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伸展刺激装置|培養細胞にメカニカルストレスを再現するSTREX細胞伸展システム

  • 9 時間前
  • 読了時間: 12分

生体内の細胞や組織は、拍動、呼吸、運動、血圧などに伴い、繰り返し伸展・圧縮される力学環境に置かれています。一方、一般的な静置培養では、こうした機械的刺激を十分に再現できません。

STREX社の伸展刺激装置は、柔軟なPDMS製ストレッチチャンバー上で培養した細胞や組織に、制御された伸展刺激を負荷する細胞培養システムです。伸展率、頻度、刺激時間、伸展方向などを研究目的に合わせて設定し、メカノトランスダクション、細胞内シグナル伝達、遺伝子・タンパク質発現、細胞骨格、分化・成熟、薬剤応答などを解析できます。

手動で予備検討を行うモデルから、CO2インキュベーター内で複数サンプルを連続刺激できる自動モデル、伸展中の細胞を顕微鏡で観察できるモデル、二軸伸展モデル、電気刺激と組み合わせるモデルまで、研究目的に応じたシステムを選択できます。


STREX 細胞伸展システム





伸展刺激装置とは

伸展刺激装置とは、培養細胞や組織に一定または周期的な伸び縮みを与え、機械的刺激に対する生物学的応答を評価する装置です。「細胞伸展装置」「細胞伸展刺激装置」「メカニカルストレス負荷装置」などとも呼ばれます。

細胞は、機械刺激受容体、イオンチャネル、細胞接着斑、細胞骨格などを介して、周囲から受ける力を生化学的シグナルへ変換します。この仕組みはメカノトランスダクションと呼ばれ、細胞の増殖、遊走、配向、分化、成熟、炎症、細胞外マトリックス産生など、さまざまな機能に関与します。

伸展刺激装置を用いることで、静置培養群と伸展刺激群を同じ培養条件下で比較し、伸展率、頻度、刺激時間などに応じた細胞応答をin vitroで評価できます。



STREX社の伸展刺激装置が研究を支える5つの特長

1.伸展率と伸展頻度を組み合わせた多様な刺激条件

STREXの標準的な自動伸展システムでは、伸展率と伸展頻度を組み合わせて最大64通りのストレッチパターンを設定できます。周期的な伸展・弛緩だけでなく、一定時間伸展を保持する持続刺激にも対応し、研究対象に合わせた力学環境を構築できます。標準条件以外のカスタム設定についてもご相談いただけます。


2.均一性と再現性を重視した伸展負荷

高精度・高トルクのステッピングモーターと専用ストレッチチャンバーを組み合わせ、培養面へ安定した伸展刺激を負荷します。一軸モデルでは伸展軸と異なる方向への二次的な負荷を抑えやすく、刺激条件をそろえた比較実験に適しています。


3.細胞培養と観察に適したPDMSストレッチチャンバー

専用チャンバーには、伸展性と復元性を備えたPDMS(ポリジメチルシロキサン)シリコンエラストマーを採用しています。透明な薄膜底面を通して、光学顕微鏡や蛍光顕微鏡による観察が可能です。二次元培養向けの4 cc・10 ccチャンバーに加え、マルチウェル、二軸伸展、組織、微小領域、三次元ゲル、細胞シートなど、研究対象に応じたチャンバーが用意されています。


4.CO2インキュベーター内での連続刺激と複数サンプルの比較

自動伸展装置 ST-1400/ST-1440は、本体をCO2インキュベーター内、コントローラーを庫外に設置して使用します。4 ccチャンバーは最大8個、10 ccチャンバーは最大6個を同時に刺激できるため、複数条件や刺激群・対照群の比較を効率化できます。チャンバー装着部は取り外してクリーンベンチへ移動でき、播種や培地交換などの無菌操作を行いやすい構成です。


5.顕微鏡観察や電気刺激との組み合わせに対応

顕微鏡ステージに設置するモデルでは、伸展中または伸展前後の細胞形態やイオン動態をリアルタイムで観察できます。また、ST-1410では、別途用意した電気刺激装置からのトリガー信号と伸展刺激を同期させ、伸展刺激のみ、電気刺激のみ、両刺激の組み合わせという3条件を比較できます。


伸展刺激装置で評価できる主な研究テーマ

メカノバイオロジー・基礎細胞生物学

  • メカノトランスダクション機構の解析

  • 細胞内シグナル伝達や機械刺激感受性イオンチャネルの評価

  • 細胞骨格、接着斑、細胞配向、形態変化の観察

  • 遺伝子発現、タンパク質発現・リン酸化、分泌因子の解析


循環器・血管研究

  • 心筋細胞やiPS細胞由来心筋細胞への周期的伸展

  • 血管内皮細胞・血管平滑筋細胞の拍動性ストレス応答

  • 心筋肥大、血管リモデリング、炎症反応などのin vitroモデル


骨格筋・腱・靱帯研究

  • 筋芽細胞・筋管細胞の配向、分化、成熟、肥大・萎縮の評価

  • 運動負荷を模した周期的伸展モデル

  • 腱・靱帯細胞の細胞外マトリックス産生やコラーゲン配向の解析


呼吸器研究

  • 肺胞上皮細胞や気道上皮細胞への呼吸運動を模した伸展

  • 肺線維化、バリア機能、炎症応答の評価

  • 肺組織や三次元培養モデルへの機械刺激


骨・軟骨・結合組織研究

  • 骨芽細胞、軟骨細胞、線維芽細胞の機械刺激応答

  • 細胞外マトリックス産生、組織形成、創傷治癒の研究

  • ゲルやスキャフォールドを用いた組織工学研究


再生医療・創薬研究

  • 幹細胞・iPS細胞由来細胞の分化や機能成熟

  • 力学環境下における薬剤応答、毒性、疾患表現型の評価

  • 二次元培養、三次元ゲル、細胞シート、組織モデルの機能評価


※使用できる試料、刺激条件、観察方法は、装置モデルとチャンバーの組み合わせによって異なります。



研究目的に合わせて選べるSTREX伸展刺激装置

モデル

主な用途

伸展方向・特長

選定の目安

ST-0040/ST-0100

手動での予備検討

一軸、最大20%。4 ccまたは10 ccチャンバーに対応

自動装置導入前に、細胞の接着や伸展条件を小規模に検討したい場合

ST-1440/ST-1400

CO2インキュベーター内での自動・連続刺激

一軸。4 ccチャンバー最大8個、10 ccチャンバー最大6個を同時刺激

生化学解析、複数条件比較、長時間の周期的・持続的刺激を行いたい場合

ST-1410

伸展刺激と電気刺激の同期

一軸、最大20%、1~60サイクル/分。伸展・電気・両刺激を比較可能

心筋、骨格筋などで電気機械的な複合刺激を検討したい場合。別途電気刺激装置が必要

ST-1500

顕微鏡下での微小領域観察

チャンバーを左右から同時伸展。共焦点顕微鏡に対応し、最大100パターン

細胞を視野内に保ちながら、形態変化をリアルタイムで観察したい場合

ST-1900

顕微鏡下での一軸・二軸伸展観察

X-Y方向の二軸伸展に対応し、最大64パターン

二方向の伸展を再現しながら、細胞形態やイオン動態を観察したい場合

※ST-1500およびST-1900は、標準条件で連続20分間の伸展刺激に対応します。顕微鏡への装着可否を確認するため、顕微鏡の型番、ステージ図面、使用中のオプション情報をご準備ください。



ストレッチチャンバーの選び方

装置本体だけでなく、試料と解析方法に適したチャンバーを選ぶことが、安定した伸展刺激実験の重要なポイントです。

研究対象・目的

チャンバーの選択例

一般的な接着細胞の二次元培養

4 cc SC-0040、10 cc SC-0100

複数ウェルで条件を分けたい

マルチウェル SC-0044

X-Y方向の二軸伸展を行いたい

二軸伸展用 SC-0042

腱、筋、肺などの組織を保持して伸展したい

組織伸展用 SC-0060/SC-0015

顕微鏡で微小領域を観察したい

SC-0022/SC-0024

三次元ゲル培養に伸展を加えたい

ゲル伸展用 SC-1040/SC-1035

細胞シートを伸展したい

細胞シート用 SC-1150

PDMS表面は疎水性が高いため、細胞を播種する前に、細胞種に適した細胞外基質でコーティングする必要があります。フィブロネクチン、コラーゲン、ゼラチン、ラミニン、ポリリシンなどを使用できます。必要に応じてプラズマ処理による親水化も検討します。



伸展刺激実験の基本フロー

STEP 1 研究目的に合う装置とチャンバーを選ぶ

エンドポイント解析かライブセルイメージングか、一軸か二軸か、刺激時間、必要サンプル数、電気刺激の有無を整理し、装置とチャンバーを選定します。


STEP 2 チャンバーを前処理する

使用する細胞に合わせ、PDMS表面を細胞外基質でコーティングします。必要に応じてプラズマ処理を行い、細胞が接着しやすい培養面を準備します。


STEP 3 細胞を播種・培養する

ストレッチチャンバーへ細胞を播種し、目的の密度や分化段階まで培養します。刺激群と非刺激対照群で、細胞数、培地、培養時間などの条件をそろえます。


STEP 4 伸展条件を設定して刺激を開始する

伸展率、伸展頻度、刺激時間、周期的刺激または持続的刺激を設定します。自動モデルでは、インキュベーター内の培養環境を維持しながら伸展刺激を負荷できます。


STEP 5 観察・回収・解析を行う

目的に応じて、顕微鏡観察、免疫染色、遺伝子発現解析、タンパク質解析、カルシウムイメージングなどを行い、非刺激対照群と比較します。



伸展刺激装置を選ぶ際の確認ポイント

一軸伸展と二軸伸展のどちらが必要か

筋、腱、血管など、主な力の方向が明確なモデルでは一軸伸展が適しています。面内の複数方向へ変形する組織環境を再現したい場合は、二軸伸展を検討します。


エンドポイント解析とリアルタイム観察のどちらを重視するか

RNA・タンパク質解析などで複数サンプルを比較する場合は、ST-1400/ST-1440が適しています。伸展中の細胞形態やイオン動態を観察する場合は、顕微鏡搭載型のST-1500/ST-1900を検討します。


必要な刺激時間とサンプル数

長時間の培養刺激や複数条件の並行比較には、冷却機構を備えた自動伸展システムが適しています。予備検討では手動モデルを使い、本試験で自動モデルへ移行する方法もあります。


電気刺激との同期が必要か

心筋細胞や骨格筋細胞などで、機械刺激と電気刺激を組み合わせたい場合はST-1410を検討します。使用予定の電気刺激装置、トリガー信号、刺激条件を事前に確認してください。


既存設備へ設置できるか

インキュベーターの庫内寸法、アクセスポート、顕微鏡の型番とステージ形状などを確認します。顕微鏡搭載モデルでは、装着用アタッチメントの確認・製作が必要になる場合があります。



オレンジサイエンスが機種選定をサポートします

オレンジサイエンスは、STREX社から製品の販売・サポートを委託された国内販売窓口です。


「どのモデルが研究目的に合うか分からない」「使用している細胞や組織に適したチャンバーを知りたい」「インキュベーターや顕微鏡へ設置できるか確認したい」といった導入前のご相談を承ります。一部製品ではデモ機をご用意しています。対象機種、貸出条件、期間についてはお問い合わせください。


お問い合わせの際に、次の情報をお知らせいただくと、機種選定がスムーズです。

  • 使用する細胞、組織、ゲル、細胞シートなどの試料

  • 一軸または二軸、希望する伸展率・頻度・刺激時間

  • エンドポイント解析またはリアルタイム観察の別

  • 1回の実験で必要なサンプル数

  • 使用予定のCO2インキュベーターや顕微鏡の型番

  • 電気刺激を併用する場合は、使用予定の刺激装置と条件






伸展刺激装置に関するよくある質問

Q1.伸展刺激装置では何を再現できますか?

培養細胞や組織に、一定または周期的な伸び縮みを負荷し、拍動、呼吸、運動、血圧などに伴う力学環境の一部をin vitroでモデル化できます。再現できる範囲は装置、チャンバー、試料、設定条件によって異なります。


Q2.どのような細胞に使用できますか?

心筋細胞、骨格筋細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、上皮細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、軟骨細胞など、さまざまな接着細胞で使用されています。細胞種に応じたチャンバーのコーティング条件と、播種密度・培養期間の最適化が必要です。


Q3.一軸伸展と二軸伸展の違いは何ですか?

一軸伸展は主に一方向へチャンバーを伸ばし、方向性のある負荷を再現します。二軸伸展はX-Y方向へ伸展し、面内の複数方向へ変形する環境をモデル化できます。研究対象の生体内環境と解析目的に合わせて選択します。


Q4.伸展率と伸展頻度は設定できますか?

はい。STREXの標準自動システムでは、伸展率と伸展頻度の組み合わせにより最大64通りのパターンを設定できます。対応範囲や設定方法はモデルによって異なります。標準外の条件についてはご相談ください。


Q5.複数サンプルへ同時に伸展刺激を与えられますか?

ST-1440は4 ccチャンバーを最大8個、ST-1400は10 ccチャンバーを最大6個同時に刺激できます。同一条件下で複数サンプルを処理できるため、比較実験やサンプル数の確保に適しています。


Q6.伸展刺激を加えながら顕微鏡観察できますか?

はい。ST-1500やST-1900は顕微鏡ステージ上へ設置し、伸展に伴う細胞形態やイオン動態を観察できます。顕微鏡の型番やステージ形状によってアタッチメントが必要になるため、事前確認が必要です。


Q7.伸展刺激と電気刺激を同時に与えられますか?

ST-1410では、外部の電気刺激装置からのトリガー信号と伸展刺激を同期できます。伸展刺激のみ、電気刺激のみ、両刺激の組み合わせを比較できます。電気刺激装置は別途必要です。


Q8.PDMSチャンバーへ細胞をそのまま播種できますか?

PDMS表面は疎水性が高いため、通常は細胞種に適した細胞外基質でコーティングしてから播種します。フィブロネクチン、コラーゲン、ゼラチン、ラミニン、ポリリシンなどを使用でき、必要に応じてプラズマ処理による親水化も検討します。


Q9.手動モデルと自動モデルはどのように使い分けますか?

手動モデルは、細胞接着や伸展率などを小規模に検討する初期試験に適しています。自動モデルは、設定した条件で周期的または持続的な刺激を再現し、長時間実験や複数サンプルの比較を行う場合に適しています。


Q10.導入前にデモは可能ですか?

オレンジサイエンスでは、一部の伸展刺激装置についてデモ機を用意しています。対象機種、貸出条件、期間は、研究内容と使用環境を添えてお問い合わせください。



STREX社の伸展刺激装置についてお問い合わせください

培養細胞への機械的刺激、メカノトランスダクション研究、伸展中のライブセルイメージング、電気刺激との複合刺激など、研究目的に応じて適切な装置とチャンバーをご案内します。

使用予定の細胞・組織、希望する刺激条件、解析方法が決まっていない段階でもご相談いただけます。




STREX 細胞伸展システム









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オレンジサイエンスでは、伸展刺激装置・圧縮刺激装置を取り扱っております。ご不明点や取り扱い装置に関する詳細など、お気軽にお問い合わせください。


CellScale/セルスケール社

​Mechano Cultureシリーズの機械的刺激培養装置はモデルにより、360度伸展、シリコンチャンバー伸展、マテリアル伸展、流体圧縮、機械的圧縮+データ測定、マテリアル伸展+データ測定が可能です。



Mechano Cultureシリーズ




STREX/ストレックス社

​独自のシリコンチャンバーを伸展させることにより、チャンバー上の細胞に伸展刺激を与えることが可能です。顕微鏡搭載モデルは、倒立顕微鏡での伸展細胞の観察も可能です。



STBシリーズ




IonOptix/イオンオプティクス社

​C-Stretchシステムはシリコンチャンバーを採用した伸展培養装置です。C-Pace EMシステムと使用することにより、伸展刺激と同時に、電気刺激を与えることも可能です。



IonOptix ​C-Stretchシステム




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