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粘弾性測定

オレンジサイエンスは、ライフサイエンスの中でも細胞生物学分野に関する研究機器に特化して販売およびサポートをしている会社です。

このページでは、粘弾性測定について、生体サンプルの強度計測が可能なシステム「MicroTester」を例に、粘弾性測定とは何か、種類や方法、関連動画や論文などをご紹介します。

粘弾性とは

粘弾性とは、物質が外力に対して反応する際に、弾性変形(外力を取り除いた後も元の形状に戻る)と粘性変形(外力を取り除いた後も形状が変化し続ける)の両方を示す性質のことを指します。この特性を測定するためには、粘弾性測定が用いられます。

粘弾性測定とは

粘弾性測定は、物質の流れの挙動を測定する方法です。液体や半固体のサンプルなどを対象として、時間や周波数に対する応答を測定します。粘弾性測定によって物質がどのように変形するかを定量的に評価することができます。粘弾性測定は、物質の粘弾性特性を評価するための手法です。一般的には、サンプルに定常的な歪みや応力を加え、応力に対する緩和や歪みからの回復を測定して、粘弾性に関する数値を求めます。粘弾性測定は医療工学、材料科学、生物学、食品科学など、多くの分野で応用されています。

粘弾性測定とは
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粘弾性測定
粘弾性測定

粘弾性測定の種類

粘弾性測定には、以下のような種類があります。

  • 剪断応力-剪断変形測定:固体、液体、半固体の試料に剪断応力を加え、剪断変形を測定することで試料の粘弾性特性を評価します。

  • 圧縮応力-圧縮変形測定:試料に圧縮応力を加え、圧縮変形を測定することで試料の粘弾性特性を評価します。

  • 伸長応力-伸長変形測定:固体、液体、半固体の試料に伸長応力を加え、伸長変形を測定することで試料の粘弾性特性を評価します。

  • 周波数応答測定:試料に一定の応力を加え、周波数を変化させながら応答を測定することで、試料の粘弾性特性を評価します。

粘弾性測定の方法

粘弾性測定には、様々な手法がありますが、以下のような方法が代表的です。

  • 動的機械分析法(DMA)

  • 粘度計法

  • 回転式流れ計法

  • マイクロ流体デバイス法

粘弾性測定はなぜ重要?

粘弾性測定は、物質の応答特性を評価するために非常に重要な手法です。この手法により、材料の強度や剛性、形状、環境条件に対する応答を評価できます。また、生体組織の特性や、食品の質や味の変化、医療用材料の適性など、幅広い分野で応用されています。

 

例えば、医療分野では、サンプルの生体適合性を評価するために粘弾性測定が使用されています。また、食品分野では、食品の粘りやのどごしを評価するために、粘弾性測定が用いられます。

粘弾性測定に関連する論文

ここでは、弾性率測定に MicroTester が使われた論文を紹介します。

 化粧品、インプラント、その他の消費財から、日々私たちの体内に混入する、様々なナノパーティクルの危険性を十分理解する必要があります。

 NCATSUの Bhattarrai Lab の研究者は、静電カプセル化を利用して、合成繊維、自然繊維のナノファイバー構造体を持つハイドロゲルベースのスフェロイドを作成しています。彼らのミッションは、ハイスループットの3D in vivo プラットフォームを作ることで、最初のアプリケーションは一般的なナノパーティクルの毒性を研究することでした。

​ これまでの研究では、PLGAナノファイバーでスフェロイドを作成し、エレクトロスプレーやその他の製造パラメータの最適化に焦点を当てていました。
 先月発表された彼らの新しい研究では、キチンナノフィブリルをスフェロイドに添加した結果、安定性、均一性、長期的な物理的完全性が向上することが分かりました。

​ この、300~500μmのスフェロイドの機械的特性を評価するために、CellScale社の MicroTester G2 が使用されました。スフェロイドを圧縮し、15~45 kPa の範囲の弾性率を測定するには、10~40 uN のピーク力が必要ですが、MircoTester G2 は、小さな力の分解能、温度制御された液体中でのサンプルの操作、リアルタイムでの試験の可視化というユニークな機能を備えており、この研究には理想的でした。

粘弾性・力学測定

粘弾性測定に関連する動画

ハイドロゲル微小球の圧縮試験デモ

ソフトゲルの機械的試験

生体サンプルの粘弾性測定について

ゲルのような液体に近いソフトマテリアルの粘弾性測定には、一般的にレオメーターが使用されておりますが、これはバルクの測定であり、またサンプルの形状自体を変えてしまっているので、粘弾性測定には最適では無いと考えられます。

 

オレンジサイエンスでは、生体サンプルの粘弾性測定に特化した強度測定試験機であるセルスケール社のMicroTesterを取り扱っています。

 

MicroTesterは研究者によって開発され、1㎜以下径のビーム(カンチレバー)とプレートで直接サンプルに接触して、非破壊での粘弾性測定が可能な装置です。生体サンプルの試験に特化し工業用の試験機では実現できないコンパクトさ、試験レンジを実現し、精度の高い試験・解析が可能となりました。

MicroTesterによる粘弾性測定

 セルスケール社のMicroTester(マイクロテスター)は、サンプルを押し込むカンチレバー(ビーム)の径を変えることにより、約0.005~500µNの試験が可能です。

 ビームの先端にサンプルのサイズに合わせたプレートを取り付けることにより、より確実にサンプル全体に力をかけて、弾性率測定をすることが出来ます。

 生体サンプルの試験に特化し、工業用の試験機では実現できないコンパクトさ、試験レンジを実現し、精度の高い試験・解析が可能となりました。


 ソフトウェアによる解析、画像分析、リアルタイムモニタリングにも対応し、幅が約60cm、高さが約30cmと非常にコンパクトなため、試験室だけでなく、あらゆる場所で試験を行うことができます。
 MicroTesterは研究者によって開発されたため、生体系サンプルの試験を得意とし、生体サンプル試験の豊富な応用例を有します。
 ステージ、ビームを変えることで、幅広い強度のサンプルを、様々な方法で試験することが可能です。

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粘弾性測定の仕組み

微粒子計測 - 仕組み

測定時のソフトウェア画面

粘弾性測定 - MicroTesterの強み

コンパクトなパッケージであらゆる場所で簡単に弾力測定を実施できます。幅広い試験用途に対応でき、コンポーネントやビーム(カンチレバー)の交換も簡単にできます。
ソフトウェアを使用し、リアルタイムでテストプロトコルをグラフ化・モニタリングでき、高品質で費用対効果の高い圧縮試験を実施できます。
また、測定チャンバー正面には高解像度のカメラが搭載されておりますので、測定時の画像を記録することも可能です。

MicroTesterの応用例

多様なアタッチメントにより、弾性率測定だけでなく、生体から取り出したサンプルの圧縮強度、引張強度、3点曲げ強度測定などが実施でき、多様な生体サンプルのメカニカル試験を実現します。50µm以上の厚みがあれば、ゲルはもちろん、細胞組織、スフェロイド、スキャフォールド、ファイバーなど様々なサンプルの測定が可能です。

簡単なモジュール交換で多様な機械的試験に対応します。

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3点曲げ試験

心筋チューブ、ナノバイバーなど

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引張試験

血管、皮膚など

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圧縮試験

細胞組織、スフェロイド、ゲルなど

測定の例(サンプル)

バイオマテリアル・生体サンプル圧縮試験機

プレートでの圧縮
300µm hydrogel microsphere (30KPa)

Peak Force: 20mN

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プレートでの圧縮

2mm diameter hydrogel cylinder (12KPa) Peak Force: 20mN

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Bend-Induced Tension

spider silk Peak Force: 2mN

バイオマテリアル・生体サンプル圧縮試験機

ワイヤーでの繊維押込み
20µm thick by 4mm wide foil strip (70MPa) Peak Force: 3mN

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球状での押込み試験

1.5mm diameter indenter into hydrogel (2KPa) Peak Force: 12mN

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Puncture-Attached Tension

3.5mm wide by 1.5mm thick hydrogel (0.5KPa) Peak Force: 1.4mN

MicroTesterの特徴

  • 高品質で費用対効果の高い試験をコンパクトなパッケージで実施できます

  • コンポーネントやビーム(カンチレバー)の交換が簡単にでき、幅広い試験用途に対応できます

  • 高解像度カメラにより、測定の画像を記録できます

  • ソフトウェアを使用し、リアルタイムでテストプロトコルをグラフ化・モニタリング

MicroTesterで測定可能なサンプル

  • スキャフォールド

  • ハイドロゲル

  • 3D培養モデル

  • ​細胞スフェロイド

  • 弾性物(ポリマーなど)

 など

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MicroTester  ソフトウェア

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MicroTesterのソフトウェアは、HPから無償でダウンロードできます。このソフトウェアによって、テストプロトコルの総合的な管理が可能となります。リアルタイムでのグラフ化やモニタリングによって、テスト中のフィードバックが見れるだけでなく、力と変位のデータの記録を残すこともできるので、後の分析も可能です。 

ソフトウェアもモジュラーコンポーネントも簡単に使用でき、特別なトレーニングは必要ありません。

動画

クライアントレビュー

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ジャスティン・リュー博士 - Justin Liu, PHD Candidate

カリフォルニア大学サンディエゴ校 - Shaochen Chen Lab, University of California San Diego

組織工学アプリケーションのためのソフトハイドロゲルのマイクロ/ナノスケールの3Dプリントに焦点を当てています。MicroTester は、他の方法では正確に測定することが難しいサンプルを、正確に測定することができるユニークな装置です。提供されるソフトウェアは使いやすく、ラボの多様なニーズに柔軟に対応します。

レアンダ・バプティスタ教授 - Prof. Leandra S. Baptista

リオデジャネイロ大学 - Federal University of Rio de Janeiro

Delivery of Human Adipose Stem Cells Spheroids into Lockyballs.

 

MicroTester は、多機能な光学システムと、機械特性試験により、細胞スフェロイドの測定を可能にするユニークな装置です。また、CellScaleのカスタマーサポートにも大変満足しています。

ローラン・フィン博士 - Lauren Flynn, Ph.D., P.Eng

ウエスタン大学 - Western University

CellScale 社の装置(MicroTester, UniVertなど)は、私たちの研究を大きく前進させ、さまざまな人工バイオフレームの特性を生理的条件下で正確に測定することを可能にしました。このシステムは堅牢で使いやすく、測定できる生体材料や組織の種類に柔軟性があります。また、様々なサポートや、質問にも常に迅速に対応してくれます。

デモ機貸し出しについて

MicroTesterは無料にてデモが可能です。実際の実験環境や使用環境でお試しいただき、MicroTesterの機能や性能、使いやすさ、製品の大きさ等を事前にご確認いただけます。デモ可能な機種や貸出期間等につきましてはお問い合わせください。

​仕様

LT モデル

バイオマテリアル・生体サンプル圧縮試験機

G2 モデル

バイオマテリアル・生体サンプル圧縮試験機

ビーム

 微粒子計測のビームはタングステンで出来ており、径0.07~1.57㎜の中から選べます。ビームの径により、測定できる力が変わってきますので、ビームの選定は下記の表を参考にして下さい。

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オレンジサイエンスについて

私たちは、ライフサイエンスの中でも

細胞生物学分野に関する研究機器に特化して

販売およびサポートをしています。

多種多様な装置を取り扱うのではなく、装置とその用途について深い知識を持ち、ユーザの皆様の研究をよりよく理解することを心掛けています。研究者の皆様への技術サポートを通じて、ライフサイエンスの発展に貢献することを目指す会社です。

 

この分野の装置は、日本が常に一番というわけではありません。日本では国内メーカーの製品が好まれていますが、おそらくアフターサービスの良さが大きな要因だと考えられます。欧米で、より顕著な発展を見せている研究機器を国内メーカーと同じレベルのサポート体制でお使いいただければ、皆様の研究をさらに効率化することができるはずです。

 

オレンジサイエンスのスタッフは日本で研究する皆様の研究の効率化を実現するために、アメリカとヨーロッパから研究に有用な製品の情報を収集し横浜オフィスに集めています。横浜のスタッフは、各地のメーカーを訪れて技術力を向上させています。皆様の御研究が実を結び、我々が間接的にでも多くの人々のクオリティーオブライフの向上に貢献できることを願っております。

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