腱損傷モデルにおける腱治癒メカニズムの評価
- 3月17日
- 読了時間: 8分
生体組織の力学特性解析を支える CellScale UniVert
腱(tendon)は筋肉の力を骨に伝達する重要な結合組織であり、スポーツ外傷や加齢による変性などにより損傷が生じることがあります。しかし、腱は血流が乏しく細胞密度も低い組織であるため、治癒に長い時間を要することが知られています。
そのため、再生医療・整形外科学・スポーツ医学の分野では、
腱損傷モデル(tendon injury model)
腱治癒(tendon healing)
組織再生メカニズム
生体材料による治療法
といったテーマを対象とした研究が活発に行われています。
こうした研究において重要となるのが、修復した腱の力学特性(mechanical properties)の評価です。
CellScale社の UniVert 生体材料試験システムは、腱や靭帯などの軟組織・生体材料の精密な力学評価を可能にする装置として、腱治癒研究にも活用されています。
腱損傷モデルとは
腱損傷モデルとは、腱の断裂・部分損傷・変性などを再現し、腱の修復過程や再生メカニズムを解析する実験モデルです。
一般的に以下のようなモデルが使用されます。
動物モデル
代表例
マウス
ラット
ウサギ
イヌ
特にアキレス腱損傷モデルは、腱治癒研究で広く用いられる実験モデルです。損傷部位の組織再生や瘢痕形成、骨化などを解析する研究が行われています。
また近年では、哺乳類モデルだけでなく、高い再生能力を持つ両生類を利用した腱再生モデルなども報告されています。
腱治癒研究の主な評価項目
腱損傷モデルを用いた研究では、以下のような評価が行われます。
組織学評価
コラーゲン配列
細胞密度
瘢痕形成
血管新生
分子生物学評価
成長因子
炎症因子
ECM関連遺伝子
力学特性評価(Biomechanics)
特に重要な指標
最大引張強度
ヤング率
破断伸び
応力–ひずみ曲線
腱の機能回復を評価するためには、修復組織の力学的強度を測定することが不可欠です。
腱治癒研究における力学試験の重要性
腱は主にI型コラーゲン線維から構成される繊維組織であり、機械的負荷に耐える構造を持っています。
そのため、腱治癒研究では
治癒した腱がどの程度の強度を回復したか
正常腱と比較してどの程度機能回復しているか
を定量的に評価する必要があります。
代表的な試験方法
引張試験
応力–ひずみ解析
繰り返し負荷試験
これらの評価により
再生医療材料
成長因子
幹細胞治療
などの治療効果を客観的に比較することができます。
CellScale UniVertによる腱組織の力学評価
CellScale社の UniVert は、生体材料や軟組織の評価に特化したコンパクトな材料試験システムです。

腱治癒研究では以下のような用途に活用できます。
腱の引張強度測定
腱組織サンプルに対して引張負荷を与え
最大応力
破断強度
伸長率
などを測定します。
再生組織の力学特性評価
治療後の腱組織と正常腱を比較することで
再生度
機能回復度
を定量的に評価できます。
生体材料・再生医療研究
以下の研究にも適用可能です。
コラーゲンスキャフォールド
ハイドロゲル
組織工学腱モデル
UniVertが腱治癒研究に適している理由
腱や靭帯などの生体軟組織は、
小さく
柔らかく
非線形な力学特性を持つ
という特徴があります。
UniVertはこうした研究用途を想定して設計されており、
高精度ロードセル
微小な力を高精度に測定
生体材料対応グリップ
軟組織サンプルの固定が容易
コンパクト設計
研究室スペースでも運用可能
といった特長により、大学や研究機関のバイオメカニクス研究に適した試験装置です。
腱損傷・腱治癒研究の主な研究分野
腱損傷モデルは、以下の分野で活用されています。
再生医療
幹細胞
PRP
組織工学
スポーツ医学
アキレス腱断裂
腱炎
腱変性
バイオマテリアル研究
ハイドロゲル
生体接着剤
コラーゲンスキャフォールド
CellScale UniVertで広がる腱研究
腱治癒研究では、組織学・分子生物学・力学評価の統合解析が重要です。
CellScale UniVertを導入することで、
腱損傷モデル
再生腱組織
生体材料
の力学特性を高精度に評価することが可能になります。
腱研究を行う大学・研究機関において、UniVertは再生医療・バイオメカニクス研究を支える有力な解析ツールです。
CellScale UniVertについて詳しく知りたい方へ

CellScale UniVertは、
生体軟組織
ハイドロゲル
組織工学材料
などの精密力学評価に対応した材料試験システムです。
腱損傷モデルや腱治癒研究における評価装置として導入をご検討の方は、オレンジサイエンスまでお気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問(FAQ)
腱損傷モデルとは何ですか?
腱損傷モデルとは、腱の断裂や損傷を実験的に再現し、腱の修復過程や再生メカニズムを研究するための実験モデルです。マウス、ラット、ウサギなどの動物モデルや組織工学モデルが用いられ、腱治癒の分子生物学的・組織学的・力学的評価が行われます。
腱治癒研究ではなぜ力学評価が重要ですか?
腱は筋肉の力を骨へ伝達する組織であるため、治癒した組織が十分な機械的強度を回復しているかを評価することが重要です。そのため腱治癒研究では、以下のような力学試験が実施されます。
引張強度測定
応力–ひずみ解析
破断強度評価
これらの測定により、再生腱組織の機能回復を定量的に評価できます。
腱損傷モデルではどのような評価方法が用いられますか?
腱治癒研究では主に次の3種類の評価が行われます。
組織学評価
コラーゲン配列
細胞密度
瘢痕形成
分子生物学評価
成長因子
炎症マーカー
ECM遺伝子
力学評価
最大引張強度
ヤング率
破断伸び
特に機能回復の評価には力学試験が重要です。
腱の力学特性はどのように測定しますか?
腱の力学特性は材料試験機を使用した引張試験によって測定します。腱組織を一定速度で引張り、応力とひずみを測定することで、
最大強度
弾性率
破断特性
などの力学特性を解析することができます。
CellScale UniVertは腱研究にどのように利用できますか?
CellScale UniVertは、生体軟組織や生体材料の力学特性を評価する材料試験システムです。 腱治癒研究では以下の用途に利用できます。
腱組織の引張強度測定
再生腱組織の力学評価
生体材料やハイドロゲルの機械特性評価
コンパクト設計と高精度ロードセルにより、大学や研究機関のバイオメカニクス研究で広く利用されています。
参考文献・研究背景
腱は血流が乏しく治癒に長期間を要する組織である
アキレス腱損傷モデルなどの動物モデルが腱治癒研究で利用されている
腱再生研究では組織力学試験が重要な評価手法となる
埼玉県立大学 ニュースページ
論文URL
製品のご紹介
CellScale社 UniVert/卓上 引張・圧縮・3点曲げ試験機
生体サンプルから工業製品の試験に

CellScale社のUniVertは、生体サンプルなどのバイオマテリアル試験に最適です。クリップやプレートなど様々なアタッチメントに対応し、生体組織、ゲル、フィルム、ファイバーなどの多様なサンプルでの強度測定に優れています。
圧縮、引張、3点曲げなどのモードがあり、ロードセルは着脱式で、4.5N~200N(*1Kgモデルは1Kgまで)での測定が可能です。また、オプションのバスを取り付けることにより、横型、縦型での液中での測定も可能です。
MicroTester
マイクロスケール圧縮強度測定装置
MicroTesterはマイクロスケール生体サンプルや微粒子の粘弾性測定に特化した粘弾性測定装置です。
1㎜以下径のビーム(カンチレバー)とプレートで直接サンプルに接触して、非破壊で約0.005~500µNの粘弾性試験が可能です。生体サンプルの試験に特化し工業用の試験機では実現できないコンパクトさ、試験レンジを実現し、精度の高い試験・解析が可能となりました。チャンバー前方に取り付けられた高解像度カメラにより、サンプルの変位の画像解析も可能です。

オレンジサイエンスが取り扱うその他の製品
オレンジサイエンスでは、測定機器の他にも伸展刺激装置・圧縮刺激装置を取り扱っております。ご不明点や取り扱い装置に関する詳細など、お気軽にお問い合わせください。
CellScale/セルスケール社
Mechano Cultureシリーズの機械的刺激培養装置はモデルにより、360度伸展、シリコンチャンバー伸展、マテリアル伸展、流体圧縮、機械的圧縮+データ測定、マテリアル伸展+データ測定が可能です。

STREX/ストレックス社
独自のシリコンチャンバーを伸展させることにより、チャンバー上の細胞に伸展刺激を与えることが可能です。顕微鏡搭載モデルは、倒立顕微鏡での伸展細胞の観察も可能です。

IonOptix/イオンオプティクス社
C-Stretchシステムはシリコンチャンバーを採用した伸展培養装置です。C-Pace EMシステムと使用することにより、伸展刺激と同時に、電気刺激を与えることも可能です。




