強度測定器
このページでは、強度測定器について、生体系サンプルの試験・測定を得意としている強度測定器「UniVert(ユニバート)」を例に、強度測定器に関する情報や、強度測定のやり方、関連動画や論文などをご紹介します。
強度測定器とは
強度測定器は、物質や材料、サンプルの強度を測定するための装置や機器のことです。強度は、物質が外部から受ける力に対してどれだけ耐えることができるか、または変形や破壊が起こるまでの負荷やストレスに対する耐性を表す物理的な特性です。強度測定器は、工学、材料科学、建築、医療、製造業、ライフサイエンスなどさまざまな分野で使用されています。
強度測定器の種類
強度測定器には、材料やサンプル種類や形状に応じて様々な種類があります。一般的には、引張試験機、圧縮試験機、曲げ試験機、硬度計などがあります。また、それぞれの試験機にもさまざまなタイプがあります 。
引張試験機
材料の引っ張り強度を測定します。試験片を引っ張る力をかけ、その変形と破断点を観察することで、材料の引っ張りに対する挙動を測定します。
圧縮試験機
材料の圧縮強度を測定します。材料を圧縮する力をかけて変形と破断点を観察し、圧縮に対する挙動を評価します。
曲げ試験機
材料の曲げ強度や曲げ挙動を測定します。材料の一端を支持し、他端に荷重をかけて曲げることで、曲げ応力や変形を評価します。
硬さ計
材料の硬さを測定するための装置です。異なる硬さスケール(例. Vickers:硬さ、Rockwell:硬さ、Brinell:硬さなど)を使用して、材料の表面に負荷をかけてその抵抗力を評価します。
疲労試験機
材料の疲労強度や耐久性を測定するために使用されます。材料に繰り返し負荷をかけて、繰り返し負荷が与えられた際の挙動や破壊点を調査します。
これらの強度測定器は、材料の性質や応用に応じて異なる種類があり、材料の評価や設計において重要な役割を果たしています。
強度測定器による強度測定
強度測定は、一般的に、試験片と呼ばれる材料のサンプルをテスト装置に取り付け、その材料を引っ張ったり圧縮したりして強度を測定します。このプロセスで、材料がどの程度負荷に耐えることができるかを評価します。異なる種類の強度測定器は、それぞれの測定対象に合わせて異なる原理と方法で測定しますが、一般的には以下のような手順で強度を測定します。
試験片の準 備
まず、測定対象の材料から試験片が切り出されます。試験片の形状や寸法は、測定の目的や標準に従って選ばれます。試験片は通常、一定の形状と寸法が指定された標準に従って準備されます。
負荷の適用
強度測定器は、試験片に対して一定の負荷や力をかけます。この負荷は、 引っ張り、圧縮、曲げ、振動など、測定したい強度の種類に応じて異なります。
変形の測定
負荷が試験片にかかると、材料は変形し始めます。この変形は、強度測定器に組み込まれたセンサーや計測機器によって検出されます。
挙動の記録
試験中に、負荷と変形(または変位)の関係が記録されます。これにより、材料の挙動や応答が評価されます。引張試験や圧縮試験の場合、材料の変形が線形の範囲であるか、非線形の挙動が見られるかなどを観察します。
破断点の測定
材料が一定の負荷やストレスに達すると、破壊点に達して断裂が発生します。この破壊点は、試験 片の変形や負荷の記録から特定されます。断面の形状や断面積から、最大応力(引張強度や圧縮強度など)が計算されます。
データ解析と評価
試験のデータを解析し、材料の強度や挙動に関する情報を取得します。これにより、材料やサンプルの特性や品質を評価し、設計や製造プロセスの向上に活用されます。
強度測定器が使用される産業
強度測定器は、様々な産業で使用されています。例えば、建築業界では、コンクリートや鉄筋の強度測定に使用されます。また、自動車産業では、車体やエンジン部品の強度測定に使用されます。さらに、エネルギー産業や製造業、航空宇宙産業や医療機器産業などでも使用されています。強度測定器は、製品の品質管理や安全性確保に欠かせない重要な機器となっています。
強度測定の目的
ロードセルによって、応力や引張強さなどの数値を測定することで、サンプルの機械特性の予測や研究、仮説の証明、実証、サンプルの実用性の検証、サンプルの品質保証のためのデータの提供、複数サンプルの数値による比較、法的に有効な書類の提出など、様々な目的で実施されます。
強度測定で測定されるサンプル
引張強度は、ポリマーやゴムなどの弾性物はもちろんのこと、スキャフォールド、ハイドロゲル、3D培養モデル、人工骨、マウスのアキレス腱、セラミックや金属、プラスチックなどの非弾性物、繊維や複合材、紙、フィルムなど、様々なサンプルで測定されます。
UniVertによる強度測定
UniVert(ユニバート)は、生体サンプルの強度測定に特化した強度測定器です。
ロードセルのレンジを0.5N~10kNと狭めることでリーズナブルな価格でコンパクト、持ち運びやすい形状を実現しました。
非常にコンパクトな形状で場所を選ばず強度試験を実施でき、生体サンプルに特化しているためグリップも簡単にでき、研究のための精度の高い試験・解析・測定が可能となります。
圧縮試験や3点曲げ試験を実施するためのモジュール交換も容易にでき、解析・分析ソフトウェアも標準で付属します。
強度測定器 - UniVertの応用例
UniVertに付属する多様なアタッチメントにより、生体から取り出したサンプルの引張強度測定や圧縮強度測定など、様々なサンプル・テストモードで測定ができます。生体サンプルは金属やプラスチックなどと違い試験時のグリップが難しいですが、UniVertは生体サンプルの試験を得意としており、ばね・ネジで締め付けるグリップで簡単・的確にサンプルを固定できます。
簡単なモジュール交換で多様な機械的試験に対応します。
引張試験
弾性ポリマー素材など
圧縮試験
非弾性セラミック球など
3点曲げ試験
人工骨など
強度測定器 - UniVertの特徴
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高品質で費用対効果の高い試験をコンパクトなパッケージで実施できます
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コンポーネントやロードセルの交換が簡単にでき、幅広い試験用途に対応できます
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画像ベースのひずみ測定ツールによる高解像度CCDイメージング(オプションとなります)
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ソフトウェアを使用し、リアルタイムでテストプロトコルをグラフ化・モニタリング
UniVertで強度測定が可能なサンプル例
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スキャフォールド
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ハイドロゲル
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3D培養モデル
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人工骨
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マウスのアキレス腱
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弾性物(ポリマーなど)
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非弾性物(セラミックなど)
など
強度測定器 - UniVert ソフトウェア
UniVertには標準でソフトウェアが付属します。
UniVertのソフトウェアによって、テストプロトコルの総合的な管理が可能となります。リアルタイムでのグラフ化やモニタリングによって、テスト中のフィードバックが見れるだけでなく、力と変位のデータの記録を残すこともできるので、後の分析も可能です。
ソフトウェアもモジュラーコンポーネントも簡単に使用でき、特別なトレーニングは必要ありません。
強度測定 - 動画
強度測定 - クライアントレビュー
デヴィッド・ミルズ教授 - Professor David Mills
ルイジアナ工科大学 - Louisiana Tech University
私たちは、5つの博士研究プロジェクトでUnivertを使用しています。この装置は、作業用の装置で、汎用性にも優れているため、データを迅速かつ簡単に取得することができます。また、直感的に使用することができます。
キャサリン・グランドフィールド准教授 - Associate Professor Kathryn Grandfield
マクマスター大学 - McMaster University
私は、授業と研究の両方でUniVertを使用してきました。大学生に機械的試験の原理を実習と体験的なアプローチで教えるには最適なツールでした。私の研究室では、他の方法では測定できなかった研究室で開発された柔らかい生体材料の機械的特性を測定することができました。UniVertは使いやすく、私たちのニーズをすべて満たしてくれました。
強度測定器 - UniVert 仕様
オプション
Imaging System(イメージングシステム)
オプションのイメージングシステムにより、引張強度試験の時間相関画像の保存も可能となり、画像分析ソフトウェアのパッケージをご利用いただくことで、デジタル画像相関技術を使いサンプル表面の負荷(ヒートマップデータ)を画像化、数値化することも可能です。
Fluid Bath チャンバー(液中測定オプション)
Fluid Bathチャンバーにより、液中での引張強度測定も可能です。
UniVertは温度制御されたFluid Bathチャンバーにより液中測定ができ、敏感な生体サンプルを適切な条件下で試験することができます。
ラボでの教育用Class Roomキット
ラボでの教育用に、サンプルが豊富に付属したクラスルームキットもございます。