ライブイメージング
ライブイメージングとは
ライブイメージングは、タイムラプス撮影が可能な蛍光顕微鏡やライブセルイメージングシステムを用い、細胞を生きた状態で観察できる手法です。
細胞の動きがダイレクトで観察でき、細胞の挙動を可視化できます。
細胞の生物学的な機能をより捉えることができ、比較的新しい手法のため、再生医療や細胞生物学の分野、医薬品の開発など多くの研究分野で活用が進められています。
ライブイメージングが活用される代表的な細胞や組織例
ライブイメージングは観察対象は幅広く、身体内や動植物のあらゆる組織や細胞、核、細胞膜、細胞小器官、特定のタンパク質、細菌などの観察に用いられます。主に研究用途として用いられる細胞としては、ips細胞、心臓、血管、皮膚、筋肉、肺、腱、靭帯、軟骨、骨の細胞や骨肉腫の細胞、癌細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞、血管前駆細胞、血管内皮細胞、乳房細胞、幹細胞、脂肪、上皮細胞、線維芽細胞、酵母細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、リンパ球などの身体内のあらゆる細胞や組織の研究、再生医療に関する研究に用いられます。
ライブイメージングのアプリケーション例
ライブイメージングは多様な用途に応用されています。培養観察や胚発生時の動きの観察、幹細胞の挙動観察、細胞増殖やコンフルエンス、細胞移動、創傷治癒、細胞死の分析、幹細胞の挙動観察、培養観察、スフェロイド観察、生体内調査、トランフェクション効率の決定、下等真核生物の観察、タンパク質発現のトラッキング、定量化など、細胞観察に必要なあらゆる観察用途に応用されています。
ライブイメージングのメリット
ヒトや動物の細胞を培養しながら観察するには、温度や湿度を一定に保った状態で数日から数週間に渡って細胞の時間経過をタイムラプス等の機能を用いて観察する必要があり、その多くはインキュベーター内で行われます。
インキュベーター内で細胞を観察することで、外部環境を変化させることなく細胞を培養しながら観察を続けることができます。細胞の変化を損なうことなく、長期間にわたる細胞の活動を観察することができます。
ライブイメージングの撮影例
マウス着床前胚発生
(LS620 対物x20(オリンパス製)で撮影)
東京大学農学生命科学研究科
応用遺伝子学研究室でLS620を採用頂きました。
http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/iden/ouyouiden/laboratory.htm
ライブイメージングシステム - Lumascopeの開発
オレンジサイエンスでは、ライブイメージングシステムであるLumascopeを扱っています。
Lumascopeはゼロからライブイメージングが可能な蛍光顕微鏡の開発をスタートしました。Lumascopeの開発元であるエタルーマ社のチームメンバーは、CMOSセンサーがCCDカメラの数分の一のコストで、多くのCCDカメラを凌駕していることに気付きました。そしてLEDは、動作に必要なDC5Vの低電力でも十分な明るさがあり、色も揃っていました。その結果、高温多湿のインキュベーター内で一生使えるUSB駆動の倒立蛍光顕微鏡が誕生しました。オールメタル構造のため、無菌化のための拭き取りが可能で、PCから顕微鏡へのUSBケーブルは1本でポートに通したり、インキュベーターのドアのゴムパッキンに通したりすることができます。
蛍光顕微鏡を初めてインキュベーター内に入れた時には、顕微鏡の外側に少量の結露が発生する場合がありますが、1~2時間以内で温度が平衡化され、すべての結露が解消されます。実験器具の上や顕微鏡内の空気の流れが温度を特に安定させます。
最終的にライブイメージングは、培地の変更を行う場合を除き、インキュベーターを開くことなく、何日も何週間もの期間で実行することができるようになりました。LS720の自動化バージョンでは、XYZ軸の自動化が追加され、電源をDC24Vに抑えて安全性を確保しています。
ライブイメージング - Lumascope
Etaluma Microscope
コンパクト設計の
蛍光ライブイメージング顕微鏡
エタルマのLumascope(ルマスコープ)は、優れた感度、解像度、ゼロピクセルシフトを備えた、半導体光学の新しいコンセプトで設計された、倒立型小型蛍光顕微鏡です。
そのコンセプトのデザインにより、インキュベーター、ドラフトチャンバーなどの限られたスペースの中で使用でき、幅広いラボウエアでのライブセルイメージングを可能にします。
コンパクトデザインによりインキュベーターやワークステーション内で使用可能
A Dramatic New Concept
ライブイメージングをインキュベーター内で
Lumascopesは、従来の高価な顕微鏡に匹敵する高解像度画像を備える、用途の広い、コンパクトな倒立型蛍光顕微鏡で、日々顕微鏡を使用する科学者によって考案、設計されました。従来の倒立顕微鏡は非常に高価で、複雑で、不要な機能も多く搭載していましたが、 Lumascopeは、高画質、汎用性、小型化、使いやすさ、低価格を実現しました。
LumascopesはLED光源、Semrockフィルター、最先端の光学技術、CMOSセンサーにより、回折限界に近い解像度画像(理論上)の提供を可能にします。USBでPCと接続することにより、画像、タイムラプス、動画の取り込みが非常に簡単です。そして、非常にコンパクトなので、インキュベーター、安全キャビネット、ワークステーションなどの限られたスペースでの作業が可能で、モデルにより、外部からのリモート操作、イメージモニタリングが可能です。
Lumascopesは、手動XYステージ、または自動ステージを備えており、汎用のマイクロプレート、フラスコ、ディッシュ、カスタムラボウェアに対応しています。 USBで画像をコンピュータに直接送信するLumaviewソフトウェアが付属しているため、オンボードでの画像保存、処理が不要になり、コンパクト化を実現しました。 Lumaviewは、数秒、数分、数時間、または数日にわたるタイムラプス観察を可能にし、ライブビデオは毎秒最大30フレームで録画が可能です。
BPAE cells
BPAE cells stained to show nuclei (blue), alpha-tubulin (green), and F-actin (red) on an LS 620; LifeTech FluoCells slide #2; 40x Olympus objective.
多彩なアプリケーション・汎用性
-
ライブセルイメージング
-
細胞増殖、コンフルエンス
-
細胞移動、創傷治癒
-
トランフェクション効率の決定
-
タンパク質発現のトラッキング、定量化
-
細胞分化観察
-
含有分析
-
生体内調査
-
AC電源不要顕微鏡撮影
ベネフィット
LED光源とCMOSセンサーを高度な光学技術で顕微鏡に応用し、理論上最大値付近の解像度を得ています。お使いのラップトップにUSBで接続して使用し、動画やタイムラプスも取り込めます。システムを極力単純化したために、これまでの顕微鏡では考えられない丈夫な構造です。また、光源が弱くても十分な光度が得られているため、光が与える細胞への損傷や蛍光減衰が極力抑えられます。
-
レンズ着脱式(1.25~100倍対応!)
-
オリンパスレンズ使用可能(高画質)
-
培養インキュベーター内に収まる設計
-
回折限界付近の高解像度
-
3色(赤、青、緑)蛍光
-
位相差観察のオプション有
-
自動ステージモデル有
ライブイメージングのデモについて
Lumascopeは無料にてデモが可能です。実際の実験環境や使用環境でお試しいただき、Lumascopeの機能や性能、使いやすさ、製品の大きさ等を事前にご確認いただけます。デモ可能な機種や貸出期間等につきましてはお問い合わせください。