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実験用エバポレーター

  • Orange Science
  • 6月20日
  • 読了時間: 19分

更新日:7月10日


実験用エバポレーターとは


実験用エバポレーターとは、主に溶媒を効率よく蒸発・除去するための装置・実験器具です。化学や生化学、薬学などの研究で、溶液から目的の物質(たとえば反応生成物や抽出成分)を得る際に研究室やラボで広く使用されます。


主な種類と特徴


1. ロータリーエバポレーター(Rotary Evaporator、ロートエバポレーター)

最も一般的なタイプで、以下のような特徴があります:

  • 回転フラスコ:溶液を入れたガラス容器を回転させて、表面積を広げることで蒸発効率を高めます。

  • 減圧下での加熱:真空ポンプで圧力を下げることで、溶媒の沸点を下げ、低温で蒸発させられるようにします。これは熱に弱い物質の処理に有効です。

  • 冷却器(コンデンサー):蒸発した溶媒を冷却し、別の容器に液体として回収します。


2. 遠心エバポレーター(Centrifugal Evaporator)

少量のサンプルを多数同時に処理できる装置で、DNA抽出やハイスループットスクリーニングなどで使われます。


3. スピンエバポレーターやフィルムエバポレーター

工業スケールや高粘度サンプルに用いられますが、研究用途ではあまり一般的ではありません。


4. 窒素エバポレーター

試料に窒素ガスを吹き付けて溶媒を蒸発させる装置で、LC/MSやGC/MS前の試料濃縮に使用されます



主な用途

  • 有機合成の後処理で溶媒を除去

  • 天然物抽出の濃縮

  • クロマトグラフィー後の溶液の濃縮

  • 溶液から水分を取り除いて乾燥状態に近づける



注意点

  • 揮発性有機溶媒(例:エーテル、クロロホルムなど)の使用時には引火や爆発のリスクがあるため、ドラフト内で使用するのが基本です。

  • 減圧条件や温度管理に注意しないと、目的物質が損傷する可能性があります。



実験用窒素エバポレーター


実験用窒素エバポレーター(Nitrogen Evaporator)とは、試料に窒素ガスを吹き付けて溶媒を蒸発させる装置です。一般的には「窒素ブロー」や「窒素吹きエバポレーター」とも呼ばれます。


【基本原理】

  • 加熱されたブロックまたは水槽の上に試料管(バイアルやテストチューブ)を並べる。

  • 各試料管に窒素ガスを細いノズルから穏やかに吹き付ける。

  • 吹き付けられた窒素が溶媒表面から蒸発を促進し、短時間で濃縮や乾固が可能。


【主な用途】

  • LC/MSやGC/MS前の試料濃縮

  • 抽出サンプルの乾固(例:血清、尿、植物抽出液)

  • アセトニトリル、メタノール、ヘキサン、ジクロロメタンなどの揮発性溶媒の除去

  • 高温や真空に弱いサンプルの処理


【特徴と利点】

  • 真空を使わないため、真空ポンプ不要・メンテナンス容易

  • シンプルな構造で扱いやすい

  • 穏やかな濃縮が可能 → 揮発しやすく熱に不安定な化合物に向いている

  • 一度に多検体(数~数十サンプル)を処理できる


【代表的な用途例】

医薬品

  • 血漿中薬物の前処理濃縮

食品分析

  • 残留農薬抽出液の濃縮

環境分析

  • 水・土壌抽出液の乾固

バイオ化学

  • 代謝物の濃縮前処理




実験用窒素エバポレーターを使用する目的


実験用窒素エバポレーターを使用する主な目的は、溶媒を効率よく除去・濃縮し、目的物質(分析対象成分)を回収しやすくすることです。特に、熱や真空に弱い物質や、少量のサンプルの処理に適しています。


【具体的な目的と利点】

1. 溶媒の除去(濃縮)

  • 抽出やクロマトグラフィー後のサンプルに残っている有機溶媒や水分を除去し、目的成分だけを残す。

  • LC/MS・GC/MSなどの分析前処理で不可欠。


2. 試料の乾固(ドライダウン)

  • 分析や秤量前に、完全に乾燥状態にする必要がある場合に使用。

  • 乾燥後、再溶解して定量・定性分析に使う。


3. 低温での処理

  • 窒素ガスによるブローで蒸発させるため、加熱による分解を防ぎつつ濃縮可能。

  • 真空エバポレーターよりも穏やかで制御しやすい。


4. 複数検体の同時処理

  • 一度に多検体(数~数十サンプル)を並行処理できるため、ハイスループット分析に適している。


【なぜ窒素か?】

  • 不活性ガス(酸化しない):酸素を含まないので、化学変化や酸化分解を防止。

  • 乾燥効果が高い:水分や揮発性有機溶媒を迅速に除去できる。

  • 安定で制御しやすい:ガス流量・温度などを調整して、成分の損失を最小限に抑えられる。


目的は、単なる「溶媒の蒸発」ではなく、目的物質を適切な形(濃縮、乾燥、再溶解可能な状態など)で得ることにあります。再現性や精度が求められる分析の前処理として、極めて重要な工程です。



実験用窒素エバポレーターを使用するメリット


実験用窒素エバポレーターを使用するメリットは、以下のように効率性・安全性・サンプル保護の3つの観点からまとめられます。


【主なメリット】

1. 熱に弱い物質の濃縮が可能

  • 加熱だけに頼らず、窒素ガスのブロー効果で低温でも蒸発が進む

  • タンパク質、代謝物、薬物など、熱分解しやすいサンプルの処理に適している


2. 酸化を防げる

  • 窒素は不活性ガスなので、サンプルの酸化や化学変性のリスクがない。

  • 酸化に弱い脂質・フェノール類・薬物などの処理にも適している。


3. 操作が簡単・メンテナンスが容易

  • 真空ポンプを使わないため、装置構造がシンプル

  • 運転中のトラブルやメンテナンスコストが比較的少ない

  • 水や油を使わない装置も多く、衛生的で清掃も楽。


4. 一度に多くのサンプルを処理できる

  • 多数のノズルを持つヘッドで同時に数~数十検体を処理可能

  • 研究室の分析処理をハイスループット化できる


5. 飛散やクロスコンタミネーションが少ない

  • 減圧処理と違って、急激な泡立ちや噴出が起きにくい。

  • 少量サンプルでもサンプルロスを抑えられる


6. 柔軟な温度・ガス流量の制御が可能

  • ガス流量、ノズルの高さ、加熱温度を個別または段階的に調整可能。

  • 目的に合わせた最適な条件設定がしやすい。



実験用窒素エバポレーターが使用される分野


実験用窒素エバポレーターは、分析前処理や抽出後の濃縮・乾固が必要な分野で広く使用されています。以下のように、多くの科学・工業・医療分野で活躍しています。


【主な使用分野と用途】

1. 製薬・医薬分野

  • 生体試料中の薬物濃度測定(血漿・血清・尿など)

  • LC/MSやGC/MS分析前のサンプル濃縮

  • 医薬品の安定性試験や代謝物の検出

▶ 例:新薬候補化合物の薬物動態試験における前処理


2. 環境分析

  • 河川水・土壌・排水中の微量汚染物質(農薬・重金属・揮発性有機化合物など)の濃縮

  • 大気中の粒子や抽出物の処理

▶ 例:水道水中の残留農薬濃度の検出前処理


3. 食品分析

  • 食品中の残留農薬・動物用医薬品・添加物の定量分析前処理

  • 食品の脂質成分やビタミン、香気成分の抽出液の濃縮

▶ 例:輸入野菜の農薬検査の前処理ステップ


4. バイオテクノロジー・ライフサイエンス

  • 細胞培養上清中の代謝産物やタンパク質の濃縮

  • オミクス分析(メタボローム、リピドームなど)の前処理

  • 抽出成分の乾燥 → 再溶解して分析へ

▶ 例:マウス肝臓抽出液のメタボローム解析前処理


5. 化粧品・化学品開発

  • 試作化粧品の有効成分の抽出・濃縮

  • 香料や添加剤などの精製過程

▶ 例:植物抽出液の濃縮と定量分析


窒素エバポレーターは、次のような共通ニーズを持つ分野で使用されます:

  • 微量成分の定量や検出のために濃縮が必要

  • 熱や酸素に弱い成分を穏やかに処理したい

  • 多検体を効率よく処理したい



実験用窒素エバポレーターのアプリケーション例


実験用窒素エバポレーターのアプリケーション(応用例)は非常に多岐にわたり、以下のような具体的な分析や処理の場面で活用されています。


【アプリケーション例】

① 血漿・血清中の薬物分析(製薬・臨床分野)

  • 目的:LC-MS/MS分析に先立ち、血漿や血清中の微量薬物を濃縮して検出感度を上げる。

  • 処理内容:試料に有機溶媒(例:アセトニトリル)を加えてタンパク除去 → 上清を窒素エバポレーターで濃縮 → 残渣を再溶解して分析。


② 食品中の残留農薬分析(食品安全検査)

  • 目的:果物や野菜から抽出した農薬を濃縮し、GC-MSやLC-MSで定量する。

  • 処理内容:QuEChERS法などで抽出 → 有機層を窒素エバポレーターで濃縮 → 再溶解して測定。


③ 水環境中の微量有機汚染物質分析(環境分野)

  • 目的:河川水・排水・地下水中の汚染物質(農薬、PAH、PCBなど)を検出する。

  • 処理内容:固相抽出や液液抽出 → 抽出液を窒素エバポレーターで濃縮 → 分析へ。


④ 植物成分の抽出濃縮(天然物化学・機能性食品開発)

  • 目的:植物から抽出した機能性成分(ポリフェノール、アルカロイドなど)を濃縮・乾固して保存または分析。

  • 処理内容:メタノールやエタノールで抽出 → 溶媒を窒素ブローで除去 → 残渣を秤量・溶解してHPLCなどで分析。


⑤ メタボロミクス試料の前処理(バイオサイエンス)

  • 目的:細胞や組織由来の代謝産物を濃縮して、LC-MS/MSなどで解析。

  • 処理内容:抽出後の極性/非極性画分を窒素エバポレーターで乾燥 → 再溶解して分析。


⑥ マイクロスケール合成後の溶媒除去(有機化学)

  • 目的:反応後の生成物から溶媒を除去し、精製・構造解析を行う。

  • 処理内容:反応溶媒を窒素下で穏やかに除去 → 固体または濃縮液として回収。


⑦ 化粧品原料の濃縮(化学・工業分野)

  • 目的:植物抽出原料や合成原料の溶媒を除去し、成分の濃縮・保存安定化を図る。

  • 処理内容:抽出液の乾固、分取後の再処理。



Organomation社 実験用窒素エバポレーター「Organomation N-EVAP」シリーズ


Organomation 社の N‑EVAP(Nitrogen Evaporator)シリーズは、実験室での試料濃縮を 効率的・再現的に実現するベンチトップ型窒素ブロードライ装置で、6〜45検体対応のラインナップがあります 。


主な特徴

  • 検体数バリエーション:6・12・20(自動制御モデル)・24・34・45検体対応

  • 独立流量制御:各検体位置にニードルバルブと精密流量計を搭載し、個別条件に調整可能 

  • 加熱オプション

    • 水浴(30–90 °C、24検体モデルでは最大100 °C)

    • ドライバス(40–130 °C、乾燥または高温用)

    • 加熱なし(環境温度で蒸発)

  • 防爆対応:「Z‑Purge」オプションにより可燃性溶媒使用時の爆発事故防止設計

  • 耐薬品性:ステンレスやPTFEコーティングにより、有機・酸性溶媒使用時も対応 

  • 操作性:試料ホルダーは旋回・上下調整可能で、サンプルの挿入・取り出しが容易


メリットと用途

  • 試料ごとの最適条件設定:ニードルバルブによる個別流量調整で、多種溶媒や粘度異なるサンプルを同時処理可能。

  • セーフティ対応:「Z‑Purge」と高温リミットスイッチで、可燃性溶媒の使用時も安心。

  • 柔軟性:加熱有無・防爆・耐腐食など要求に応じたオプション選択可。

  • 自動化対応:タイマー・ピストン昇降付きモデルでハンズフリー処理も可能。


Organomation の N‑EVAP シリーズは、多検体処理・高精度制御・安全設計を兼ね備えた窒素エバポレーターです。用途やスケールに合わせて柔軟に選択できるため、製薬、食品・環境分析、天然物化学など幅広い分野で活躍します。


Organomation N-EVAP 12ポジションエバポレーター



実験の効率と再現性を追求する研究機関様へ


分析前処理の信頼性とスループットを同時に求められる環境において、「Organomation N-EVAP 12ポジション 窒素エバポレーター」は極めて有効なソリューションです。本製品は、実験用窒素エバポレーターとして長年にわたり世界中の研究所で高い評価を得ており、多検体の並列処理と試料ごとの精密な制御を両立する設計となっております。


本モデルは最大12検体に対応し、各ノズルごとに窒素ガスの流量調整が可能です。また、耐薬品性の高い素材と堅牢な構造により、溶媒の種類や濃縮条件にかかわらず安定した運用が可能です。水浴加熱機能を備え、加温による効率的な揮発もサポートします。


実験器具用エバポレーターとしての精密性と汎用性に加え、装置全体のメンテナンス性・操作性にも優れており、日常的な使用においても研究者の作業負担を軽減します。


分析の前処理工程における標準化と省力化をご検討の際は、ぜひ「Organomation N-EVAP 12ポジション」の導入をご検討ください。豊富な実績と高い信頼性が、貴研究における分析精度と業務効率の向上を強力にサポートいたします。





Organomation - 窒素エバポレーター


オレンジサイエンスでは世界的に有名なOrganomation社の窒素エバポレーターを取り扱っています。Organomation社は、窒素ブローダウン技術を中心とした窒素エバポレーター・窒素ブローダウン蒸発装置を専門としている機器開発メーカーです。1959年に設立され、60年以上にわたり、世界中の研究・試験機関向けに窒素エバポレーター・窒素蒸発装置を提供してきました。Organomation社の高品質な窒素エバポレーター装置は、世界中で信頼性が高く、メンテナンスの手間がかからない実験装置であると高く評価されています。また、耐用年数が長いため、今日の多忙な研究室にとって、非常に費用対効果の高いソリューションとなっています。

 

窒素エバポレーターとは、分析用サンプルの前処理によく使用される実験装置です。環境試験、農業、食品・飲料、医薬、品質保証、科学捜査、オイル・グリースなど、様々な業界で使用されており、質量分析を行う前にサンプルを乾燥・濃縮するために使用されます。試料は窒素エバポレーターに充填され、窒素ブローダウンが、時には熱と併用されながら、試料の水分を除去するために使用されます。

Organomationの卓上型窒素エバポレーターは、窒素ガスの穏やかな流れをサンプルに直接供給します。一定のガス流は、蒸気が飽和した空気層を押し流し、蒸気が液体に戻るのを防ぎます。これにより、過剰な溶媒蒸気の量が減少し、圧力が下がり、サンプルがより速く蒸発することが可能になります。これは、少量、揮発性、半揮発性のサンプルには特に重要です。

窒素ブローダウンは消耗品を必要としない方法であり、サンプルに非常に優しく、代替オプションと比較して非常に手頃な価格です。

Organomationは、N-EVAPライン、MULTIVAPライン、MICROVAPラインの3つの主要製品ラインを通じて、少量サンプル用の窒素ブローダウン蒸発器の多くのバリエーションを提供しています。


N-EVAP


N-EVAPは調整可能な窒素ブローダウン技術を利用しており、窒素ガスを無駄にすることなく、サンプルへの窒素フローを完全にコントロールできます。柔軟性がN-EVAPの特徴です。他の少量サンプルエバポレーターと異なり、N-EVAPは、別々のヒートブロックを必要とせず、一度に数種類のバイアルやチューブを保持することができます。非加熱モデルだけでなく、ウォーターバスまたはドライビーズ付きの加熱モデルもあります。






MULTIVAP

MULTIVAPは、一度に多数のサンプルのバッチ濃縮に一貫性を提供します。チューブは、加熱された特注アルミブロックまたはウォーターバスに設置されます。窒素分配マニホールドはユニットとして昇降し、1回の動作で全サンプルへの蒸発を開始または停止します。







MICROVAP

MICROVAPは、96ウェルマイクロプレートや小ロット用に設計されたコンパクトな装置で、ライフサイエンスや製薬業界のお客様によく使用されています。サンプルは、サンプルチューブに合うように特注加工された加熱アルミニウムブロックに収まります。常温での蒸発用に、加熱なしのモデルもあります。







窒素ブローダウン蒸発器は、少量のサンプルや大量のサンプルの蒸発、複数のサンプル前処理方法の同時実行を可能にすることで、ラボに利益をもたらします。



動画




時間計算・溶媒除去方法判別ツール

Organomation社の日本語Webサイトでは溶媒除去に関する時間計算ツール・溶媒除去方法判別ツールを用意しています。手作業で処理していた濃縮除去の時間を濃縮器を使うことでどれだけ時間短縮できるか、ラボに必要な溶媒除去方法濃縮器が必要か、など、いくつかの質問に答えるだけですぐに回答が得られます。ぜひご活用ください。







Organomationの窒素エバポレーターの違い

Organomation社は、窒素ブローダウン技術を中心としたラボ用窒素エバポレーターのメーカーです。N-EVAP、MICROVAP、MULTIVAPの3つの主要なブローダウン製品ラインがあります。各製品ラインは、容量、制御、機能が異なるため、さまざまな用途に対応できるように設計されています。ここでは、各エバポレーターの主な違いを説明し、どのエバポレーターがお客様のラボに最適かを判断できるようにします。





加熱媒体


全てのエバポレーターには加熱機能が標準装備されていますが、小さなサンプルや熱に敏感なサンプルを扱う場合は、非加熱タイプも選択できます。加熱オプションが必要な場合は、各ユニットで使用される加熱媒体を知ることが重要です。


N-EVAP

全ユニットにウォーターバスが標準装備されています。6、12、24ポジションのN-EVAPには、アルミビーズまたはガラスビーズを使用したドライバスのオプションがあります。ウォーターバスとドライバスの違いと、それぞれの利点を生かすアプリケーションについてご覧ください。

MICROVAP

すべてのユニットがアルミニウム製ヒートブロックを使用しています。15ポジションと24ポジションのMICROVAPには、チューブやバイアル用の特注ドリル付きアルミインサートも付属しています。

MULTIVAP

64ポジションと100ポジションのMULTIVAPを除き、カスタムドリルアルミヒートブロックを使用しています。



サンプルサイズと容量


各ユニットには、対応可能なサンプルサイズの範囲があります。この範囲内で複数のチューブサイズを保持できるように設計されているエバポレーターもあれば、1つのチューブサイズしか保持できないように設計されているエバポレーターもあります。エバポレーターを選択する前に、ご希望のチューブサイズと容量を把握しておくことが重要です。


N-EVAP

すべてのN-EVAPエバポレーターは、外径10~30mmのチューブに対応します。これらの装置には、一度に複数のサイズのチューブを保持できるユニークなスプリングアシストサンプルホルダーがあります。6~45のサンプルポジションのオプションがあり、小規模から中規模のバッチを扱う場合に最適です。

MICROVAP

マイクロプレートと小バッチの試験管の両方に対応します。マイクロプレート用には、96ウェルプレート1枚または3枚を収納できるシングルプレートユニットとトリプルプレートユニットがあります。試験管用には、小~中サイズの試験管用に設計された15ポジションまたは24ポジションのモデルがあります。試験管用MICROVAPは、1~2本の試験管サイズに最適です。試験管MICROVAPには、1本の試験管サイズに適合するよう特注で穴あけされたインサートが1セット標準装備されています。2本目のチューブサイズを使用する場合は、2セット目のカスタムインサートを購入できます。

MULTIVAP

MULTIVAPユニットは、1-2サイズのチューブのみを扱う場合に理想的ですが、装置モデルにより幅広いチューブサイズ(外径10-30 mm)に対応できます。ドライブロックモデルには1本のチューブサイズに適合する特注の穴あきヒートブロックが付属し、ウォーターバスモデルには1本のチューブサイズに適合する特注の穴あきラックが付属します。2本目のチューブサイズを使用する場合は、2本目のヒートブロックまたはラックを購入することができます。



ガス流量制御


窒素エバポレーターにとって、ガス制御は非常に重要な機能です。エンドユーザーによっては、各サンプル位置でのガス流量制御が便利な場合もあれば、全サンプル位置のガス流量を一度に調整したい場合もあります。



N-EVAP

各サンプルポジションには個別のバルブがあり、サンプルのサイズや量に応じてガスの流量を調整できます。また、異なるチューブの高さに対応できるよう、各ニードルの位置を調整できます。

MICROVAP・MULTIVAP

これらのブローダウンユニットはどちらも、すべてのニードルが1つのマニホールドに接続されている同じ設計です。これにより、1つのスイッチですべてのサンプル位置へのガスフローを開始および停止できます。エバポレーションセッション中にすべてのサンプルポジションを使用しない場合、MULTIVAPにはマニホールドにトグルスイッチがあり、各列へのガスフローを停止して窒素ガスを節約することができます。


デジタル制御


タイマーや温度制御システムなどのデジタル制御を搭載することで、エンドユーザーはより柔軟で高度な設定を行うことができますが、エンドユーザーの中には、必要な機能と設定だけが搭載された、よりシンプルな機器を好む方もいます。



N-EVAP

6、12、24ポジションのN-EVAPにはデジタル制御装置は付属していませんが、34および45ポジションのN-EVAPには、温度制御装置とガスおよびヒート用のタイマーが付いたサイドコントロールボックスが付属しています。

MICROVAP

すべてのMICROVAPユニットには、LEDディスプレイ付きデジタル温度コントローラーがバスケースに直接組み込まれています。

MULTIVAP

すべてのMULTIVAPユニットには、デジタル温度コントローラーとガスおよびヒート用タイマーがバスケースに直接組み込まれています。

Organomation社の窒素エバポレーターはすべて、エンドユーザーを念頭に置いてシンプルに設計されています。各製品ラインは、ブローダウン技術という基本的な要素は同じですが、わずかに異なるニーズや用途に対応するためのものです。



PFASサンプル前処理におけるOrganomationエバポレーターの活用


サンプル濃縮の役割

PFASサンプル前処理における極めて重要な段階の一つは、サンプルの濃縮です。濃縮は、しばしば微量レベルで存在するPFASの検出を強化するために不可欠です。特に、水、土壌、生物学的サンプルのような複雑なマトリクスを扱う場合、効果的な濃縮方法は極めて重要です。


Organomationエバポレーター: EPAメソッド533、537.1、および1633のソリューション

Organomationエバポレーターは、EPAメソッド533、537.1、および1633に合わせてPFASサンプルを濃縮するための効率的で信頼性の高いソリューションを提供します。これらのメソッドは、さまざまなマトリックス中のPFAS分析の規制枠組みに不可欠であり、効果的なサンプル濃縮は重要な要件です。


EPAメソッド533
  • EPAメソッド533は、飲料水中の短鎖PFASの分析に重点を置いています。このメソッドでは、低レベルのPFASを検出するために水サンプルを濃縮する必要があります。Organomationのエバポレーター、特にN-EVAP窒素エバポレーターは、水性サンプルの一貫した迅速な蒸発を提供するように設計されています。穏やかな窒素の流れと制御された加熱を利用することで、これらの蒸発器は、揮発性PFAS化合物の損失を引き起こすことなく、サンプル量を効率的に減少させます。


EPAメソッド537.1
  • EPAメソッド537.1は、メソッド533と比較して、より広範な化合物を含む飲料水中のPFASを測定することを目的としています。このメソッドでは、その感度要件を満たすための正確な濃縮技術の必要性も強調されています。Organomationのエバポレーターは、調製プロセス全体を通してPFASの完全性と濃度を維持するために重要な、均一なサンプル減少を保証します。調整可能な窒素流量と温度制御機能は、さまざまなサンプルサイズと種類を扱うのに特に有益です。


EPAメソッド1633
  • EPAメソッド1633は、廃水、地表水、バイオソリッド、魚組織など、水以外のマトリックスにおけるPFAS分析に対応しています。これらのサンプルの複雑さを考えると、効果的な濃縮がさらに重要になります。OrganomationのMULTIVAPエバポレーターは、大量のサンプルや複数のサンプルを同時に取り扱うのに理想的です。これらのエバポレーターは、メソッド1633に規定された必要な検出下限を達成するために不可欠な、制御された効率的な蒸発を提供することにより、複雑な環境サンプルの濃縮を容易にします。


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