微粒子計測
オレンジサイエンスは、ライフサイエンスの中でも細胞生物学分野に関する研究機器に特化して販売およびサポートをしている会社です。
このページでは、微粒子の計測について、微粒子の強度計測が可能なシステム「MicroTester」を例に、微粒子計測の目的や方法、関連動画や論文などをご紹介します。
微粒子計測の目的
微粒子の基本的な機械的特性の試験には圧縮試験などが用いられます。圧縮強度を測定することで、微粒子の特性測定や機械的特性の研究、研究用のデータ取得、複数サンプルの数値比較など、様々な状況下でのサンプルの反応評価を行えます。
直接サンプルに接触しての圧縮試験では、圧縮の深さや速度、また繰り返しの試験によって、まったく違う特性が分かります。
MicroTesterでは、そのプロトコルを専用ソフトウエアで自由自在に設定できますので、微粒子などの極小サンプルに対して様々な試験をお試し頂けます。

微粒子計測の方法
MicroTesterでは、マイクロビーム(カンチレバー)でサンプルを圧縮し、前方にあるカメラでその変位を捉え、様々なアウトプットから、サンプルの強度を測定します。
50µm以上の厚みがあれば、ゲルや細胞組織、スフェロイド、スキャフォールド、ファイバーなど様々なサンプルの測定が可能です。
システムの図解による構成や使い方、ビーム径や実際の測定方法などはこちらの使い方ページをご覧ください。
微粒子計測に関連する動画
マイクロスケールメカニカルテスト事例
ハイドロゲル微小球の圧縮試験デモ
微粒子計測器 MicroTester G2・LT
MicroTesterは、従来できなかった微粒な組織や微粒子サンプルの強度測定を実現したマイクロスケールの微粒子計測器です。より小さなサンプル、より優れた力分解能、より簡単な試験セットアップ、そして優れた視覚性。計測用途としては、小さな組織サンプル、ハイドロゲルマイクロスフィア、細胞スフェロイド、人工のマイクロ組織などがあります。お客様のニーズに合わせて、2つのバージョンをご用意しています。

MicroTester G2
MicroTester G2は、微粒子サンプルの引張試験機です。 組織サンプル、細胞凝集体、ハイドロゲル、組織工学用足場材など、様々な材料の応力圧縮ひずみ特性の測定に使用できます。力検知用マイクロワイヤの小さな変化を検知することで、従来の機械的試験システムよりもはるかに小さな力と変位を測定することができます。 システムには、理想的な試料条件を維持するための温度制御された液槽と、ユーザーフィードバックを提供するための高品質な光学系が組み込まれています。この特殊なシステムにより、10nNまでの力分解能と0.1μmまでの空間分解能が可能です。 制御ソフトウェアは、力制御と変位制御の両方のユーザープロトコルをサポートすることができます。

-
圧縮、引張、曲げ、圧入、オプションでせん断試験も可能
-
0.1μm分解能の圧電アクチュエータによる最高レベルの精度
-
オプションの2軸イメージング
-
10nNまでの力分解能
-
高解像度CCD画像
-
温度調節可能なメディアバス内蔵
-
シンプル、サイクリック、リラクセーション、マルチモーダル試験をリアルタイムにフィードバックするフル機能のユーザーインターフェイスソフトウェア
下の写真は、マイクロテスターG2が、ユーザーテストのプロトコルに沿って、2枚の平行なプレートの間で微小球を圧縮しているところです。
荷重と変位のデータ、および試験中の時間相関画像が出力されます。

ライブ画像とデータによる設定が可能なテストソフトウェア
MicroTester LT
マイクロテスターLTは、微粒子サンプルの引張圧縮試験機です。 組織サンプル、細胞凝集体、ハイドロゲル、組織工学用足場材など、様々な材料の応力・歪み特性の測定に使用できます。力検知用マイクロワイヤの小さな変化を検知することで、従来の機械的試験システムよりもはるかに小さな力と変位を測定することができます。 このシステムには、理想的な試料条件を維持するための温度制御された液槽と、ユーザーからのフィードバックを得るための高品質な光学系が組み込まれています。この特殊なシステムにより、10nNまでの力分解能と1µmまでの空間分解能が可能になります。 制御ソフトウェアは、力制御と変位制御の両方のユーザープロトコルに対応可能です。

-
圧縮、引張、曲げ、圧入の各試験モード
-
幅広い用途とユーザーに対応
-
1μm分解能のステッピングモーターアクチュエーターを使用した良好なレベル精度
-
10nNまでの力分解能
-
高解像度CCD画像
-
温度調節可能なメディアバスを内蔵
-
シンプル、サイクリック、リラクセーション、マルチモーダル試験をリアルタイムにフィードバックするフル機能のユーザーインターフェース・ソフトウェア
下の写真は、マイクロテスターLTが、ユーザーテストのプロトコルに沿って、2枚の平行なプレートの間で微小球を圧縮しているところです。

ライブ画像とデータによる設定が可能なテストソフトウェア
微粒子計測器 MicroTesterの特徴
-
50μm~約1㎝のサンプルの測定が可能
-
ビーム(カンチレバー)の径により、4μN~の測定が可能
-
試験中の画像データ取得可能
-
液中測定が可能
-
ソフトウエアにより、容易に、負荷・保持・除荷の各フェーズの時間設定が可能
-
ビームに各種治具を取り付けて、様々な測定が可能(プレートでの押し込み、球体での押し込みなど)
微粒子計測器 MicroTesterのアプリケーション例
MicroTesterはiPS心筋組織の収縮力測定や足場材(ゲル)の強度定量化のための試験など、いままで強度測定ができなかったサンプルや微粒子計測に応用が可能です。下記はMicroTesterのアプリケーション例です。
-
iPS心筋組織の収縮力測定
-
足場材(ゲル)の強度定量化のための試験
-
再生医療用材料の強度定量化のための試験
-
3D培養組織の強度定量化のための試験
微粒子計測器 MicroTesterのサンプル例
MicroTesterでは、従来では測定ができなかった身体組織や再生医療用材料などの微粒子サンプル測定・試験を実施できます。
-
微粒子
-
iPS心筋組織
-
マイクロファイバー
-
3D培養組織
-
ゲル
-
チューブ
-
スフェロイド
-
オルガノイド
微粒子計測の仕組み
MicroTesterはサンプルを押し込む細いワイヤーが取り付けられた力覚センサーにより、微小な変化を検知することにより微粒子サンプルへの負荷が測定でき、またチャンバー前方に取り付けられた高解像度カメラにより、サンプルの変位の画像解析も可能です。


微粒子計測時の測定画面
測定画面動画
実際の微粒子計測時の動画です。サンプルをビームに取り付けられたプレートで、20秒間に100µm圧縮している様子です。画面中央には、チャンバーを正面から見たカメラの映像、画面右には、Force/Time、Displacement/Time、Force/Displacementのトレースがリアルタイムで確認できます。
微粒子計測の製品モデルと仕様
ユーザー様の微粒子計測のニーズに合わせ、ハイエンドモデルのG2に加え、簡易版のLTモデルがリリースされました。
LT モデル
