引張試験
引張試験とは
引張試験とは、サンプルが破壊されるまで張力をかけ、その張力に対するサンプルの反応や数値を測定する機械的試験です。サンプルがどの位の強度を持ち、どの程度まで伸びるかを測定します。測定には引張試験機が使用されます。引張試験では、試験片は機械的なクランプに固定され、一方の端は引っ張られ、他方の端は固定されたままになります。試験片に力が加えられると、それに反応して試験片が伸び、その変形を計測します。応力や引張強さなどの数値を測定することで弾性率や降伏応力、ヤング率、ポアソン比を求めることができ、サンプルの機械的特性を知ることができます。
引張試験は、構造物、自動車、航空宇宙、電子機器、医療機器、建材、スポーツ用品など、さまざまな分野で使用される材料の性質を理解するために重要な試験方法の一つです。

生体サンプルの引張試験
生体サンプルの引張試験は、生物学や医学の分野で用いられる試験の一つで、生体組織の強度や弾性特性、変形率、破壊点などを測定するために行われます。
生体サンプルの引張試験では、生体組織の試料が専用のクランプで挟まれ、一方の端を引っ張る力が加えられます。生体サンプルの引張試験では、試験片に適切な荷重をかけ、試験片が破断するまで引っ張ることで、最大引張応力や引張変形率、破壊点を測定します。
生体サンプルの引張試験は、例えば筋肉、骨、皮膚、軟骨、血管、結合組織などの生体組織の評価に利用されます。また、医療機器の材料評価にも利用され、人工関節や人工心臓弁、ドレーンなどの耐久性を評価するためにも使われます。生体サンプルの引張試験結果は、材料開発、設計改良、クライアントへの評価報告などに役立てられます。

引張試験の目的
引張試験には、サンプルの機械特性の予測や研究、仮説の証明、実証、サンプルの実用性の検証、サンプルの品質保証のためのデータの提供、複数サンプルの数値による比較、法的に有効な書類の提出など、様々な目的があります。
生体組織の機械的特性の理解
生体組織の機械的特性を理解することで、医療用材料の開発や人工臓器の設計など、医療技術の向上につながります。
医療機器の開発
人工心臓弁や人工関節など、医療機器の材料開発において生体サンプルの引張試験は重要な役割を果たします。生体組織の強度や弾性特性を測定し、耐久性や安全性の向上につながるデータを得ることができます。
引張試験で測定されるサンプル
引張試験は、スキャフォールド、ハイドロゲル、3D培養モデル、人工骨、マウスのアキレス腱、ポリマーやゴムなどの弾性物、セラミックや金属、プラスチックなどの非弾性物、繊維や複合材、紙、フィルムなど、様々なサンプルで実施されています。



引張強度とは
引張強度とは、サンプルが破壊されるまで張力をかけ、その張力に対するサンプルの反応や数値を測定し求められる機械的強度の値です。サンプルがどの位強度を持ち、どの程度まで伸びるかを測定することで、サンプルの機械的特性を知ることができます。

UniVertによる引張試験
UniVert(ユニバート)は、生体サンプルの引張試験に特化した引張試験機です。
ロードセルのレンジを1N~10kNと狭めることでリーズナブルな価格でコンパクト、持ち運びやすい形状を実現しました。
非常にコンパクトな仕様で場所を選ばず引張強度試験を実施でき、生体サンプルに特化しているためグリップも簡単にできます。研究のための精度の高い試験・解析・測定が可能となります。
圧縮試験や3点曲げ試験を実施するためのモジュール交換も容易にでき、解析・分析ソフトウェアも標準で付属します。

引張試験機 - UniVertの応用例
生体サンプルは金属やプラスチックなどと違い試験時のグリップが難しいです が、UniVertは生体サンプルの試験を得意としており、ばね・ネジで締め付けるグリップで簡単・的確にサンプルを固定できます。
多様なアタッチメントにより、引張強度試験だけでなく、生体から取り出したサンプルの引張強度測定や圧縮強度測定、3点曲げ試験など、様々なサンプル・テストモードで測定ができます。
簡単なモジュール交換で多様な機械的試験に対応します。

引張試験
弾性ポリマー素材など

圧縮試験
非弾性セラミック球など

3点曲げ試験
人工骨など
引張試験機 - UniVertの特徴
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高品質で費用対効果の高い試験をコンパクトなパッケージで実施できます
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コンポーネントやロードセルの交換が簡単にでき、幅広い試験用途に対応できます
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画像ベースのひずみ測定ツールによる高解像度CCDイメージング(オプションとなります)
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ソフトウェアを使用し、リアルタイムでテストプロトコルをグラフ化・モニタリング
引張試験機 - UniVertで測定可能なサンプル
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スキャフォールド
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ハイドロゲル
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3D培養モデル
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人工骨
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マウスのアキレス腱
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弾性物(ポリマーなど)
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非弾性物(セラミックなど)
など

引張試験機 - UniVert ソフトウェア

UniVertには標準でソフトウェアが付属します。
UniVertのソフトウェアによって、テストプロトコルの総合的な管理が可能となります。リアルタイムでのグラフ化やモニタリングによって、テスト中のフィードバックが見れるだけでなく、力と変位のデータの記録を残すこともできるので、後の分析も可能です。
ソフトウェアもモジュラーコンポーネントも簡単に使用でき、特別なトレーニングは必要ありません。
引張試験のやり方
サンプルの固定
引張試験では、サンプルの固定が非常に重要です。特に生体サンプルの様な柔らかいものですと、固定が強すぎると、サンプルを損傷してしまい、弱過ぎるとサンプルがずれてしまい正確なデータを取得できません。しかし、UniVert(ユニバート)は、ばね式のクリップタイプや、ネジ式のメタルのクリップなどのオプションがあるため、サンプルに応じた固定が可能となり、生体サンプルの引張強度をより簡単に、より正確に取得することができます。


引張試験の動画
引張強度の測定例
UniVertは、コンパクトな設計と多様なコンポーネントにより、好きな時に好きな場所で、簡単に幅広いレンジのメカニカルテストを行うのに、非常に理想的です。 ここでは、一例として、身近にあるトイレットペーパーの引張試験とマイクロファイバーの引張試験をご紹介します。


引張試験機のクライアントレビュー


デヴィッド・ミルズ教授 - Professor David Mills
ルイジアナ工科大学 - Louisiana Tech University
私たちは、5つの博士研究プロジェクトでUnivertを使用しています。この装置は、作業用の装置で、汎用性にも優れているため、データを迅速かつ簡単に取得することができます。また、直感的に使用することができます。
キャサリン・グランドフィールド准教授 - Associate Professor Kathryn Grandfield
マクマスター大学 - McMaster University
私は、授業と研究の両方でUniVertを使用してきました。大学生に機械的試験の原理を実習と体験的なアプローチで教えるには最適なツールでした。私の研究室では、他の方法では測定できなかった研究室で開発された柔らかい生体材料の機械的特性を測定することができました。UniVertは使いやすく、私たちのニーズをすべて満たしてくれました。