top of page

生体外培養による腫瘍組織解析

  • 16 時間前
  • 読了時間: 10分

Precisionary Compresstomeが実現する次世代の機能的薬剤評価


近年、がん研究および個別化医療の分野において、患者由来の腫瘍組織を生存状態のまま解析する「生体外培養(ex vivo)」が注目を集めています。従来の固定標本や遺伝子解析だけでは捉えきれなかった「実際の薬剤応答」を、より生理学的に近い状態で評価できる点が評価され、前臨床試験や臨床意思決定の加速につながる技術として期待されています。


本ページの内容は、Precisionary社のウェビナー 「A Living Ex Vivo Platform for Functional Drug Screening of Patient Tumor Tissues」 の内容をもとに構成されています。


本ウェビナーでは、機能的精密医療の最前線で研究を進めるDr. Andrew Satterlee氏が、以下のテーマについて解説しています。

  • 患者由来腫瘍組織を用いた機能的薬剤評価の重要性

  • 生体外で組織構造を維持する培養技術(OBSC)

  • 従来のビブラトームと比較した組織切片技術の違い

  • 多臓器への応用可能性と今後の展望


本ページでは、このウェビナーの内容をベースに、

  • 生体外培養(ex vivo)の基本概念

  • 腫瘍組織解析における技術的課題

  • Precisionary Compresstomeがどのようにそれらを解決するのか

  • 機能的精密医療における実用的な価値

について、整理・解説します。



ウェビナー動画

以下の動画では、実際の研究背景や技術詳細について確認できます。




生体外培養(ex vivo)とは

生体外培養(ex vivo)とは、患者から採取した組織を体外で生存状態のまま維持し、機能的な解析を行う手法です。


従来のがん研究では、以下のアプローチが主流でした。

  • 固定・染色した組織スライドによる形態観察

  • 遺伝子解析による分子プロファイリング

  • 細胞株を用いたin vitro実験


しかしこれらには共通の課題があります。

  • 腫瘍微小環境(TME)が再現されない

  • 細胞間相互作用が失われる

  • 実際の薬剤応答を正確に反映しない


こうした課題を解決するアプローチとして、近年注目されているのが患者由来腫瘍組織の生体外培養による機能的薬剤評価(functional drug testing)です。



なぜ「腫瘍組織の生体外培養」が重要なのか

ウェビナーで紹介されている通り、機能的精密医療(functional precision medicine)は以下の点で重要です。


1. 前臨床試験の加速

  • 実際の患者組織を用いることで、薬剤の有効性をより早く・現実に近い形で評価可能

2. 個別化医療の高度化

  • 患者ごとに異なる腫瘍特性を反映した治療選択の最適化

3. 生理学的妥当性の維持

  • 組織構造・細胞構成を保持したまま解析できるため、従来モデルより高い再現性を確保



OBSC(Organotypic Brain Slice Culture)とは

ウェビナーでは、脳腫瘍研究における重要な技術としてOrganotypic Brain Slice Culture(OBSC)が紹介されています。


OBSCの特徴

  • 未培養の患者腫瘍組織をそのままスライス

  • 組織構造を維持したまま培養

  • 薬剤投与後の応答を直接観察


これにより、以下が可能になります。

  • 腫瘍のリアルな薬剤反応評価

  • 細胞間相互作用を維持した解析

  • 短期間での治療スクリーニング



Precisionary Compresstome(コンプレストーム)の役割

こうした生体外培養を成立させる上で最も重要なのが「高品質な組織スライスの作製」です。


ここで重要な役割を果たすのが Precisionary社の Compresstomeです。


Precisionary Compresstome(コンプレストーム)

Compresstomeが実現する高精度な組織スライス

Compresstomeは、従来のビブラトームとは異なるアプローチで生体組織を高品質に切片化します。


主な特徴

1. 組織の変形・損傷を最小化

  • 独自の支持構造により組織を安定化

  • 柔らかい腫瘍組織でも形状を維持

2. 均一で再現性の高いスライス

  • 一定厚の切片を安定して作製

  • 実験間のばらつきを低減

3. 生存性の高い組織切片

  • 細胞生存率の高い状態を維持

  • 長時間の培養・薬剤試験に適応



Compresstomeと従来ビブラトームの違い

項目

Compresstome

従来ビブラトーム

組織固定

チューブ内で安定化

外部固定のみ

柔らかい組織

高精度に対応

変形・崩壊しやすい

再現性

高い

ばらつきあり

生存性

高い

低下しやすい

特に腫瘍組織や脳組織などの柔らかいサンプルにおいて、Compresstomeは明確な優位性を持ちます。



多臓器への応用:生体外培養の拡張

ウェビナーでは、脳腫瘍に限らず

  • 他臓器由来組織

  • 患者由来サンプル

  • 細胞株由来組織

への応用も進んでいることが示されています。


Compresstomeにより

  • 多様な組織から「生きたスライス」を作製

  • 共通プラットフォームで薬剤評価

  • 研究のスケーラビリティ向上

が可能になります。



機能的精密医療を支える統合プラットフォーム

本ウェビナーで紹介されたアプローチは以下の統合です。

  • 生体外培養(ex vivo)

  • 高精度組織スライス(Compresstome)

  • 多変量解析アルゴリズム


これにより:

  • 迅速な薬剤スクリーニング

  • 臨床意思決定へのフィードバック

  • 前臨床〜臨床の橋渡し

が実現されます。



Compresstomeがもたらす研究価値

Precisionary Compresstomeは、単なるスライサーではなく

  • 生体外培養の基盤技術

  • 機能的薬剤評価のコアツール

  • 個別化医療を加速する装置

として位置づけられます。


特に以下の研究者に適しています。

  • 腫瘍組織の薬剤応答を評価したい

  • 生理学的に意味のあるモデルを構築したい

  • 再現性の高いスライスを必要とする



Precisionary社 Compresstome


Precisionary社 Compresstome

生体外培養(ex vivo)を活用した腫瘍組織解析は、近年のがん研究および機能的精密医療において重要性を増しています。患者由来の腫瘍組織を生存状態のまま維持し、実際の薬剤応答を評価するためには、組織構造と細胞生存性を損なわない高品質なスライス作製が不可欠です。


このような高度な研究ニーズに対応するソリューションとして注目されているのが、Precisionary社のCompresstomeです。


Precisionary社のCompresstomeは、従来のビブラトームでは難しかった柔らかい腫瘍組織の安定した切片化を可能にし、生体外培養に適した高再現性のスライスを提供します。独自の組織支持構造により、切断時の変形や損傷を最小限に抑えながら、均一な厚みの切片を安定的に作製できる点が大きな特長です。


これにより、腫瘍組織本来の微小環境や細胞間相互作用を維持したまま培養・解析が可能となり、機能的薬剤評価の精度向上に貢献します。また、再現性の高いスライスは実験間のばらつきを抑制し、研究データの信頼性向上にも寄与します。


さらに、Precisionary社のCompresstomeは脳組織に限らず、さまざまな臓器由来のサンプルにも対応可能であり、腫瘍組織を用いた生体外培養の応用範囲を大きく拡張します。これにより、前臨床研究から個別化医療まで、一貫した研究基盤の構築を実現します。

生体外培養と腫瘍組織解析の高度化を目指す研究現場において、Precisionary社のCompresstomeは、単なる組織スライサーではなく、次世代の機能的精密医療を支える基盤技術として導入価値の高いソリューションといえるでしょう。







よくあるご質問(FAQ)

生体外培養(ex vivo)とは何ですか?

生体から採取した組織を体外で生存状態のまま維持し、機能的解析を行う手法です。腫瘍組織の薬剤応答評価において重要なアプローチです。


なぜ腫瘍組織をそのまま使う必要があるのですか?

細胞株や固定組織では再現できない腫瘍微小環境や細胞間相互作用を保持できるため、より実臨床に近い結果が得られます。


Compresstomeは何が優れているのですか?

柔らかい組織でも変形を抑えて均一なスライスを作製できるため、生存性と再現性の高い組織切片を得ることができます。


ビブラトームとの違いは何ですか?

Compresstomeは組織を内部で安定化する構造を持ち、従来のビブラトームよりも損傷が少なく、高品質なスライスを作製できます。


どのような研究に適していますか?

腫瘍研究、脳科学、薬剤スクリーニング、個別化医療研究など、生体組織の機能を維持した解析が必要な分野に適しています。









組織切片作製ソリューション


Precisionary社のビブラトームを使用して、組織研究用の健康で生存可能な組織スライスを作成します。



組織切片作製ソリューション


組織研究のための高品質で生存可能な組織スライスの入手

Precisionary Instruments 社のビブラトームは、サンプルの生理学的完全性を維持する正確で生存可能な組織切片を作成するように設計されており、下流の解析において最も信頼性の高いデータを確保します。


高精度振動ミクロトーム

Compresstome® VF-510-0Z は、サンプルの生存性と健全性を保ちながら、薄い組織スライスを作成するように設計されており、脳や肺の組織研究に理想的です。この完全自動システムは、研究で正確な結果を得るために重要な、組織切片の生理的完全性を確実に維持します。


アプリケーション

VF-510-0Zは、正確で迅速な切片作製を実現し、組織・細胞の健全性を保ちながら、組織研究のための最高品質の結果をサポートします。







アプリケーション


実験別


臓器


動物モデル



関連コンテンツ





Compresstome©ビブラトームの利点


アガロース包埋

アガロース包埋とは、Compresstome©振動型マイクロトームで組織切片を切り出す前に、組織試料をアガロース溶液で包埋することです。切片作製にかかる時間はほんのわずかで、より健康的で滑らかな組織スライドを作製できます。


Auto Zero-Z®テクノロジー

振動ヘッドは、Z軸方向の振動をなくすように正確に調整されています。Auto Zero-Z®テクノロジーは、生きた組織サンプルの表面細胞へのダメージを軽減し、薄切片のチャタリングを低減してイメージング結果を向上させます。


豊富なアプリケーション例

Precisionary社は、20年近くにわたり組織スライス装置を専門に扱ってきた会社です。免疫組織学や組織切片の培養、電気生理学や植物研究など、幅広いアプリケーションと引用実績があります。








関連製品


flexiVent

肺機能測定・解析

flexiVent肺機能測定・解析ソリューションは、in vivo呼吸力学測定のゴールドスタンダードとして広く知られています。従来の肺換気の抵抗とコンプライアンス力学を超え、中枢気道、末端気道、実質の力学的特性に関する重要な詳細を測定・解析します。

flexiVentは実験条件を精密にコントロールすることで、最高の感度と再現性を実現しています。

オレンジサイエンスはemka TECHNOLOGIESの日本総代理店であり、日本国内においてemka TECHNOLOGIES社との唯一の取引窓口です。



flexiVent




vivoFlow+

呼吸機能解析

vivoFlow+は無拘束での呼吸機能解析装置です。全身、ヘッドアウト、ダブルチャンバーでの呼吸機能解析を提供します。


プレチスモグラフィは、意識のある自発呼吸の実験室被験者の肺機能を研究するための標準的な方法です。気圧脈波法では、被験者が呼吸している間、薬物やその他の刺激にさらされる前後に生じる流量と圧力の変化を測定します。さまざまな被験者のサイズやタイプに容易に適応でき、被験者を連続した実験日に何時間も研究する縦断的研究によく使用されます。



vivoFlow+




Etaluma Lumascope

インキュベーター内で使用できる3色蛍光ライブセルイメージング蛍光顕微鏡

EtalumaのLumascope(ルマスコープ)は、優れた感度、解像度、ゼロピクセルシフトを備えた、半導体光学の新しいコンセプトで設計された、倒立型小型蛍光顕微鏡です。日々顕微鏡を使用する科学者によって考案、設計され、そのコンセプトデザインにより、インキュベーター、ドラフトチャンバーなどの限られたスペースの中で使用でき、幅広いラボウエアでのライブセルイメージングを可能にします。


多点観察モデル、定点観察モデルがあり、様々な観察シーンに対応できます。



Etaluma Lumascope





その他の製品は下記からご覧ください




オレンジサイエンス

bottom of page