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3軸試験・多軸試験の装置選定|CellScale UniVertによる材料評価

3 時間前
読了時間: 13分

引張・圧縮から複合負荷へ。生体材料・軟組織の研究に合わせて、試験構成を選ぶ。

3軸試験を検討するときは、「どの方向に負荷を加えるか」「何を制御するか」「何を測定するか」を明確にすることが、装置選定の出発点です。試料に異なる負荷を組み合わせたい場合と、表面の複数位置を測定したい場合では、必要な機能が異なります。

CellScale社のUniVertは、1軸の引張・圧縮試験を基本とする卓上型の材料試験装置です。対応モデルとオプションによって多軸試験へ拡張でき、生体材料、軟組織、ハイドロゲルなどの研究に活用できます。

オレンジサイエンスでは、試料の形状、想定荷重、必要な負荷条件に合わせて、UniVertのモデルとオプション構成をご相談いただけます。



CellScale社UniVert






3軸試験とは?まず「軸」の意味を整理する

「3軸試験」という言葉は、研究分野や装置によって示す内容が異なります。材料の三方向への載荷、異なる負荷モードを組み合わせる多軸試験、XYZ座標での位置決めは、それぞれ目的と仕組みが異なります。

試験装置を比較する際は、軸数の表示に加えて、各軸の動作、制御対象、測定対象を確認します。

試験・機能

内容

装置選定で確認すること

1軸試験

一方向に引張または圧縮負荷を加える

荷重範囲、変位、試料固定方法

三方向への独立載荷

直交する三方向などに、それぞれ負荷を加える

各方向の駆動機構・センサー・独立制御の有無

多軸・複合負荷試験

軸方向の負荷に、せん断、ねじり、内圧などを組み合わせる

使用できる負荷の組み合わせと同期条件

XYZ位置決めによる測定

測定位置を移動し、複数点で試験する

位置決め範囲、測定点間隔、各点の試験条件

3点曲げ試験

二つの支持点で試料を支え、一つの負荷点で曲げる

支点間距離、試料寸法、曲げ治具

3点曲げの「3」は支持点と負荷点の数を表します。UniVertの3点曲げ治具と、多軸制御のためのオプションは、用途に応じて選択します。



土質・岩石分野の三軸圧縮試験との違い

土質・岩石分野の三軸圧縮試験では、供試体の周囲に拘束圧を加えながら軸方向に圧縮し、強度や変形特性を評価します。圧力室、セル圧の制御、排水条件などが試験の重要な要素です。

UniVertの多軸オプションを検討する際は、生体材料に対するせん断・ねじり・内圧負荷と、地盤材料に対する三軸圧縮試験を区別する必要があります。拘束圧を用いる試験や、三方向の応力を独立に制御する試験を計画している場合は、必要な機構を具体的に示して適合性をご相談ください。



多軸・複合負荷で何を評価できるのか

生体材料の研究では、引張に対する応答だけでなく、圧縮、滑り、ねじり、内圧に対する応答が評価対象になります。例えば、接着された材料の界面にはせん断負荷、細長い試料にはねじり負荷、管状試料には内圧負荷を加える試験を検討できます。

評価したいのが「単独の負荷に対する材料の応答」なのか、「別の負荷を加えた状態での応答の変化」なのかによって、試験設計は変わります。複合負荷を扱う場合には、負荷の大きさだけでなく、加える順序、保持時間、周期、軸間の同期条件も記録すると、比較条件を明確にできます。

単軸試験で基礎的な応答を把握し、研究課題に合わせて必要な負荷を追加することで、評価目的に合った実験を設計できます。



UniVertの3軸測定・多軸試験に対応する構成

UniVertは、引張・圧縮試験を中心に、治具やオプションを組み合わせて測定用途を広げられる装置で、モデル・オプションにより3軸での測定に対応します。また、Multi-Axis Capable Upgradeの拡張で、せん断、ねじり、加圧試験にも対応します。これらの試験では、対応する追加機構や治具が必要です。

導入時には、必要な3軸構成について、各軸の役割、使用するセンサー、制御方法、同時に使用できるオプションを確認します。目的の試験波形や試料の固定方法も含めて検討することで、必要な構成を絞り込めます。



研究目的に応じて選ぶ試験・オプション

評価したい内容

検討する試験・機能

構成の考え方

伸ばす・押す負荷への応答

引張・圧縮試験

試料に合うグリップ、圧縮板、力センサーを選ぶ

滑りや接着界面への応答

せん断試験

せん断軸や専用治具を、評価する界面・試料形状に合わせる

回転変形への応答

ねじり試験

ねじり軸、固定治具、トルクと角変位の測定構成を選ぶ

管状試料の膨張への応答

加圧・内圧試験

圧力軸、管状試料の固定・接続、必要な画像計測を検討する

表面の位置ごとの力学応答

XYステージによる多点測定

測定位置を自動で移動し、各点で同じ試験を行う

せん断試験は、材料表面に平行な負荷や界面の滑りへの抵抗を調べる方法です。ねじり試験は、回転変形に対するトルク応答を調べます。ねじり軸を備えたUniVertについて、軸方向負荷とねじりを組み合わせる構成もあります。

加圧試験では、管状試料などに内圧を加え、圧力に伴う変形を評価します。軸方向の伸長と内圧を組み合わせる実験では、専用の固定方法や制御構成を検討します。


XYステージは、測定位置を広げるためのオプション

XYステージは、UniVertにX・Y方向の自動位置決めを追加し、試料表面やウェルプレートの複数位置で測定するためのオプションです。押込み試験などを決められた位置で繰り返すことで、位置ごとの力学応答を比較できます。

XYZの位置決めと、三方向から試料へ独立に負荷を加えることは、別の機能です。「3軸で何をしたいか」を明確にすると、多点測定が必要なのか、複合負荷が必要なのかを整理できます。



生体材料・軟組織の測定を支えるUniVertの機能

想定荷重に合わせて力センサーを選択

小さく柔らかい試料では、最大荷重への対応に加えて、測定したい小さな荷重変化を捉えられることが重要です。UniVertでは、モデルと想定荷重に応じて力センサーを選択できます。超低荷重の測定には、Eclipseフォースセンサーを用いる構成もあります。

センサーの選定では、試験中の最大荷重と必要な感度の両方を検討します。破断試験、繰返し試験、治具の取り付け時などに生じる荷重も考慮し、適切な余裕を設けます。


超低荷重の測定には、Eclipseフォースセンサーを用いる構成もあります


液中・温度制御下での試験

ハイドロゲルや軟組織の力学応答は、含水状態や温度の影響を受けます。UniVertでは液中測定用バスを用いる構成があり、温度を管理しながら試験することができます。

比較実験では、使用液、温度、浸漬時間、試験前の平衡化条件をそろえます。多軸オプションと液中測定を併用する場合は、治具の配置、駆動部、観察方向を含めて構成を確認します。

液中・温度制御下での試験


画像によるひずみ計測・ストレインマッピング

試験機の移動量には、試料そのものの変形に加え、固定部の滑りや治具の変形が含まれる場合があります。Scientific Imaging Systemは、画像に基づくひずみ計測やストレインマッピング、ひずみ制御試験のためのオプションです。

観察したい領域を設定して変形を追跡することで、荷重データと試料の変形を関連づけて評価できます。ねじりや大きな変形を伴う試験では、観察面の回転、視野外への移動、面外変形を考慮し、カメラと解析方法を選びます。


画像によるひずみ計測・ストレインマッピング


研究で検討できる評価設計

以下は、UniVertの試験機能をもとに組み立てた評価設計の例です。試料に適した負荷モードを選び、必要に応じて組み合わせを検討します。

研究対象

評価したいことの例

検討する試験

ハイドロゲル・スキャフォールド

配合・架橋条件による変形応答の違い

引張・圧縮、せん断、位置ごとの押込み測定

腱・靭帯、繊維状の人工組織

伸長への抵抗と、ねじりを加えた場合の応答

引張、ねじり、軸方向負荷とねじりの組み合わせ

軟骨・層状の生体材料

圧縮に対する応答や、層間・界面の滑りへの抵抗

圧縮、せん断

血管・管状スキャフォールド

内圧による膨張と軸方向伸長の関係

加圧・内圧試験、軸方向負荷との組み合わせ

柔軟なポリマー・医療機器用部材

変形モードによる応答の違いや繰返し負荷後の変化

引張・圧縮、ねじり、繰返し試験

例えば、繊維状の試料を評価するなら、まず軸方向の荷重–変位応答を取得し、ねじり条件を変えたときの応答と比較する設計が考えられます。接着界面を評価するなら、界面の面積と負荷方向を定め、滑りや剥離が起きる位置も観察対象にします。

材料や形状が異なる群を比較する際は、固定部での破損、治具との接触、試料の寸法差が結果に与える影響も確認します。



測定データから求める評価指標

多軸試験では、装置が記録する量と、試料の寸法・形状などを使って算出する量を区別すると、結果を解釈しやすくなります。

負荷モード

取得するデータの例

解析する指標の例

引張・圧縮

荷重、変位、時間、必要に応じて画像によるひずみ

荷重–変位剛性、応力–ひずみ関係、破断・損傷時の応答

せん断

せん断方向の力、相対変位、時間

せん断応力、界面強度、滑りや層間剥離の挙動

ねじり

トルク、角変位、時間

トルク–角変位関係、ねじり剛性、回転変形への抵抗

加圧

内圧、時間、画像などで取得した径・形状変化

圧力–径関係、膨張特性、圧力変化に対する変形の程度

繰返し負荷

各サイクルの荷重・変位など

剛性の変化、残留変形、ヒステリシス、損傷の進行

これらは各試験法で検討できる指標の例です。取得できるデータはセンサーや画像計測の構成に、算出できる指標は試料形状や解析条件に依存します。

例えば、公称応力は荷重を初期断面積で割って求めます。一方、荷重–変位曲線の勾配として求める剛性は試料の寸法や構造にも依存するため、材料の弾性率とは区別します。非線形材料では、弾性率を評価するひずみ範囲と、接線・割線などの算出方法も明記すると、比較条件が伝わりやすくなります。

複合負荷の試験では、各データに共通の時間軸を持たせ、どの負荷条件で変形や損傷が起きたかを整理します。



3軸試験・多軸試験の導入を進める5ステップ

1. 研究上の問いと負荷条件を決める

「ねじりを加えると引張応答がどう変わるか」「内圧と伸長の関係を調べたい」など、評価したい関係を具体化します。三方向への独立載荷が必要な場合は、その方向と制御対象も定めます。


2. 試料の形状と想定測定範囲を整理する

寸法、厚さ、断面形状、含水状態、固定可能な領域をまとめます。荷重に加え、必要に応じてトルク、回転角、圧力、変位、試験速度の範囲を示します。


3. 対応モデル・オプション・治具を選ぶ

必要な軸とセンサー、同時に使用するオプション、液中測定や画像計測の要否を整理します。標準治具で固定しにくい試料については、専用治具やカスタム構成を検討できます。


4. 予備試験で固定・計測条件を確認する

試料の滑り、固定部での損傷、偏心、圧縮板の接触状態などを確認します。複合負荷を加える前に、単独負荷でのデータを取得しておくと、条件変更の影響を比較しやすくなります。


5. 比較条件と解析方法をそろえる

試料寸法、温度、試験前の処理、負荷の順序、保持時間、サイクル数、解析範囲をそろえます。損傷の判定基準と、測定が成立しなかった場合の扱いも決めておくと、群間比較を進めやすくなります。



3軸試験・UniVertに関するよくある質問

UniVertは標準構成で3軸試験ができますか?

UniVertの基本構成は1軸の引張・圧縮試験用です。モデル・オプションにより3軸測定に対応します。ご希望の各軸の役割、必要なセンサー、同時制御の条件を整理したうえで、モデルとオプション構成をご相談ください。


引張・圧縮・3点曲げの3種類が「3軸試験」ですか?

試験の種類と、装置の制御軸数は別の概念です。引張と圧縮は、同じ軸方向の負荷でも実施できます。3点曲げは試料を二点で支えて一点で負荷を加える試験であり、三方向への独立載荷とは区別します。


引張とねじりを同時に加えられますか?

ねじり軸を備えたUniVertで、軸方向負荷とねじりを組み合わせる構成を設定できます。実施する荷重、トルク、回転角、速度、同期条件と、試料を保持する治具を含めて構成を確認します。


XYステージを追加すると三方向の力を測定できますか?

XYステージの主な用途は、X・Y方向の自動位置決めによる多点測定です。位置決め機能と、三方向の力を独立に計測する機能は区別します。各方向の力の取得が必要な場合は、対応するセンサーと試験機構をご相談ください。


液中測定や画像計測と組み合わせられますか?

UniVertには液中測定用バスと画像計測のオプションがあります。希望する負荷モードとの併用については、試料・治具・追加軸・カメラの配置を含めて確認します。画像解析では、測定したいひずみ成分と観察方向も明確にします。


ハイドロゲルや小さな軟組織にも適していますか?

UniVertは、ハイドロゲルや軟組織などの力学評価を対象としています。試料の大きさと想定荷重に合わせて、力センサーと固定方法を選びます。非常に柔らかい試料では、試料を損傷せずに保持できることと、低荷重で必要な感度を得られることを確認します。また、マイクロスケールの測定にはCellScale社 MicroTesterの活用も検討できます。


土や岩石の三軸圧縮試験にも対応しますか?

土質・岩石分野の三軸圧縮試験は、拘束圧を加える圧力室などを使用する試験です。UniVertの3軸測定・多軸オプションという名称だけでは、これらの試験への適合性を判断できません。対象材料、拘束圧、排水条件、必要な規格や測定量を示してご相談ください。



試料と研究目的に合わせたUniVertの構成をご相談ください

3軸試験・多軸試験の導入では、軸数とあわせて、必要な負荷の組み合わせ、測定感度、固定方法、試験環境を選ぶことが重要です。

オレンジサイエンスでは、大学・企業・研究機関の皆様を対象に、導入前の技術相談、お見積り、アプリケーションの検討を承っています。

ご相談の際は、次の情報をお知らせください。

  • 試料の種類、形状、寸法、含水状態

  • 必要な負荷モードと、同時に加えたい負荷の組み合わせ

  • 想定する荷重、トルク、圧力、変位などの範囲

  • 試験速度、保持時間、繰返し条件

  • 液中測定・温度制御・画像計測の要否

  • 取得したいデータと評価指標



UniVertによる筋腱接合部と足場材料の力学評価









製品のご紹介


CellScale社 UniVert/卓上 引張・圧縮・3点曲げ試験機

生体サンプルから工業製品の試験に



UniVert



 CellScale社のUniVertは、生体サンプルなどのバイオマテリアル試験に最適です。クリップやプレートなど様々なアタッチメントに対応し、生体組織、ゲル、フィルム、ファイバーなどの多様なサンプルでの強度測定に優れています。


 圧縮、引張、3点曲げなどのモードがあり、ロードセルは着脱式で、0.02N~1000N(*モデル・組み合わせによる)での測定が可能です。また、オプションのバスを取り付けることにより、横型、縦型での液中での測定も可能です。







MicroTester

マイクロスケール圧縮強度測定装置

MicroTesterはマイクロスケール生体サンプルや微粒子の粘弾性測定に特化した粘弾性測定装置です。

 

1㎜以下径のビーム(カンチレバー)とプレートで直接サンプルに接触して、非破壊で約0.005~500µNの粘弾性試験が可能です。生体サンプルの試験に特化し工業用の試験機では実現できないコンパクトさ、試験レンジを実現し、精度の高い試験・解析が可能となりました。チャンバー前方に取り付けられた高解像度カメラにより、サンプルの変位の画像解析も可能です。



MicroTester





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Mechano Cultureシリーズ




STREX/ストレックス社

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