ゲル弾性率測定
ゲルの弾性率測定について
ゲルのような液体に近いソフトマテリアルの弾力測定や強度測定には、一般的にレオメーターが使用されておりますが、これはバルクの測定であり、またサンプルの形状自体を変えてしまっているので、ゲルの測定には最適では無いと考えられます。
オレンジサイエンスでは、生体サンプルの弾性率測定に特化した強度測定試験機であるセルスケール社のMicroTesterを取り扱っています。
MicroTesterは研究者によって開発され、1㎜以下径のビーム(カンチレバー)とプレートで直接サンプルに接触して、非破壊検査が可能な装置です。生体サンプルの試験に特化し工業用の試験機では実現できないコンパクトさ、試験レンジを実現し、精度の高い試験・解析が可能となりました。
このページでは、ゲル弾性率測定に関する情報やMicroTesterで実現できる強度試験、MicroTesterで測定できるサンプルや動画、試験例などをご紹介します。
ゲル弾性率測定の目的
直接サンプルに接触しての弾力測定では、圧縮の深さや速度、また繰り返しの試験によって、まったく違う特性が分かります。
MicroTesterでは、そのプロトコルを専用ソフトウエアで自由自在に設定できますので、様々な試験をお試し頂けます。
ゲル弾性率測定に関連する動画
ハイドロゲル微小球の圧縮試験デモ
ソフトゲルの機械的試験
ゲルの弾性率測定に関連する論文
ここでは、弾性率測定に MicroTester が使われた論文を紹介します。
化粧品、インプラント、その他の消費財から、日々私たちの体内に混入する、様々なナノパーティクルの危険性を十分理解する必要があります。
NCATSUの Bhattarrai Lab の研究者は、静電カプセル化を利用して、合成繊維、自然繊維のナノファイバー構造体を持つハイドロゲルベースのスフェロイドを作成しています。彼らのミッションは、ハイスループットの3D in vivo プラットフォームを作ることで、最初のアプリケーションは一般的なナノパーティクルの毒性を研究することでした。
これまでの研究では、PLGAナノファイバーでスフェロイドを作成し、エレクトロスプレーやその他の製造パラメータの最適化に焦点を当てていました。
先月発表された彼らの新しい研究では、キチンナノフィブリルをスフェロイドに添加した結果、安定性、均一性、長期的な物理的完全性が向上することが分かりました。
この、300~500μmのスフェロイドの機械的特性を評価するために、CellScale社の MicroTester G2 が使用されました。スフェロイドを圧縮し、15~45 kPa の範囲の弾性率を測定するには、10~40 uN のピーク力が必要ですが、MircoTester G2 は、小さな力の分解能、温度制御された液体中でのサンプルの操作、リアルタイムでの試験の可視化というユニークな機能を備えており、この研究には理想的でした。
MicroTesterによるゲル弾性率測定
セルスケール社のMicroTester(マイクロテスター)は、サンプルを押し込むカンチレバー(ビーム)の径を変えることにより、約0.005~500µNの試験が可能です。
ビームの先端にサンプルのサイズに合わせたプレートを取り付けることにより、より確実にサンプル全体に力をかけて、弾性率測定をすることが出来ます。
生体サンプルの試験に特化し、工業用の試験機では実現できないコンパクトさ、試験レンジを実現し、精度の高い試験・解析が可能となりました。
ソフトウェアによる解析、画像分析、リアルタイムモニタリングにも対応し、幅が約60cm、高さが約30cmと非常にコンパクトなため、試験室だけでなく、あらゆる場所で試験を行うことができます。
MicroTesterは研究者によって開発されたため、生体系サンプルの試験を得意とし、生体サンプル試験の豊富な応用例を有します。
ステージ、ビームを変えることで、幅広い強度のサンプルを、様々な方法で試験することが可能です。
ゲル弾性率測定 - MicroTesterの強み
コンパクトなパッケージであらゆる場所で簡単に弾力測定を実施できます。幅広い試験用途に対応でき、コンポーネントやビーム(カンチレバー)の交換も簡単にできます。
ソフトウェアを使用し、リアルタイムでテストプロトコルをグラフ化・モニタリングでき、高品質で費用対効果の高い圧縮試験を実施できます。
また、測定チャンバー正面には高解像度のカメラが搭載されておりますので、測定時の画像を記録することも可能です。
測定の例(サンプル)
プレートでの圧縮
300µm hydrogel microsphere (30KPa)
Peak Force: 20mN
プレートでの圧縮
2mm diameter hydrogel cylinder (12KPa) Peak Force: 20mN
Bend-Induced Tension
spider silk Peak Force: 2mN
ワイヤーでの繊維押込み
20µm thick by 4mm wide foil strip (70MPa) Peak Force: 3mN
球状での押込み試験
1.5mm diameter indenter into hydrogel (2KPa) Peak Force: 12mN
Puncture-Attached Tension
3.5mm wide by 1.5mm thick hydrogel (0.5KPa) Peak Force: 1.4mN
MicroTesterの特徴
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高品質で費用対効果の高い試験をコンパクトなパッケージで実施できます
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コンポーネントやビーム(カンチレバー)の交換が簡単にでき、幅広い試験用途に対応できます
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高解像度カメラにより、測定の画像を記録できます
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ソフトウェアを使用し、リアルタイムでテストプロトコルをグラフ化・モニタリング
MicroTesterで測定可能なサンプル
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スキャフォールド
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ハイドロゲル
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3D培養モデル
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細胞スフェロイド
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弾性物(ポリマーなど)
など
MicroTester ソフトウェア
MicroTesterのソフトウェアは、HPから無償でダウンロードできます。このソフトウェアによって、テストプロトコルの総合的な管理が可能となります。リアルタイムでのグラフ化やモニタリングによって、テスト中のフィードバックが見れるだけでなく、力と変位のデータの記録を残すこともできるので、後の分析も可能です。
ソフトウェアもモジュラーコンポーネントも簡単に使用でき、特別なトレーニングは必要ありません。
動画
クライアントレビュー
ジャスティン・リュー博士 - Justin Liu, PHD Candidate
カリフォルニア大学サンディエゴ校 - Shaochen Chen Lab, University of California San Diego
組織工学アプリケーションのためのソフトハイドロゲルのマイクロ/ナノスケールの3Dプリントに焦点を当てています。MicroTester は、他の方法では正確に測定することが難しいサンプルを、正確に測定することができるユニークな装置です。提供されるソフトウェアは使いやすく、ラボの多様なニーズに柔軟に対応します。
レアンダ・バプティスタ教授 - Prof. Leandra S. Baptista
リオデジャネイロ大学 - Federal University of Rio de Janeiro
Delivery of Human Adipose Stem Cells Spheroids into Lockyballs.
MicroTester は、多機能な光学システムと、機械特性試験により、細胞スフェロイドの測定を可能にするユニークな装置です。また、CellScaleのカスタマーサポートにも大変満足しています。
ローラン・フィン博士 - Lauren Flynn, Ph.D., P.Eng
ウエスタン大学 - Western University
CellScale 社の装置(MicroTester, UniVertなど)は、私たちの研究を大きく前進させ、さまざまな人工バイオフレームの特性を生理的条件下で正確に測定することを可能にしました。このシステムは堅牢で使いやすく、測定できる生体材料や組織の種類に柔軟性があります。また、様々なサポートや、質問にも常に迅速に対応してくれます。
デモ機貸し出しについて
MicroTesterは無料にてデモが可能です。実際の実験環境や使用環境でお試しいただき、MicroTesterの機能や性能、使いやすさ、製品の大きさ等を事前にご確認いただけます。デモ可能な機種や貸出期間等につきましてはお問い合わせください。
ビーム
微粒子計測のビームはタングステンで出来ており、径0.07~1.57㎜の中から選べます。ビームの径により、測定できる力が変わってきますので、ビームの選定は下記の表を参考にして下さい。
オレンジサイエンスについて
私たちは、ライフサイエンスの中でも
細胞生物学分野に関する研究機器に特化して
販売およびサポートをしています。
多種多様な装置を取り扱うのではなく、装置とその用途について深い知識を持ち、ユーザの皆様の研究をよりよく理解することを心掛けています。研究者の皆様への技術サポートを通じて、ライフサイエンスの発展に貢献することを目指す会社です。
この分野の装置は、日本が常に一番というわけではありません。日本では国内メーカーの製品が好まれていますが、おそらくアフターサービスの良さが大きな要因だと考えられます。欧米で、より顕著な発展を見せている研究機器を国内メーカーと同じレベルのサポート体制でお使いいただければ、皆様の研究をさらに効率化することができるはずです。
オレンジサイエンスのスタッフは日本で研究する皆様の研究の効率化を実現するために、アメリカとヨーロッパから研究に有用な製品の情報を収集し横浜オフィスに集めています。横浜のスタッフは、各地のメーカーを訪れて技術力を向上させています。皆様の御研究が実を結び、我々が間接的にでも多くの人々のクオリティーオブライフの向上に貢献できることを願っております。