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粘弾性測定装置

オレンジサイエンスでは、マイクロスケール生体サンプルや微粒子の粘弾性測定に特化した粘弾性測定装置であるセルスケール社のMicroTesterを取り扱っています。

 

MicroTesterは研究者によって開発され、1㎜以下径のビーム(カンチレバー)とプレートで直接サンプルに接触して、非破壊での粘弾性測定が可能な装置です。生体サンプルの試験に特化し工業用の試験機では実現できないコンパクトさ、試験レンジを実現し、精度の高い試験・解析が可能となりました。

 

従来できなかった微粒な組織やサンプルの強度測定ができ、より小さなサンプル、より優れた力分解能、より簡単な試験セットアップ、そして優れた視覚性を実現しました。計測用途としては、小さな組織サンプル、ハイドロゲルマイクロスフィア、細胞スフェロイド、人工のマイクロ組織などがあります。ニーズに合わせて、2つのバージョンをご用意しています。

 

サンプルを押し込むカンチレバー(ビーム)の径を変えることにより、約0.005~500µNの粘弾性試験が可能です。ビームの先端にサンプルのサイズに合わせたプレートを取り付けることにより、より確実にサンプル全体に力をかけて、粘弾性測定をすることが出来ます。

 

ゲルのような液体に近いソフトマテリアルの粘弾性測定には、一般的にレオメーターが使用されておりますが、これはバルクの測定であり、またサンプルの形状自体を変えてしまっているので、粘弾性測定には最適では無いと考えられます。

 

MicroTesterは生体サンプルの試験に特化し、ソフトウェアによる解析、画像分析、リアルタイムモニタリングにも対応し、幅が約60cm、高さが約30cmと非常にコンパクトなため、試験室だけでなく、あらゆる場所で試験を行うことができます。ステージ、ビームを変えることで、幅広い強度のサンプルを、様々な方法で試験することが可能です。

粘弾性測定装置

MicroTesterによる粘弾性測定

MicroTesterは、細いワイヤーが取り付けられた力覚センサーによって微小な変化を検知し、サンプルにかかる負荷を測定することができます。また、高解像度カメラがチャンバー前方に取り付けられており、サンプルの変位の画像解析も可能です。MicroTesterは、マイクロスケールの粘弾性測定装置であり、小さな組織サンプルやハイドロゲルマイクロスフィア、細胞スフェロイド、人工のマイクロ組織などの計測用途に適しています。MicroTester G2とMicroTester LTの2つのバージョンがあり、それぞれマイクロスケールの引張試験機と圧縮試験機として使用できます。どちらのバージョンも、マイクロワイヤの小さな変化を検知することで、従来の機械的試験システムよりもはるかに小さな力と変位を測定することができます。また、温度制御された液槽や高品質な光学系が組み込まれており、10nNまでの力分解能と0.1μm〜1µmまでの空間分解能が可能です。制御ソフトウェアは、力制御と変位制御の両方のユーザープロトコルをサポートすることができます。

MicroTesterによる微粒子測定
MicroTesterによる微粒子測定
微粒子計測 - 仕組み

粘弾性測定時のソフトウェア画面

マイクロスケール粘弾性測定

オレンジサイエンスは、生体サンプルの粘弾性測定に特化したマイクロスケール粘弾性測定機であるセルスケール社のMicroTesterを提供しています。MicroTesterは研究者によって開発され、1㎜以下の直径を持つビーム(カンチレバー)とプレートを使用して、直接サンプルに接触し、非破壊的な粘弾性測定が可能な装置です。この装置は、生体サンプルの試験に特化しており、工業用の試験機では実現できないコンパクトさと広い試験レンジを実現しています。そのため、高い精度で試験・解析が可能になっています。より小さなサンプル、より優れた力分解能、より簡単な試験セットアップ、そして優れた視覚性。測定用途としては、小さな組織サンプル、ハイドロゲルマイクロスフィア、細胞スフェロイド、人工のマイクロ組織などがあります。お客様のニーズに合わせて、2つのバージョンをご用意しています。

下の写真は、マイクロテスターG2が、ユーザーテストのプロトコルに沿って、2枚の平行なプレートの間で微小球を圧縮しているところです。荷重と変位のデータ、および試験中の時間相関画像が出力されます。

MicroTesterによる微粒子測定

粘弾性測定 - MicroTesterの強み

コンパクトなパッケージであらゆる場所で簡単に粘弾性測定試験を実施できます。幅広い試験用途に対応でき、コンポーネントやビーム(カンチレバー)の交換も簡単にできます。
ソフトウェアを使用し、リアルタイムでテストプロトコルをグラフ化・モニタリングでき、高品質で費用対効果の高い圧縮試験を実施できます。
また、測定チャンバー正面には高解像度のカメラが搭載されておりますので、測定時の画像を記録することも可能です。

MicroTester  ソフトウェア

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MicroTesterのソフトウェアは、HPから無償でダウンロードできます。このソフトウェアによって、テストプロトコルの総合的な管理が可能となります。リアルタイムでのグラフ化やモニタリングによって、テスト中のフィードバックが見れるだけでなく、力と変位のデータの記録を残すこともできるので、後の分析も可能です。 

ソフトウェアもモジュラーコンポーネントも簡単に使用でき、特別なトレーニングは必要ありません。

MicroTesterの特徴

  • 高品質で費用対効果の高い試験をコンパクトなパッケージで実施できます

  • コンポーネントやビーム(カンチレバー)の交換が簡単にでき、幅広い試験用途に対応できます

  • 高解像度カメラにより、測定の画像を記録できます

  • ソフトウェアを使用し、リアルタイムでテストプロトコルをグラフ化・モニタリング

MicroTesterで測定可能なサンプル

  • スキャフォールド

  • ハイドロゲル

  • 3D培養モデル

  • ​細胞スフェロイド

  • 弾性物(ポリマーなど)

 など

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粘弾性測定時の動画

ヒト線維芽細胞100%で作成した

細胞ブロック(厚さ0.5~1.4㎜)を測定

​Tissue By Net社提供 

0.4㎜径のワイヤーに4㎟のプレートを取り付け、通常のCompress, Hold, Recoverの流れで測定しました。

iPS心筋チューブを測定

​CellFiber社提供

​​200µm径のチューブを0.4㎜径のワイヤーで押し込み、通常Compress, Hold, Recoverの流れで測定しますが、この場合はHoldのフェーズを長く設定し、心筋チューブが自発収縮する際にワイヤーを押し返す力を測定しました。

Tissue By Net社では、簡単に3D 培養ができるキットを販売しております。ご興味のある方は下記リンクからご確認ください。

バイオマテリアル・生体サンプル圧縮試験機

粘弾性測定の例(サンプル)

バイオマテリアル・生体サンプル圧縮試験機

プレートでの圧縮
300µm hydrogel microsphere (30KPa)

Peak Force: 20mN

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プレートでの圧縮

2mm diameter hydrogel cylinder (12KPa) Peak Force: 20mN

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Bend-Induced Tension

spider silk Peak Force: 2mN

バイオマテリアル・生体サンプル圧縮試験機

ワイヤーでの繊維押込み
20µm thick by 4mm wide foil strip (70MPa) Peak Force: 3mN

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球状での押込み試験

1.5mm diameter indenter into hydrogel (2KPa) Peak Force: 12mN

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Puncture-Attached Tension

3.5mm wide by 1.5mm thick hydrogel (0.5KPa) Peak Force: 1.4mN

粘弾性測定に関連する動画

ハイドロゲル微小球の圧縮試験デモ

マイクロスケールメカニカルテスト事例

MicroTesterの応用例

多様なアタッチメントにより、生体から取り出したサンプルの圧縮強度、引張強度、弾性率測定、3点曲げ強度測定などが実施でき、多様な生体サンプルのメカニカル試験を実現します。50µm以上の厚みがあれば、スフェロイド、スキャフォールド、ゲル、細胞組織、ファイバーなど様々なサンプルの測定が可能です。

簡単なモジュール交換で多様な機械的試験に対応します。

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3点曲げ試験

心筋チューブ、ナノバイバーなど

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引張試験

血管、皮膚など

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圧縮試験

細胞組織、スフェロイド、ゲルなど

粘弾性測定 - ビーム

 微粒子測定の際に使用するビームはタングステンで出来ており、径0.07~1.57㎜の中から選べます。ビームの径により、測定できる力が変わってきますので、ビームの選定は下記の表を参考にして下さい。

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動画

クライアントレビュー

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ジャスティン・リュー博士 - Justin Liu, PHD Candidate

カリフォルニア大学サンディエゴ校 - Shaochen Chen Lab, University of California San Diego

組織工学アプリケーションのためのソフトハイドロゲルのマイクロ/ナノスケールの3Dプリントに焦点を当てています。MicroTester は、他の方法では正確に測定することが難しいサンプルを、正確に測定することができるユニークな装置です。提供されるソフトウェアは使いやすく、ラボの多様なニーズに柔軟に対応します。

レアンダ・バプティスタ教授 - Prof. Leandra S. Baptista

リオデジャネイロ大学 - Federal University of Rio de Janeiro

Delivery of Human Adipose Stem Cells Spheroids into Lockyballs.

 

MicroTester は、多機能な光学システムと、機械特性試験により、細胞スフェロイドの測定を可能にするユニークな装置です。また、CellScaleのカスタマーサポートにも大変満足しています。

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ローラン・フィン博士 - Lauren Flynn, Ph.D., P.Eng

ウエスタン大学 - Western University

CellScale 社の装置(MicroTester, UniVertなど)は、私たちの研究を大きく前進させ、さまざまな人工バイオフレームの特性を生理的条件下で正確に測定することを可能にしました。このシステムは堅牢で使いやすく、測定できる生体材料や組織の種類に柔軟性があります。また、様々なサポートや、質問にも常に迅速に対応してくれます。

デモ機貸し出しについて

MicroTesterは無料にてデモが可能です。実際の実験環境や使用環境でお試しいただき、MicroTesterの機能や性能、使いやすさ、製品の大きさ等を事前にご確認いただけます。デモ可能な機種や貸出期間等につきましてはお問い合わせください。

​仕様

LT モデル

バイオマテリアル・生体サンプル圧縮試験機

G2 モデル

バイオマテリアル・生体サンプル圧縮試験機

粘弾性測定とは

粘弾性測定とは、物質の粘弾性特性を評価するための手法です。粘弾性は、物質の変形速度と応力の関係を表す指標であり、物質が内部の粘性力によって応力を減衰させるため、時間的なスケールが重要になります。

粘弾性測定のやり方

粘弾性測定には、様々な手法がありますが、一般的な流れを紹介します。

試料・サンプルの準備

粘弾性測定を行う前に、測定する試料を準備します。試料は、液体、固体、ゲル状物質など、測定する材料に応じて適切な形状と量を選びます。

測定装置の設定

測定する試料に適した測定装置を選び、測定条件を設定します。測定装置によっては、試料の温度、周波数、変形条件(歪みまたは応力)、振動振幅などのパラメータを設定する必要があります。

測定実施

試料を測定装置にセットし、設定した条件で測定を実施します。測定装置によっては、周波数を変えながら測定することで、試料の周波数依存性の粘弾性特性を評価することもできます。測定結果は、試料の変形速度と応力の関係を表す応力緩和曲線や、変形速度と粘度の関係を表す粘度-剪断速度曲線などとして表現されます。

データ解析

得られたデータを解析し、試料の粘弾性特性を評価します。粘弾性測定によって得られたデータは、材料の特性評価、製品品質の改善、材料開発の設計支援などに応用されます。

論文の紹介

ここでは、弾性率測定に MicroTester が使われた論文を紹介します。

 化粧品、インプラント、その他の消費財から、日々私たちの体内に混入する、様々なナノパーティクルの危険性を十分理解する必要があります。

 NCATSUの Bhattarrai Lab の研究者は、静電カプセル化を利用して、合成繊維、自然繊維のナノファイバー構造体を持つハイドロゲルベースのスフェロイドを作成しています。彼らのミッションは、ハイスループットの3D in vivo プラットフォームを作ることで、最初のアプリケーションは一般的なナノパーティクルの毒性を研究することでした。

​ これまでの研究では、PLGAナノファイバーでスフェロイドを作成し、エレクトロスプレーやその他の製造パラメータの最適化に焦点を当てていました。
 先月発表された彼らの新しい研究では、キチンナノフィブリルをスフェロイドに添加した結果、安定性、均一性、長期的な物理的完全性が向上することが分かりました。

​ この、300~500μmのスフェロイドの機械的特性を評価するために、CellScale社の MicroTester G2 が使用されました。スフェロイドを圧縮し、15~45 kPa の範囲の弾性率を測定するには、10~40 uN のピーク力が必要ですが、MircoTester G2 は、小さな力の分解能、温度制御された液体中でのサンプルの操作、リアルタイムでの試験の可視化というユニークな機能を備えており、この研究には理想的でした。

粘弾性・力学測定

オレンジサイエンスについて

私たちは、ライフサイエンスの中でも

細胞生物学分野に関する研究機器に特化して

販売およびサポートをしています。

多種多様な装置を取り扱うのではなく、装置とその用途について深い知識を持ち、ユーザの皆様の研究をよりよく理解することを心掛けています。研究者の皆様への技術サポートを通じて、ライフサイエンスの発展に貢献することを目指す会社です。

 

この分野の装置は、日本が常に一番というわけではありません。日本では国内メーカーの製品が好まれていますが、おそらくアフターサービスの良さが大きな要因だと考えられます。欧米で、より顕著な発展を見せている研究機器を国内メーカーと同じレベルのサポート体制でお使いいただければ、皆様の研究をさらに効率化することができるはずです。

 

オレンジサイエンスのスタッフは日本で研究する皆様の研究の効率化を実現するために、アメリカとヨーロッパから研究に有用な製品の情報を収集し横浜オフィスに集めています。横浜のスタッフは、各地のメーカーを訪れて技術力を向上させています。皆様の御研究が実を結び、我々が間接的にでも多くの人々のクオリティーオブライフの向上に貢献できることを願っております。

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