度や窒素圧力の設定が簡単で、習熟が早い点もメリットです。



6. 各種PFAS分析ガイドラインに準拠可能

米国EPAのMethod 533や537.1など、PFAS分析に関するガイドラインではフッ素系素材の不使用やサンプル濃縮工程の明示が求められており、こうした窒素エバポレーターを使うことで規格への適合が容易になります。



このように、PFAS分析用窒素エバポレーターは、高感度・高信頼の分析を実現するために不可欠な前処理装置として、多くの研究機関・分析機関で採用されています。




PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理窒素エバポレーターの活用分野


PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理窒素エバポレーターは、PFAS(ペルおよびポリフルオロアルキル化合物)に関する微量分析を必要とするさまざまな分野で使用されています。以下に代表的な使用分野を示します。



1. 環境分析分野

  • 水質モニタリング(河川水、地下水、飲料水など)

  • 土壌・堆積物中のPFAS汚染評価

  • 大気中PFAS粒子の抽出・分析

→ 環境省や地方自治体、分析受託機関などが、環境中のPFAS汚染状況を把握するために使用しています。



2. 食品・農業分野

  • 食品中のPFAS残留分析(魚介類、肉類、農産物など)

  • 飼料・肥料中のPFAS含有評価

→ 食品安全や輸出入管理の一環として、残留基準値の遵守やリスク評価を行うために活用されます。



3. 生体試料分析・バイオモニタリング

  • 血液、血清、尿、母乳などのヒト由来サンプル

  • 動物実験における体内分布評価

→ 人体への曝露評価、公衆衛生調査、疫学研究などで、微量のPFASを高精度に検出するために不可欠です。



4. 工業製品・化学製品の品質管理

  • 製造工程中のPFAS含有チェック

  • 最終製品(繊維、紙製品、樹脂など)のPFAS残留評価

→ PFAS使用制限(例:欧州REACH規制)に対応するため、企業内の品質保証部門で分析前処理装置として使用されます。



5. 法医学・規制対応・法規制準拠

  • 米国EPA Method 533、537.1、CWA 1633などへの準拠

  • 国際的なPFAS規制・禁止物質リストの分析対応

→ 規制物質のモニタリングを行う検査機関や、公的機関のラボにおいて、正確なサンプル前処理が求められています。



このように、PFAS分析用窒素エバポレーターは、環境、食品、医療、公衆衛生、工業など多様な分野で利用されており、信頼性の高い分析結果を得るために不可欠な装置です。




PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理窒素エバポレーターのアプリケーション例

PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理窒素エバポレーターは、さまざまな試料に含まれるPFASを高感度・高精度で分析するために使われます。以下は、代表的なアプリケーション例です。



1. 飲料水中のPFAS分析(EPA Method 537.1)

  • 水道水やボトルウォーターからPFASを抽出後、エバポレーターで濃縮し、LC-MS/MSで分析。

  • 目的:PFASの飲料水基準(例:PFOA, PFOS 各4 ng/L)への適合確認。



2. 血清サンプル中のPFAS分析(ヒトバイオモニタリング)

  • 血清または血漿からPFASを前処理(固相抽出など)し、エバポレーターで溶媒を除去・濃縮。

  • 目的:一般住民や職業曝露者の体内PFAS濃度測定、公衆衛生研究。



3. 土壌・堆積物中のPFAS分析

  • 土壌から抽出された溶液(例:メタノール抽出液)を窒素エバポレーターで濃縮。

  • 目的:環境汚染調査や土壌浄化後の残留確認。



4. 魚介類中のPFAS残留分析(食品安全分野)

  • 魚や貝類の組織から抽出したPFASを濃縮し、LC-MS/MS分析。

  • 目的:食品の安全性評価および輸出入検査。



5. PFAS添加消火剤(AFFF)による汚染水の分析

  • 消火後の処理水や排水からPFASを抽出し、濃縮して定量。

  • 目的:空港・軍事施設・消防訓練施設などの汚染評価。



6. 製品抽出液のPFAS分析(例:撥水コート製品)

  • テキスタイルや紙製品を溶媒で抽出し、濃縮してPFASを測定。

  • 目的:製品の規制適合性評価(REACH、TSCAなど)。



これらのアプリケーションで共通して重要なのは、微量レベルのPFASを正確に検出するために、コンタミネーションを避けた前処理と効率的な濃縮が必須であることです。そのため、テフロンフリー仕様の窒素エバポレーターが各分野で広く活用されています。





PFAS分析用サンプル濃縮・サンプル前処理 Organomation社 MICROVAP


Organomation社のMICROVAP Microplate Evaporatorは、PFAS分析用のサンプル濃縮・サンプル前処理において、高効率かつ低コンタミネーションリスクで使用可能な窒素エバポレーターです。特に、微量試料の並列処理と精密な濃縮操作が求められるPFAS分析に適した設計がなされています。

以下に、PFAS分析への具体的な活用方法とその利点を説明します。

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■ 活用方法:PFAS分析におけるサンプル濃縮工程

PFAS分析では、試料(環境水、血清、抽出液など)を固相抽出(SPE)などで前処理した後、その抽出溶媒を除去・濃縮して分析装置(LC-MS/MSなど)に供します。

MICROVAPはこの濃縮ステップで使用され、以下のように活用されます:

  1. SPE後の抽出溶媒(例:メタノール、アセトニトリル)をマイクロプレートまたは小容量チューブに分注

  2. MICROVAPで窒素ガスを各ウェルに吹き付けながら加熱し、溶媒を揮発

  3. PFAS成分を損なわず、少量の溶媒中に濃縮された状態で分析へ移行



■ 特徴とPFAS分析への適合性

1. マルチポジションで高スループット処理が可能

  • 最大で3枚の96ウェルプレートを同時処理可能

  • 大量サンプルを扱うPFAS環境調査や疫学調査に最適

2. 均一で制御可能な加熱と窒素ガス供給

  • 加熱ブロックの温度制御により、40℃前後の温和な条件でPFASの揮発・分解を防止

  • 一定圧の窒素ガス吹付けで再現性の高い濃縮が可能

3. カスタマイズ可能な非フッ素素材対応

  • PFAS分析では、PTFE(テフロン)を含まない構成部品の使用が求められる

  • 非フッ素素材への部品変更で、コンタミネーションリスクを低減可能

4. コンパクトで使いやすい設計

  • 卓上タイプでラボの限られたスペースにも適応

  • シンプルな操作性により、分析の前処理工程の標準化・効率化が図れる



■ PFAS分析における主な活用例

  • 飲料水や地下水などの環境水中PFASの濃縮

  • ヒト血清中のPFASバイオモニタリング

  • 食品中PFASの残留分析(抽出液の濃縮)

  • 製品抽出試料中のPFAS含有確認



結論として、Organomation社のMICROVAP Microplate Evaporatorは、高効率かつPFASコンタミの制御が求められるサンプル濃縮工程において非常に有効であり、環境分析・生体試料分析・食品検査など、幅広いPFAS分析分野での活用が可能です。



Organomation社 MICROVAP

PFAS分析における高精度・高感度な結果を得るためには、サンプル前処理の段階で信頼性の高い装置を選定することが不可欠です。


Organomation社 MICROVAPは、PFAS分析に最適な窒素エバポレーターとして、高い評価を得ています。

本製品は、最大24本のサンプルまたはマイクロプレート形式の濃縮に対応し、窒素吹付けと加熱による効率的なサンプル濃縮が可能です。濃縮工程においても、対象化合物であるPFASの揮発や分解を防ぐ設計が施されており、再現性の高い分析結果を実現します。

特に注目すべきは、テフロンフリー仕様への対応が可能である点です。PFAS分析では、装置内部のフッ素系樹脂からのコンタミネーションが定量精度に大きな影響を与えるため、試料が接触する部品にPTFE(テフロン)を使用しない構成が求められます。MICROVAPはこの要件を満たす構造変更にも柔軟に対応しており、分析の信頼性を確保します。

あらゆる前処理工程において効率性と信頼性を兼ね備えた本装置は、環境・食品・生体試料など、幅広い分野におけるPFAS分析において、極めて有用な分析装置です。

高感度分析における品質の担保と作業効率の向上をお求めの研究・検査機関の皆様に、Organomation社 MICROVAPをおすすめいたします。




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Organomation - 窒素エバポレーター


オレンジサイエンスでは世界的に有名なOrganomation社の窒素エバポレーターを取り扱っています。Organomation社は、窒素ブローダウン技術を中心とした窒素エバポレーター・窒素ブローダウン蒸発装置を専門としている機器開発メーカーです。1959年に設立され、60年以上にわたり、世界中の研究・試験機関向けに窒素エバポレーター・窒素蒸発装置を提供してきました。Organomation社の高品質な窒素エバポレーター装置は、世界中で信頼性が高く、メンテナンスの手間がかからない実験装置であると高く評価されています。また、耐用年数が長いため、今日の多忙な研究室にとって、非常に費用対効果の高いソリューションとなっています。

 

窒素エバポレーターとは、分析用サンプルの前処理によく使用される実験装置です。環境試験、農業、食品・飲料、医薬、品質保証、科学捜査、オイル・グリースなど、様々な業界で使用されており、質量分析を行う前にサンプルを乾燥・濃縮するために使用されます。試料は窒素エバポレーターに充填され、窒素ブローダウンが、時には熱と併用されながら、試料の水分を除去するために使用されます。

Organomationの卓上型窒素エバポレーターは、窒素ガスの穏やかな流れをサンプルに直接供給します。一定のガス流は、蒸気が飽和した空気層を押し流し、蒸気が液体に戻るのを防ぎます。これにより、過剰な溶媒蒸気の量が減少し、圧力が下がり、サンプルがより速く蒸発することが可能になります。これは、少量、揮発性、半揮発性のサンプルには特に重要です。

窒素ブローダウンは消耗品を必要としない方法であり、サンプルに非常に優しく、代替オプションと比較して非常に手頃な価格です。

Organomationは、N-EVAPライン、MULTIVAPライン、MICROVAPラインの3つの主要製品ラインを通じて、少量サンプル用の窒素ブローダウン蒸発器の多くのバリエーションを提供しています。


N-EVAP


N-EVAPは調整可能な窒素ブローダウン技術を利用しており、窒素ガスを無駄にすることなく、サンプルへの窒素フローを完全にコントロールできます。柔軟性がN-EVAPの特徴です。他の少量サンプルエバポレーターと異なり、N-EVAPは、別々のヒートブロックを必要とせず、一度に数種類のバイアルやチューブを保持することができます。非加熱モデルだけでなく、ウォーターバスまたはドライビーズ付きの加熱モデルもあります。


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MULTIVAP

MULTIVAPは、一度に多数のサンプルのバッチ濃縮に一貫性を提供します。チューブは、加熱された特注アルミブロックまたはウォーターバスに設置されます。窒素分配マニホールドはユニットとして昇降し、1回の動作で全サンプルへの蒸発を開始または停止します。



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MICROVAP

MICROVAPは、96ウェルマイクロプレートや小ロット用に設計されたコンパクトな装置で、ライフサイエンスや製薬業界のお客様によく使用されています。サンプルは、サンプルチューブに合うように特注加工された加熱アルミニウムブロックに収まります。常温での蒸発用に、加熱なしのモデルもあります。



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窒素ブローダウン蒸発器は、少量のサンプルや大量のサンプルの蒸発、複数のサンプル前処理方法の同時実行を可能にすることで、ラボに利益をもたらします。



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時間計算・溶媒除去方法判別ツール

Organomation社の日本語Webサイトでは溶媒除去に関する時間計算ツール・溶媒除去方法判別ツールを用意しています。手作業で処理していた濃縮除去の時間を濃縮器を使うことでどれだけ時間短縮できるか、ラボに必要な溶媒除去方法濃縮器が必要か、など、いくつかの質問に答えるだけですぐに回答が得られます。ぜひご活用ください。







Organomationの窒素エバポレーターの違い

Organomation社は、窒素ブローダウン技術を中心としたラボ用窒素エバポレーターのメーカーです。N-EVAP、MICROVAP、MULTIVAPの3つの主要なブローダウン製品ラインがあります。各製品ラインは、容量、制御、機能が異なるため、さまざまな用途に対応できるように設計されています。ここでは、各エバポレーターの主な違いを説明し、どのエバポレーターがお客様のラボに最適かを判断できるようにします。



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加熱媒体

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全てのエバポレーターには加熱機能が標準装備されていますが、小さなサンプルや熱に敏感なサンプルを扱う場合は、非加熱タイプも選択できます。加熱オプションが必要な場合は、各ユニットで使用される加熱媒体を知ることが重要です。


N-EVAP

全ユニットにウォーターバスが標準装備されています。6、12、24ポジションのN-EVAPには、アルミビーズまたはガラスビーズを使用したドライバスのオプションがあります。ウォーターバスとドライバスの違いと、それぞれの利点を生かすアプリケーションについてご覧ください。

MICROVAP

すべてのユニットがアルミニウム製ヒートブロックを使用しています。15ポジションと24ポジションのMICROVAPには、チューブやバイアル用の特注ドリル付きアルミインサートも付属しています。

MULTIVAP

64ポジションと100ポジションのMULTIVAPを除き、カスタムドリルアルミヒートブロックを使用しています。



サンプルサイズと容量


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各ユニットには、対応可能なサンプルサイズの範囲があります。この範囲内で複数のチューブサイズを保持できるように設計されているエバポレーターもあれば、1つのチューブサイズしか保持できないように設計されているエバポレーターもあります。エバポレーターを選択する前に、ご希望のチューブサイズと容量を把握しておくことが重要です。


N-EVAP

すべてのN-EVAPエバポレーターは、外径10~30mmのチューブに対応します。これらの装置には、一度に複数のサイズのチューブを保持できるユニークなスプリングアシストサンプルホルダーがあります。6~45のサンプルポジションのオプションがあり、小規模から中規模のバッチを扱う場合に最適です。

MICROVAP

マイクロプレートと小バッチの試験管の両方に対応します。マイクロプレート用には、96ウェルプレート1枚または3枚を収納できるシングルプレートユニットとトリプルプレートユニットがあります。試験管用には、小~中サイズの試験管用に設計された15ポジションまたは24ポジションのモデルがあります。試験管用MICROVAPは、1~2本の試験管サイズに最適です。試験管MICROVAPには、1本の試験管サイズに適合するよう特注で穴あけされたインサートが1セット標準装備されています。2本目のチューブサイズを使用する場合は、2セット目のカスタムインサートを購入できます。

MULTIVAP

MULTIVAPユニットは、1-2サイズのチューブのみを扱う場合に理想的ですが、装置モデルにより幅広いチューブサイズ(外径10-30 mm)に対応できます。ドライブロックモデルには1本のチューブサイズに適合する特注の穴あきヒートブロックが付属し、ウォーターバスモデルには1本のチューブサイズに適合する特注の穴あきラックが付属します。2本目のチューブサイズを使用する場合は、2本目のヒートブロックまたはラックを購入することができます。



ガス流量制御

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窒素エバポレーターにとって、ガス制御は非常に重要な機能です。エンドユーザーによっては、各サンプル位置でのガス流量制御が便利な場合もあれば、全サンプル位置のガス流量を一度に調整したい場合もあります。



N-EVAP

各サンプルポジションには個別のバルブがあり、サンプルのサイズや量に応じてガスの流量を調整できます。また、異なるチューブの高さに対応できるよう、各ニードルの位置を調整できます。

MICROVAP・MULTIVAP

これらのブローダウンユニットはどちらも、すべてのニードルが1つのマニホールドに接続されている同じ設計です。これにより、1つのスイッチですべてのサンプル位置へのガスフローを開始および停止できます。エバポレーションセッション中にすべてのサンプルポジションを使用しない場合、MULTIVAPにはマニホールドにトグルスイッチがあり、各列へのガスフローを停止して窒素ガスを節約することができます。


デジタル制御

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タイマーや温度制御システムなどのデジタル制御を搭載することで、エンドユーザーはより柔軟で高度な設定を行うことができますが、エンドユーザーの中には、必要な機能と設定だけが搭載された、よりシンプルな機器を好む方もいます。



N-EVAP

6、12、24ポジションのN-EVAPにはデジタル制御装置は付属していませんが、34および45ポジションのN-EVAPには、温度制御装置とガスおよびヒート用のタイマーが付いたサイドコントロールボックスが付属しています。

MICROVAP

すべてのMICROVAPユニットには、LEDディスプレイ付きデジタル温度コントローラーがバスケースに直接組み込まれています。

MULTIVAP

すべてのMULTIVAPユニットには、デジタル温度コントローラーとガスおよびヒート用タイマーがバスケースに直接組み込まれています。

Organomation社の窒素エバポレーターはすべて、エンドユーザーを念頭に置いてシンプルに設計されています。各製品ラインは、ブローダウン技術という基本的な要素は同じですが、わずかに異なるニーズや用途に対応するためのものです。



PFASサンプル前処理におけるOrganomationエバポレーターの活用


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サンプル濃縮の役割

PFASサンプル前処理における極めて重要な段階の一つは、サンプルの濃縮です。濃縮は、しばしば微量レベルで存在するPFASの検出を強化するために不可欠です。特に、水、土壌、生物学的サンプルのような複雑なマトリクスを扱う場合、効果的な濃縮方法は極めて重要です。


Organomationエバポレーター: EPAメソッド533、537.1、および1633のソリューション

Organomationエバポレーターは、EPAメソッド533、537.1、および1633に合わせてPFASサンプルを濃縮するための効率的で信頼性の高いソリューションを提供します。これらのメソッドは、さまざまなマトリックス中のPFAS分析の規制枠組みに不可欠であり、効果的なサンプル濃縮は重要な要件です。


EPAメソッド533
  • EPAメソッド533は、飲料水中の短鎖PFASの分析に重点を置いています。このメソッドでは、低レベルのPFASを検出するために水サンプルを濃縮する必要があります。Organomationのエバポレーター、特にN-EVAP窒素エバポレーターは、水性サンプルの一貫した迅速な蒸発を提供するように設計されています。穏やかな窒素の流れと制御された加熱を利用することで、これらの蒸発器は、揮発性PFAS化合物の損失を引き起こすことなく、サンプル量を効率的に減少させます。


EPAメソッド537.1
  • EPAメソッド537.1は、メソッド533と比較して、より広範な化合物を含む飲料水中のPFASを測定することを目的としています。このメソッドでは、その感度要件を満たすための正確な濃縮技術の必要性も強調されています。Organomationのエバポレーターは、調製プロセス全体を通してPFASの完全性と濃度を維持するために重要な、均一なサンプル減少を保証します。調整可能な窒素流量と温度制御機能は、さまざまなサンプルサイズと種類を扱うのに特に有益です。


EPAメソッド1633
  • EPAメソッド1633は、廃水、地表水、バイオソリッド、魚組織など、水以外のマトリックスにおけるPFAS分析に対応しています。これらのサンプルの複雑さを考えると、効果的な濃縮がさらに重要になります。OrganomationのMULTIVAPエバポレーターは、大量のサンプルや複数のサンプルを同時に取り扱うのに理想的です。これらのエバポレーターは、メソッド1633に規定された必要な検出下限を達成するために不可欠な、制御された効率的な蒸発を提供することにより、複雑な環境サンプルの濃縮を容易にします。


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