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共培養キリングアッセイを、インキュベーター内で経時的に可視化

4 時間前
読了時間: 12分

免疫細胞が標的細胞を傷害する「過程」まで捉えるライブセルイメージング

共培養キリングアッセイでは、最終的にどれだけの標的細胞が死滅したかだけでなく、免疫細胞がいつ反応し、どのように標的細胞へ接近し、どのタイミングで細胞死が進行したかを捉えることが重要です。

Etaluma社のLumascope(ルマスコープ)は、培養インキュベーター内に設置できるコンパクトな倒立型蛍光顕微鏡です。T細胞、NK細胞、CAR-T細胞、CIK細胞などのエフェクター細胞と、がん細胞などの標的細胞を共培養したまま、蛍光・位相差・明視野によるタイムラプス観察を行えます。

培養環境からサンプルを繰り返し取り出すことなく、細胞傷害の開始、進行、持続性、標的細胞の再増殖までを連続的に観察。免疫細胞療法、抗体医薬、がん免疫、創薬スクリーニングにおける共培養キリングアッセイの理解を深めます。


抗がん研究のライブセルイメージングに使用するEtaluma Lumascope





共培養キリングアッセイとは

共培養キリングアッセイ(co-culture killing assay)は、標的細胞と、その細胞を傷害するエフェクター細胞を同じ培養系で共培養し、エフェクター細胞の細胞傷害活性を評価するアッセイです。

代表的な組み合わせには、次のようなものがあります。

  • がん細胞と細胞傷害性T細胞(CTL)

  • がん細胞とNK細胞

  • がん細胞とCAR-T細胞

  • がん細胞とCIK細胞

  • 抗体で処理した標的細胞とNK細胞を用いるADCC評価

  • 腫瘍スフェロイドやオルガノイドと免疫細胞を用いる2D・3D共培養モデル

LDH放出測定、フローサイトメトリー、プレートリーダーなどによる評価は、細胞傷害性を定量するうえで重要な手法です。一方、設定した時点の測定だけでは、細胞死の開始時期や速度、エフェクター細胞と標的細胞の空間的な相互作用、処理後の標的細胞の再増殖などを十分に把握できない場合があります。

ライブセルイメージングを組み合わせることで、従来のエンドポイント測定を補完しながら、共培養中に起こる変化を時間軸に沿って評価できます。



共培養キリングアッセイで、このような課題はありませんか

  • 終点測定だけでは、細胞死がいつ始まったのか分からない

  • 同じ最終値を示した条件でも、キリング速度や持続性の違いを区別できない

  • エフェクター細胞と標的細胞の接触や形態変化を確認したい

  • 顕微鏡観察のたびにプレートをインキュベーターから取り出したくない

  • 複数のE比、薬剤濃度、抗体濃度を同じ撮像条件で比較したい

  • 長時間の観察で、フォーカスずれや撮像位置のばらつきを抑えたい

  • 画像と定量データの両方を残し、結果の解釈力を高めたい

Lumascopeは、インキュベーター内でのタイムラプス撮像とマルチカラー観察により、これらの課題に対応します。



Lumascopeが共培養キリングアッセイに適している6つの理由

1. インキュベーター内で細胞を継続観察

コンパクトなLumascopeは、一般的な細胞培養インキュベーター内に設置できます。観察のたびに培養容器を外へ移動する必要がなく、温度やCO2などの培養環境を保ちながら長時間のライブセルイメージングを行えます。


2. 細胞傷害の時間的変化をタイムラプスで記録

数秒、数分、数時間、数日にわたる撮像スケジュールを設定できます。細胞死の開始時間、キリング速度、最大効果、効果の持続性、残存細胞の再増殖など、終点測定だけでは見えにくい動態を比較できます。


3. 3色蛍光・位相差・明視野を組み合わせて観察

青・緑・赤の3色蛍光に対応し、標的細胞、エフェクター細胞、細胞死指標などを実験設計に応じて識別できます。位相差または明視野を併用すれば、蛍光シグナルに加えて細胞の形態や分布も確認できます。

※使用する蛍光タンパク質・蛍光色素については、Lumascopeの励起・蛍光波長、スペクトルの重なり、生細胞への影響をご確認ください。


4. オートフォーカスとZスタックに対応

LS820とLS850はモーター駆動Z軸、画像ベースのオートフォーカス、Zスタック撮像に対応します。長時間観察中のフォーカス維持を支援し、厚みのある細胞集団や3D培養モデルの観察にも活用できます。

※3Dモデルの深部を含む定量では、サンプルの厚み、蛍光強度、対物レンズ、撮像条件、解析方法を含めた事前検証が必要です。


5. 多条件比較に対応する自動XYステージ

LS850は自動XYステージを搭載し、複数ウェルやウェル内の複数視野を繰り返し撮像できます。複数のE比、抗体・薬剤濃度、細胞ロット、処理条件を比較する共培養キリングアッセイに適しています。


6. 画像取得から解析まで柔軟に構成

付属のLumaViewProで、静止画、タイムラプス、動画、複数チャネル画像、Zスタックを取得できます。画像はTIFF、OME-TIFF、ImageJ Hyperstackなどで保存可能です。有償オプションのLumaQuantでは、細胞・核・粒子の検出や追跡、蛍光強度、形態、動きなどの解析に活用できます。アッセイ固有の定量指標や判定基準は、使用する細胞、標識方法、解析ソフトウェアに合わせて設定・検証します。



共培養キリングアッセイで評価できる項目

研究上の問い

評価指標の例

イメージングによる確認例

細胞傷害はいつ始まるか

細胞死シグナルの立ち上がり、time-to-effect

標的細胞と細胞死マーカーの経時変化

どの条件で速くキリングが進むか

キリング速度、曲線の傾き、AUC

条件別の時系列データ比較

E比で効果はどう変わるか

標的細胞数・面積、死細胞数、正規化生存率

複数E比の同一撮像条件での比較

効果は持続するか

最大効果、残存細胞、再増殖

数時間から数日にわたるタイムラプス

細胞同士がどう相互作用するか

接触、集積、移動、形態変化

位相差・明視野と蛍光画像の重ね合わせ

2Dと3Dで応答は異なるか

浸潤、空間分布、細胞死領域

複数焦点面やZスタックによる観察

測定可能な項目は、標識方法、培養モデル、倍率、撮像間隔、画像解析方法によって異なります。



共培養キリングアッセイの基本ワークフロー

STEP 1 実験条件と評価指標を設計

標的細胞、エフェクター細胞、E比、処理条件、観察期間、撮像間隔、主要評価指標を決定します。標的細胞のみ、エフェクター細胞のみ、陽性対照、陰性対照なども設定します。


STEP 2 標的細胞を準備・標識

標的細胞をプレート、ディッシュ、フラスコなどへ播種し、必要に応じて蛍光タンパク質または生細胞用蛍光色素で識別します。共培養前のベースライン画像も取得します。


STEP 3 エフェクター細胞と処理物質を添加

T細胞、NK細胞、CAR-T細胞、CIK細胞などを設定したE比で添加します。研究目的に応じて、抗体、候補化合物、サイトカインなどを加えます。


STEP 4 インキュベーター内でタイムラプス撮像

撮像位置、蛍光チャネル、露光、フォーカス、撮像間隔を設定し、共培養中の変化を継続的に記録します。LS850では複数ウェル・複数視野を自動巡回できます。


STEP 5 画像を定量し、キリング動態を比較

標的細胞数・面積、細胞死マーカー陽性数、蛍光強度、形態変化などを解析し、対照条件に対して正規化します。時系列曲線、AUC、time-to-effect、最大効果など、研究目的に適した指標で条件間を比較します。



再現性を高めるために確認したいポイント

項目

確認内容

コントロール

標的細胞のみ、エフェクター細胞のみ、未処理・溶媒対照、陽性対照を用意する

蛍光設計

単染色対照を設け、チャネル間の漏れ込み、標識安定性、細胞毒性を確認する

E比

1条件だけでなく複数比率を設定し、用量反応として比較する

撮像条件

シグナルが得られる範囲で露光と光量を抑え、光毒性と退色を評価する

撮像間隔

見逃したくない現象の速度と、総撮像回数のバランスを取る

プレート設計

技術反復・生物学的反復を確保し、蒸発やエッジ効果を考慮する

解析

セグメンテーション条件を固定し、目視確認と定量結果の整合性を検証する


オレンジサイエンスでは、観察対象、培養容器、蛍光色素、倍率、必要なスループットを伺い、機種や撮像構成の選定をサポートします。



研究目的に応じて選べるLumascope


LS850

LS820

推奨用途

複数ウェル・複数視野・多条件の比較

定点観察、少数条件での経時観察、アッセイ構築

XYステージ

自動

手動

Z軸

モーター駆動

モーター駆動

オートフォーカス

対応

対応

Zスタック

対応

対応

蛍光

青・緑・赤の3色

青・緑・赤の3色

透過光

位相差・明視野に対応する構成

位相差・明視野に対応する構成

主な選定ポイント

ウェル間・視野間の自動巡回と再現性

コンパクトさと定点タイムラプス

使用する培養容器、対物レンズ、位相差観察の構成、蛍光色素、必要な撮像点数により、適したモデルやオプションが異なります。詳しい仕様はお問い合わせください。



LS820:定点観察・オートフォーカス対応モデル





LS850:多点観察・自動XYステージ搭載モデル







がん細胞キリング研究でのLumascope使用例

Etaluma社が公開している論文リストには、旧世代のLumaScope model 600を使用し、CIK細胞による鼻咽頭がんおよび肝細胞がん由来のがん幹細胞様細胞への攻撃・傷害過程をタイムラプス撮像した研究が掲載されています。また、LumaScope 500は、ヒトγδT細胞とCD8陽性T細胞による乳がん幹細胞様細胞の標的化を扱った研究において、生細胞培養の撮影に使用されています。


CIK細胞による鼻咽頭がん由来のがん幹細胞様細胞の傷害

Cytokine-induced killer cells efficiently kill stem-like cancer cells of nasopharyngeal carcinoma via the NKG2D-ligands recognition

本論文では、LumaScope model 600を使用し、CIK細胞添加直後から、細胞は2分間隔で12時間、腫瘍スフェロイドは4分間隔で24時間撮像しています。


CIK細胞による肝細胞がん由来のがん幹細胞様細胞の認識と傷害

Recognition and killing of cancer stem-like cell population in hepatocellular carcinoma cells by cytokine-induced killer cells via NKG2D-ligands recognition

本論文でもLumaScope model 600を使用し、CIK細胞とがん細胞・腫瘍スフェロイドの相互作用をタイムラプス撮像しています。


ヒトγδT細胞とCD8陽性T細胞による乳がん幹細胞様細胞への相乗的な標的化

Synergistic targeting of breast cancer stem-like cells by human γδ T cells and CD8+ T cells

この論文ではLumaScope 500が生細胞培養の撮影に使用されています。


これらは旧モデルを使用した研究例ですが、Lumascopeシリーズが、免疫細胞とがん細胞の相互作用や細胞傷害を扱う研究に活用されてきたことを示しています。



共培養キリングアッセイの主な研究用途

  • T細胞・NK細胞・CAR-T細胞・CIK細胞の細胞傷害活性評価

  • ADCC活性の経時評価

  • がん免疫療法候補の比較

  • 抗体、候補化合物、サイトカインの併用評価

  • 免疫チェックポイント関連研究

  • 腫瘍細胞の残存・再増殖の追跡

  • 2D培養とスフェロイド・オルガノイドなどの3Dモデルの比較

  • 患者由来細胞や初代細胞を用いた共培養モデルの観察


※実施可能性や最適な構成は、細胞種、培養モデル、標識方法、必要な時間分解能・空間分解能によって異なります。



よくあるご質問

共培養キリングアッセイでは、なぜライブセルイメージングが必要ですか?

ライブセルイメージングを用いると、最終時点の細胞生存率だけでなく、細胞傷害が始まる時間、進行速度、最大効果、効果の持続性、残存細胞の再増殖を同じウェルで追跡できます。エンドポイント測定と組み合わせることで、結果をより多面的に解釈できます。


蛍光標識なしでもキリングアッセイを観察できますか?

位相差や明視野で形態変化を観察することは可能です。ただし、複数の細胞種が混在する共培養系で標的細胞を選択的に識別し、細胞死を定量する場合は、標的細胞の蛍光標識や細胞死マーカーを組み合わせる方法が一般的です。


T細胞やNK細胞以外にも使用できますか?

CAR-T細胞、CIK細胞、PBMCなど、さまざまなエフェクター細胞を用いる共培養系への応用が考えられます。適切な播種条件、E比、標識方法、撮像間隔は、細胞種ごとに検討が必要です。


ADCCアッセイにも使用できますか?

抗体で処理した標的細胞とNK細胞などを共培養し、標的細胞の減少や細胞死シグナルを経時観察する構成に応用できます。抗体濃度、E比、標識方法を含む条件最適化が必要です。


スフェロイドやオルガノイドも観察できますか?

Lumascopeはスフェロイドなどの3D培養モデルの観察にも活用でき、LS820とLS850はZスタックに対応します。ただし、厚い試料では深部のシグナル減衰や背景光の影響を受けるため、モデルの大きさ、蛍光標識、倍率、撮像・解析条件を事前に確認してください。


手持ちの蛍光タンパク質や蛍光色素を使用できますか?

Lumascopeは青・緑・赤の3色蛍光に対応し、GFP、mCherry、Hoechstなど複数の一般的な蛍光体を検出できます。実際の適合性は、各色素の励起・蛍光波長とLumascopeのフィルタープロファイルを照合して確認します。


LS850とLS820のどちらが適していますか?

マイクロプレートの複数ウェルやウェル内の複数視野を自動で比較したい場合は、XY自動ステージを搭載したLS850が適しています。定点を中心にタイムラプス撮像する場合や、少数条件でアッセイを構築する場合はLS820が候補になります。


取得した画像を定量解析できますか?

LumaViewProで取得した画像は、TIFF、OME-TIFF、ImageJ Hyperstackなどで保存できます。有償のLumaQuantでは、細胞、核、粒子の検出・追跡、蛍光強度、形態などを解析できます。目的に応じてImageJ/Fijiなどを用いる解析ワークフローも構築できます。


実際のサンプルで確認できますか?

デモ機貸出についてご相談いただけます。観察したい細胞、培養容器、蛍光色素、撮像期間、ウェル数などをお知らせください。



共培養キリングアッセイのライブセル解析をご相談ください

共培養キリングアッセイでは、細胞種や研究目的によって、適切なE比、蛍光標識、培養容器、対物レンズ、撮像間隔、解析方法が異なります。


オレンジサイエンスでは、Etaluma Lumascopeの機種選定だけでなく、実際の観察対象と研究計画を踏まえた撮像構成をご提案します。T細胞・NK細胞によるがん細胞キリング、CAR-T細胞の機能評価、ADCC、2D・3D共培養モデルなどをご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。



Etaluma社のLS850








etaluma社 ライブセルイメージングシステム Lumascope


Etaluma Lumascope

 エタルマのLumascope(ルマスコープ)は、優れた感度、解像度、ゼロピクセルシフトを備えた、半導体光学の新しいコンセプトで設計された、倒立型小型蛍光顕微鏡です。


 そのコンセプトのデザインにより、インキュベーター、ドラフトチャンバーなどの限られたスペースの中で使用でき、幅広いラボウエアでのライブセルイメージングを可能にします。


LS820


LS820:定点観察・オートフォーカス対応モデル

LS820 は、現行のモデルにオートフォーカス機能が追加され、低コストでのオートフォーカス3色蛍光観察が可能になりました。ソフトウエアも新しくなり、より簡単に、高画質な画像データの取得ができます。


LS850


LS850:多点観察・自動XYステージ搭載モデル

LS850 は、現行の自動XYステージのついたLS720全自動モデルの改良版です。新たな位相差技術により、位相差照明をコンパクトにし、オプションのタレットにより、4つの対物レンズを搭載することが可能となりました。 





各モデルの詳細は下記からご確認下さい。









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