遺伝子発現の観察を、蛍光タイムラプスでより身近に
- 4 日前
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Etaluma社 Lumascopeによる遺伝子発現ライブイメージング
遺伝子発現は、細胞の増殖、分化、シグナル伝達、薬剤応答、疾患メカニズムなどを理解するうえで重要な研究対象です。
GFPやmCherryなどの蛍光レポーターを利用することで、目的遺伝子に関連する蛍光シグナルを細胞レベルで可視化し、発現の有無だけでなく、発現が始まるタイミングや経時的な変化、細胞間のばらつきなどを観察できます。
Etaluma社のLumascope(ルマスコープ)は、培養インキュベーター内に設置できるコンパクトな倒立型蛍光顕微鏡です。細胞を安定した培養環境から取り出すことなく、蛍光、明視野、位相差による画像やタイムラプス動画を取得できます。

遺伝子発現の観察で、このような課題はありませんか?
遺伝子発現を蛍光顕微鏡で観察する際には、次のような課題が生じることがあります。
培養細胞を観察のたびにインキュベーターから取り出している
発現の開始時点やピークを見逃してしまう
観察中の温度やCO₂濃度の変化が細胞に与える影響が気になる
GFP陽性細胞と陰性細胞の形態を比較したい
トランスフェクション後の発現効率を複数条件で比較したい
長時間のタイムラプス観察に高額で大型の装置が必要
共用顕微鏡の予約時間に合わせなければならない
多色蛍光と細胞形態を同じ視野で確認したい
Lumascopeをインキュベーター内に設置することで、培養環境を大きく変化させずに、数時間から数日にわたる遺伝子発現の変化を継続的に撮影できます。
蛍光レポーターを用いた遺伝子発現の観察
遺伝子発現の観察では、目的のプロモーターや遺伝子とGFP、RFP、mCherryなどの蛍光レポーターを組み合わせ、細胞から発生する蛍光シグナルを顕微鏡で検出する方法が広く利用されています。
この方法では、単一時点の画像だけでなく、タイムラプス撮影によって、発現シグナルがどのように変化するかを経時的に追跡できます。
Lumascopeは、青・緑・赤の3色蛍光に対応し、GFP、mCherry、DAPI、Hoechst、FITCなどの一般的な蛍光プローブや蛍光タンパク質を用いた観察が可能です。明視野または位相差画像と蛍光画像を組み合わせることで、発現シグナルと細胞形態の関係も確認できます。
遺伝子発現観察の主な用途
トランスフェクション効率の確認
GFPなどの蛍光レポーターを含むベクターを細胞へ導入し、蛍光陽性細胞の割合やシグナルの強さを観察します。
導入試薬、DNA量、細胞密度、処理時間などの条件を比較することで、トランスフェクション条件の最適化に活用できます。Lumascopeの公式アプリケーションでも、トランスフェクション効率の評価が用途の一つとして紹介されています。
発現開始から消失までの経時観察
タイムラプス撮影を利用することで、蛍光レポーターの発現開始、増加、ピーク、低下といった時間的変化を追跡できます。
薬剤添加や培養条件の変更前後で撮影を続ければ、刺激に対する遺伝子発現応答を時系列で比較できます。
細胞ごとの発現量のばらつきの観察
細胞集団全体の平均値だけでは、個々の細胞で生じている発現の違いを十分に把握できない場合があります。
蛍光顕微鏡画像を利用することで、同一視野内に存在する蛍光陽性細胞と陰性細胞、あるいはシグナル強度の異なる細胞を区別し、細胞集団の不均一性を評価できます。
遺伝子発現と細胞形態の比較
蛍光画像と明視野・位相差画像を組み合わせることで、遺伝子発現シグナルと次のような細胞状態を同じ視野で比較できます。
細胞の伸展や収縮
細胞増殖
コンフルエンス
細胞移動
細胞分化
コロニー形成
細胞死や形態変化
Lumascopeは蛍光観察に加えて明視野および位相差観察に対応しているため、蛍光シグナルだけでは判断しにくい細胞状態を形態情報と合わせて確認できます。
タンパク質の局在変化の観察
蛍光タンパク質との融合タンパク質や蛍光標識プローブを使用することで、目的タンパク質の細胞内局在や、刺激に伴う局在変化を観察できます。
多色蛍光を利用すれば、核、細胞骨格、目的タンパク質など、複数の構造やシグナルを同一サンプル内で比較することも可能です。
薬剤応答・遺伝子改変細胞の比較
コントロール細胞と遺伝子ノックダウン、ノックアウト、過剰発現細胞などを比較し、蛍光シグナルや細胞形態の違いを観察できます。
Etaluma社は、遺伝子発現を変化させた対照群と実験群について、Lumascopeで取得した蛍光画像を用いて細胞増殖の違いを評価した研究事例を紹介しています。
インキュベーター内で遺伝子発現を継続観察
従来の顕微鏡観察では、撮影のたびに培養容器をインキュベーターから取り出し、顕微鏡まで移動させる必要があります。
観察を繰り返すと、温度、CO₂濃度、湿度などの培養条件が変化し、細胞状態や実験結果に影響する可能性があります。また、観察間隔が長い場合には、重要な発現変化を捉えられないこともあります。
Lumascopeは、細胞培養インキュベーター、安全キャビネット、低酸素チャンバーなどの限られたスペースに設置できるコンパクトな設計です。培養容器を装置上に置いたまま撮影できるため、細胞の移動回数を抑えながら長期間のライブセルイメージングを実施できます。
タイムラプスで「結果」だけでなく「過程」を捉える
単一時点の観察では、「その時点で発現しているか」は確認できますが、発現がいつ始まり、どのように変化したかを判断することは困難です。
タイムラプス撮影では、設定した間隔で画像を自動取得し、次のような動態を記録できます。
発現開始までの時間
蛍光シグナルの増加速度
発現ピークの時間
発現が持続する期間
細胞分裂後の発現変化
刺激や薬剤添加後の応答
細胞移動と発現シグナルの関係
細胞ごとの発現タイミングの違い
Lumascopeの制御ソフトウェアでは、静止画、複数蛍光チャンネルの合成画像、タイムラプスシリーズ、タイムラプス動画、ライブ動画を取得できます。
遺伝子発現観察の基本的な流れ
1.蛍光レポーターを設計・導入
目的遺伝子やプロモーターに対応した蛍光レポーターコンストラクトを準備し、培養細胞へ導入します。
2.細胞を培養容器に播種
ディッシュ、フラスコ、スライド、マイクロプレートなど、実験に適した培養容器を使用します。
Lumascopeは、マイクロプレート、マイクロ流体チップ、スライド、ディッシュ、フラスコなど、さまざまなラボウェアに対応しています。
3.Lumascopeをインキュベーター内に設置
培養容器をLumascopeにセットし、観察位置、蛍光チャンネル、露光時間、撮影間隔などを設定します。
4.蛍光・明視野・位相差画像を取得
目的の蛍光シグナルと細胞形態を撮影します。長時間実験では、必要な時間間隔を設定してタイムラプス画像を取得します。
5.取得画像を解析
蛍光陽性細胞数、陽性細胞率、蛍光強度、細胞面積、細胞数、形態変化など、研究目的に応じて画像解析を行います。
実験に合わせて選べるLumascope
LS820:定点での長期観察に

LS820は、モーター駆動Zフォーカス、オートフォーカス、Zスタックに対応した3色蛍光顕微鏡です。
同じ視野を長時間観察する実験や、ディッシュ、フラスコ、スライド内の特定位置を継続撮影する用途に適しています。
想定される用途
GFP発現細胞の定点観察
発現開始時間の追跡
細胞分化と遺伝子発現の観察
薬剤添加前後のタイムラプス
細胞内局在のZスタック撮影
少数条件のトランスフェクション評価
LS850:複数条件・複数ウェルの自動観察に

LS850は、電動XYステージ、モーター駆動Zフォーカス、オートフォーカス、Zスタックを備えた全自動3色蛍光顕微鏡です。
複数のウェルや観察位置を自動的に移動しながら撮影できるため、複数条件の比較、マルチウェルプレート、広範囲のタイムラプス観察に適しています。
想定される用途
トランスフェクション条件の比較
薬剤濃度別の発現変化
複数ウェルの自動撮影
複数視野における発現率の評価
細胞集団の不均一性解析
中長期的な多点ライブセルイメージング
比較項目 | LS820 | LS850 |
|---|---|---|
蛍光観察 | 青・緑・赤の3色 | 青・緑・赤の3色 |
明視野・位相差 | 対応 | 対応 |
オートフォーカス | 対応 | 対応 |
Zスタック | 対応 | 対応 |
XYステージ | 手動 | 電動・自動 |
主な用途 | 定点・少数条件の観察 | 多点・複数ウェルの自動観察 |
Lumascopeが遺伝子発現観察に適している理由
インキュベーター内に設置できるコンパクト設計
細胞を培養環境から頻繁に取り出す必要がなく、長時間の観察を行いやすくなります。
3色蛍光と細胞形態を同一装置で撮影
青・緑・赤の蛍光に加えて、明視野と位相差観察に対応しています。発現シグナルと細胞形態を組み合わせた評価が可能です。
タイムラプス撮影に対応
数秒、数分、数時間、数日といった実験計画に応じて、経時的な画像を取得できます。
オートフォーカスによる長期撮影
LS820とLS850はモーター駆動フォーカスを搭載し、オートフォーカスやZスタック撮影に対応しています。長時間撮影時のフォーカス調整を自動化できます。
さまざまな培養容器に対応
マイクロプレート、ディッシュ、フラスコ、スライド、マイクロ流体チップなどを使用でき、既存の培養・アッセイ系へ導入しやすい設計です。
Lumascopeによる観察とqPCR・RNA-seqの違い
Lumascopeによる蛍光観察は、蛍光レポーターや蛍光標識を通じて、細胞の位置情報、形態、発現のタイミング、細胞ごとのばらつきを画像として捉える方法です。
一方、qPCRやRNA-seqは、サンプル中に含まれるRNA量や遺伝子発現プロファイルを測定する方法です。
蛍光レポーターのシグナルは、使用するプロモーター、レポーターコンストラクト、蛍光タンパク質の成熟時間や安定性などの影響を受けるため、必ずしも内在性mRNA量を直接示すものではありません。
そのため、研究目的に応じて、Lumascopeによる画像観察とqPCR、RNA-seq、ウェスタンブロッティングなどを組み合わせることで、時間的・空間的情報と分子量的な情報を相互に補完できます。
遺伝子発現の観察に関するよくある質問
LumascopeでGFPの発現を観察できますか?
はい。LS820およびLS850は緑色蛍光に対応しており、GFPやFITCなどの観察が可能です。赤色蛍光のmCherryや青色蛍光のDAPI、Hoechstなども観察できます。
蛍光シグナルを定量できますか?
Lumascopeで取得した画像を使用し、蛍光陽性細胞数、陽性細胞率、蛍光強度、細胞面積などを解析できます。
必要な解析方法やソフトウェアは、研究目的、蛍光プローブ、撮影条件によって異なります。再現性のある比較を行うためには、露光時間、ゲイン、照明強度などの撮影条件を統一することが重要です。
生きた細胞を観察できますか?
はい。Lumascopeはライブセルイメージングに対応しています。インキュベーター内に設置して、細胞を培養環境に維持したままタイムラプス撮影を行えます。
蛍光と位相差を同時に使用できますか?
同一の観察実験で蛍光画像と位相差画像を取得し、合成または比較することが可能です。蛍光シグナルと細胞形態を対応させたい実験に適しています。
トランスフェクション効率の評価に使用できますか?
使用できます。GFPなどのレポーター遺伝子を導入した細胞を撮影し、全細胞数に対する蛍光陽性細胞数の割合を解析することで、トランスフェクション効率の比較に活用できます。
長期間の撮影はできますか?
撮影間隔や保存容量などの条件を設定することで、数時間から数日間にわたるタイムラプス撮影が可能です。長期撮影では、細胞の培養条件に加えて、蛍光退色や光毒性を考慮して、照明強度や露光時間、撮影頻度を調整します。
どのモデルを選べばよいですか?
一つの視野や少数のサンプルを継続的に観察する場合はLS820、複数ウェルや複数位置を自動で撮影する場合はLS850が適しています。
実際の選定では、使用する培養容器、観察位置数、蛍光色素、対物レンズ、撮影間隔、実験期間などを確認します。
遺伝子発現観察に適した構成をご提案します
遺伝子発現の観察に必要な顕微鏡構成は、使用する蛍光レポーター、細胞種、培養容器、撮影期間、観察位置数、必要な倍率によって異なります。
オレンジサイエンスでは、Etaluma社Lumascopeの製品選定から、蛍光チャンネル、対物レンズ、位相差観察、タイムラプス撮影、多点観察まで、研究内容に合わせた構成をご提案します。
次のような情報をお知らせいただくと、より具体的なご案内が可能です。
観察対象となる細胞・組織
使用予定の蛍光タンパク質・蛍光色素
使用する培養容器
必要な倍率
撮影する視野数・ウェル数
撮影間隔と観察期間
定点観察または多点観察の希望
インキュベーター内での使用予定

etaluma社 ライブセルイメージングシステム Lumascope

エタルマのLumascope(ルマスコープ)は、優れた感度、解像度、ゼロピクセルシフトを備えた、半導体光学の新しいコンセプトで設計された、倒立型小型蛍光顕微鏡です。
そのコンセプトのデザインにより、インキュベーター、ドラフトチャンバーなどの限られたスペースの中で使用でき、幅広いラボウエアでのライブセルイメージングを可能にします。
LS820
LS820 は、現行のモデルにオートフォーカス機能が追加され、低コストでのオートフォーカス3色蛍光観察が可能になりました。ソフトウエアも新しくなり、より簡単に、高画質な画像データの取得ができます。
LS850
LS850 は、現行の自動XYステージのついたLS720全自動モデルの改良版です。新たな位相差技術により、位相差照明をコンパクトにし、オプションのタレットにより、4つの対物レンズを搭載することが可能となりました。
各モデルの詳細は下記からご確認下さい。


