心筋カルシウム

心筋とカルシウム

心臓の興奮-収縮カップリングは、電気的興奮が心筋細胞の機械的短縮を駆動するプロセスです。膜の脱分極後、電位依存性カルシウムチャネルを介したカルシウムの流入が、細胞内貯蔵物からのカルシウム放出を誘発します。増加した細胞質カルシウムはトロポニンに結合し、アクチン線維とミオシン線維の滑走を可能にします。この結果、心筋細胞の収縮が起こります。細胞質カルシウムが押し出されると、筋フィラメントが弛緩し、心筋細胞は再び収縮を開始します。

 

つまり、心筋細胞内のカルシウムイオン(Ca2+)の濃度が変化することによって心筋のミオシン組織とアクチン組織間の結合度合いが変化し、心筋が収縮します。ミオシン組織とアクチン組織とそれらを構成する心筋の基本的な収縮単位であるサルコメア、カルシウムイオンの濃度が心筋の収縮力に影響を及ぼしています。

 

このように厳密に制御されたプロセスと、その乱れがどのように起こるのかを理解することは、心臓の機能と機能不全を理解する上で非常に重要です。

心筋とカルシウム

心筋・カルシウムの測定

単離心筋細胞(myocytes)を用いて、細胞レベルで心筋を研究する研究室が大幅に増加しています。電気的刺激が心筋細胞の力学的反応を誘発する励起-収縮(EC)カップリングは、半世紀以上にわたって熱心に研究されていますが、基本的な分子・生物物理学的メカニズムの解明は依然として心臓の生理・病理学的な研究の最前線にあります。ECカップリングを制御する機能の障害は、多くの筋疾患の発症や進行と強く相関しています。細胞のサイズ測定と細胞内カルシウムの記録は、単離筋細胞や筋繊維におけるECカップリング、心血管系の健康に影響を与えるプロセスに関する重要なデータとなります。

 

心筋のカルシウムイオンやサルコメアなどの測定・研究を通じて心疾患や心筋梗塞などの心臓に関わる疾患の仕組みの解明や新薬研究、再生医療の研究につながっていきます。

心筋収縮測定装置 MyoCyteシステム

MyoCyteシステムは心筋細胞の機能研究に必要な蛍光光度計とデジタルセルジオメトリー測定を同時に取得できるソリューションシステムです。心筋細胞のカルシウムと収縮力を記録でき、プライマリーの単離心筋細胞の収縮性、サルコメア長の測定と、収縮時に放出するカルシウムの測定が同時にできる唯一のシステムです。

特徴

  • プライマリーの単離心筋細胞の収縮性、サルコメア長の測定と、収縮時に放出するカルシウムの測定

  • カルシウムフォトメトリと細胞週収縮を同時に同期して測定可能

  • 成体心筋細胞、骨格筋、iPSC-CMなど様々な種類の細胞に対応

  • 高速かつ定量的なカルシウム測定

  • 直感的な過渡解析が可能なソフトウェア

  • 特定の研究ニーズに合わせてカスタマイズ可能

MyoCyteシステムのアプリケーション例

  • 心臓病関連の治療薬の検証

  • 試薬投入後の収縮性変化の検証

  • 心筋細胞の収縮性、サルコメア長、カルシウムの測定

​など、筋細胞の細胞長やサルコメア間隔をカルシウムデータと共に取得することを可能にします。

心筋・カルシウム関連コンテンツ

心筋収縮・カルシウム測定装置 MyoCyteシステムの詳細

 20年以上、国内外で数多くの実績がある、マイオサイトシステム(MyoCyte System)は、画像解析による、細胞の収縮、サルコメアの測定、また2波長光源でレシオメトリックス方による細胞の蛍光測定が可能です。

 お使いの蛍光顕微鏡にアドオンしてご使用になれます。

(※仕様条件がございますので、お問合せ下さい。)

​ 近年では、この機能をそのままに、高性能カメラが一体となった全自動モデル、MultiCellシステムもリリースされております。

単離心筋細胞 収縮・カルシウム測定システム

心筋収縮測定

心筋収縮測定

CCDカメラで取得された画像の輝度値を2値化し、輝度値の差異がある個所を検出し、収縮値を計測します。

サルコメア測定

サルコメア測定

サルコメア横紋の明暗部分の輝度を波長表示し、収縮弛緩時の波形の変化を高速フーリエ変換し、値を測定します。

レシオメトリックスCa蛍光測定

レシオメトリックスCaカルシウム蛍光測定

レシオメトリック法により、340nm, 380nm, 340/380nmの値から、カルシウム蛍光計測をします。

動画 - システム構成と測定方法

システムの構成、測定方法はこちらの動画をご覧ください。

​使用論文一覧