タイムラプスイメージング
オレンジサイエンスは、ライフサイエンスの中でも細胞生物学分野に関する研究機器に特化して販売およびサポートをしている会社です。
このページでは、タイムラプスイメージングについて、タイムラプスイメージングとはどんな観察手法かをご説明し、当社が扱うタイムラプスイメージングシステム「Lumascope」を例に、タイムラプスイメージングの撮影例、タイムラプス撮影に使用されるソフトウェアや分析ツール、タイムラプスイメージングシステムの使い方をご紹介します。
タイムラプスイメージングとは
タイムラプスイメージングとは、数秒や数分など、一定の間隔ごとに連続した画像を撮影し、観察対象の動きを長時間で撮影する撮影手法です。
撮影された画像は、コマ送りの動画のように再生でき、長い時間軸での観察や分析に有効です。
細胞研究や再生医療などのヘルスケア分野で活用がすすみ、インキュベータ内でタイムラプスイメージングが可能なシステムも多く、細胞を培養しながらイメージングを行うことが可能になっています。
タイムラプスイメージングにはイメージング機器が用いられます。タイムラプスイメージングで画像を撮影することで、これまでは観察が難しかった細胞の動きを画像として観察することができ、形態観察に加え、細胞の長期に渡る動きの分析なども行うことができます。
また、インキュベータ内で観察を同時に行うことで細胞の外部環境を変化させることなく観察を実行でき、長時間の培養をしながらの観察ができるようになりました。例えば、胚発生におけるさまざまな段階で細胞周期の長さを測定し規則的ではない切断を特定したり、細胞にイベントが発生するタイミングを分析したりといったことが可能になりました。
タイムラプスイメージングの撮影例
マウス着床前胚発生
(LS620 対物x20(オリンパス製)で撮影)
東京大学農学生命科学研究科
応用遺伝子学研究室でLS620を採用頂きました。
エレクトロポレーション(電気穿孔法):
脂質生成間葉幹細胞のための持続可能な細胞生物学保存細胞ラベリング論
Kathrin von der Haar 氏他
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30944770
エタルーマ社のインキュベーター蛍光顕微鏡LumaScope600(40倍の対物レンズ使用)で撮影されたエレクトロポレーションをされたAD-hMSCのeGFP発現
内皮細胞はSiM Pore’s のナノ多孔性シリコン窒化物膜上で24時間以上培養されました。採取後すぐのヒトの好中球をシリコン膜の上部から灌流し、強力な化学誘引物質(fmlp)をシリコン膜の下層チャネルに加えたものです。
この位相差ビデオは、Etaluma LS560を使用し、1分間に10フレームを30分以上の間撮影したものです。二種類の色は膜の上下を示しています。
ビデオ提供:ロチェスター大学McGrath研究室 分析:DRVision Quyen Tran
コラーゲンマトリックス(3Dコラーゲン発芽アッセイ)に埋め込まれたヒトのスフェロイド黒色腫 (メラノーマ)。個々の細胞がスフェロイドから出ようとしているのが見えます。コラーゲンマトリックスへの腫瘍の浸透/運動性を測定しています。タイムラプスはインキュベーター内のLS720自動蛍光顕微鏡で撮影したものです。
提供:ドレクセル大学Ed Hartsough研究室
卵母細胞の成熟過程における殺虫剤の影響について
Xiang-Shun Cui 氏他曰く、”フィプロニルは、ブタの卵母細胞の生体内での成熟期に、アポトーシスや細胞周期の進行停止を促進します。”
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10495-019-01552-w
タイムラプスイメージングのソフトウェア
タイムラプス撮影が可能なライブセルイメージングシステムには通常ソフトウェアが付属しており、ソフトウェアを使用してタイムラプス動画を編集できます。
オレンジサイエンスが扱う「Lumascope」には、USBで画像をコンピュータに直接送信するLumaviewソフトウェアが付属しております。
ソフトウェアにより、数秒、数分、数時間、数日にわたるタイムラプス画像を取得できます。
そして、ライブビデオは毎秒最大30フレームで録画が可能です。
長時間のデータ収集が可能となり、説得力のあるデータ、資料が作成できます。
細胞研究をより正確に行うことができ、研究をより柔軟に行うことができるようになります。
非常にコンパクトなため、インキュベーター、安全キャビネット、ワークステーションなどの限られたスペースでの観察画像撮影が可能です。
モデルにより、自動ステージ、外部からのリモート操作、イメージモニタリングも可能で、位相差オプションで位相差観察を強化できます。
タイムラプスイメージングの分析
タイムラプスイメージングで撮影された画像はソフトウェアを使用し2Dや2D + Timeデータセットを分析できます。
最先端の画像処理アルゴリズムによって、細胞、核、粒子などの対象物の強調、検出、追跡が可能です。
例えば、Lumascopeに付属するLumaquant 7.7ソフトウェアには、2Dレシピが搭載されており、DRVisionの*強力なPixel Classifierを使用してデータを総合的に分析し、広範な形態、強度、動き、および系統の測定値にアクセスすることができます。
より簡単で迅速な画像分析が可能です。