ヒト組織切片を高精度に作製
- 6 日前
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新鮮・固定組織に対応する振動ミクロトーム Compresstome®

ヒト組織切片は、疾患メカニズムの解明、薬剤評価、神経科学、がん研究、移植研究、組織学的解析など、幅広い研究分野で利用されています。
一方、ヒト由来組織は入手できる量が限られているだけでなく、組織の大きさ、硬さ、線維化の程度、病変部位などに個体差があります。貴重な試料から再現性の高いデータを得るには、切片作製時の圧縮や変形、表面細胞へのダメージを抑えることが重要です。
Precisionary社のCompresstome®は、組織をアガロースで支持しながら高周波振動するブレードで切断する振動ミクロトームです。未固定の新鮮組織から固定組織、大型のヒト組織試料まで、研究目的に応じた切片作製を支援します。

ヒト組織切片の品質が研究結果を左右します

ヒト組織を使用した研究では、切片の品質が、その後の観察や測定結果に大きく影響します。
切片作製時に組織が押しつぶされたり、ブレードの上下振動によるチャターマークが発生したりすると、細胞や組織構造が損傷する可能性があります。特に電気生理学、スライス培養、ライブイメージングなどでは、組織構造だけでなく細胞の生存性や機能を維持することも重要です。
ヒト組織切片の作製では、次のような課題があります。
軟らかい部分と線維性の高い部分が混在している
試料ごとに硬さや状態が異なる
貴重な試料を無駄にできない
切片の厚さや表面状態を均一に保ちにくい
大型試料を一般的な振動ミクロトームに固定できない
新鮮組織では細胞生存性への配慮が必要
固定や凍結による組織変化を避けたい場合がある
Compresstome®は、組織を支持しながら切断する独自の仕組みにより、このようなヒト組織の切片作製をサポートします。
Compresstome®によるヒト組織切片作製の特長
アガロース包埋で組織を安定させて切断
Compresstome®では、切片作製前に組織試料を低融点アガロースなどで包埋します。
アガロースが組織の周囲を支持することで、ブレードが試料に接触した際の押し出し、傾き、変形を抑えます。軟らかい組織や形状を維持しにくい試料でも安定した状態で切断しやすくなり、滑らかで均一な組織切片の作製に役立ちます。
Auto Zero-Z®テクノロジー
切断ブレードにZ軸方向の不要な上下振動があると、切片表面のチャタリングや表面細胞の損傷につながる場合があります。
Compresstome®のAuto Zero-Z®テクノロジーは、Z軸方向の振動を抑えるよう振動ヘッドを調整します。切片表面へのダメージを抑え、イメージング、免疫組織化学、電気生理学などに使用する切片の安定した作製を支援します。
新鮮組織と固定組織の両方に対応
Compresstome®は、未固定の新鮮組織と固定組織の両方に対応します。
凍結せずに切片を作製できるため、生細胞を含む組織切片、急性脳スライス、組織スライス培養などへの利用が可能です。固定組織では、組織構造を維持した厚切り切片の作製にも利用できます。
大型のヒト組織にも対応
大型モデルのVF-800-0Zは、標準で直径100mmまでの試料に対応します。肝臓、肺、心臓、大型脳組織など、一般的な振動ミクロトームでは設置が難しい試料の切片作製に適しています。
大型試料を一度にセットできるだけでなく、複数の試料を同時に配置するハイスループット切片作製にも活用できます。
再現性を重視した自動切片作製
VF-510-0ZおよびVF-800-0Zは、切断と厚み送りを自動化したモデルです。
切断速度や振動数などの条件を調整し、同じ条件で繰り返し切片を作製できます。作業者によるばらつきを抑え、複数試料を使用する比較研究や長期的な研究プロジェクトの標準化を支援します。
ヒト組織切片の主な研究用途

神経科学・ヒト脳研究
ヒト脳急性スライスの作製
大脳皮質切片の作製
パッチクランプ電気生理学
神経回路や細胞形態の解析
遺伝子発現解析
Patch-seq、RNAシーケンシング
脳組織スライス培養
神経疾患研究
AAVなどを用いた遺伝子導入研究
がん・腫瘍研究
患者由来腫瘍組織の切片作製
腫瘍微小環境の観察
ex vivo薬剤評価
抗がん剤候補のスクリーニング
免疫組織化学
ライブイメージング
個別化医療に向けた基礎研究
移植・臓器研究
肝臓・肺などの大型組織の切片作製
移植用臓器の基礎研究
臓器保存条件の評価
組織障害や再生過程の解析
Precision-Cut Tissue Slicesを用いた研究
循環器・呼吸器研究
心筋組織切片
血管組織切片
肺組織切片
心血管疾患のメカニズム解析
薬剤応答や組織毒性の評価
整形外科・組織工学研究
半月板や軟骨組織の切片作製
組織構造と力学特性の解析
バイオマテリアル研究
再生医療・組織工学研究
※対応可否や推奨条件は、組織の種類、サイズ、固定状態、目的とする切片厚、後工程によって異なります。
ヒト組織の切片作製に適したモデル
モデル | VF-510-0Z | VF-800-0Z |
|---|---|---|
主な用途 | 生組織・固定組織の高精度切片作製 | 大型ヒト組織・大型臓器・複数試料 |
切断モード | 自動 | 自動 |
厚み送り | 自動 | 自動 |
最小切片厚の目安 | 10µm | 40µm |
試料チューブ径 | 15.5mm、20mm | 100mm |
適した研究例 | 電気生理学、スライス培養、イメージング | 大型脳組織、肝臓、肺、免疫組織化学、ハイスループット切片作製 |
ライブ・固定組織 | 両方に対応 | 両方に対応 |
仕様値はメーカー公表値です。実際に作製可能な切片厚や品質は、組織の種類、状態、固定条件、包埋方法、ブレード、切断速度などによって異なります。


ヒト組織切片作製の基本的な流れ
1 試料と研究目的を確認
組織の種類、サイズ、新鮮・固定の別、希望する切片厚、切片作製後の解析方法を確認します。
2 試料をトリミング
観察対象となる組織構造や切断方向に合わせて、試料の形状と向きを調整します。
3 アガロースで包埋
組織の周囲をアガロースで支持し、切断時の移動、傾き、圧縮を抑えます。
4 切断条件を設定
切片厚、ブレードの振動数、振幅、前進速度などを組織の状態に合わせて調整します。
5 切片を回収して解析
作製したヒト組織切片を、電気生理学、スライス培養、イメージング、免疫染色、遺伝子発現解析、薬剤評価などに使用します。
ヒト組織の切片作製に選ばれるPrecisionary社の振動ミクロトーム
最適化したN-メチル-D-グルカミン(NMDG)保護回復法による急性脳切片の作製
脳研究をリードする研究機関として知られるアレン脳科学研究所では、さまざまな脳組織を対象とした先駆的な研究が行われています。
脳組織は軟らかい領域と線維性の高い領域が混在しているため、良好な状態の切片を安定して作製することは容易ではありません。
アレン脳科学研究所の研究者は10年以上にわたり、Compresstome®振動ミクロトームを使用して脳切片を作製しています。Compresstome®を使用することで、切片の生存性をより長く維持しながら、表面ニューロンへのダメージを抑えた高品質な脳切片の作製をサポートします。
これにより、パッチクランプ電気生理学実験に適した、健全なニューロンを含む脳切片を得ることができます。
半月板の生体力学的特性と物質輸送特性の評価
組織構造・組成との関係を解明
Travascio博士が、膝関節における半月板の主な機能、構造、組成について解説します。
さらに、半月板組織の構造や組成が、組織内の物質輸送特性および力学的特性とどのように関係しているのかを評価するための実験方法を紹介しています。
Compresstome®を使用したヒト組織研究例
ヒト脳血管への遺伝子導入研究
Chenらの研究では、ヒト神経外科組織およびマカク脳組織から、旧モデルのCompresstome® VF-200を使用して厚さ300µmの脳切片を作製しています。作製した切片は培養され、AAVベクターを用いた遺伝子導入の評価に使用されました。
ヒト大脳皮質ニューロンの遺伝子発現・機能解析
Driessensらは、成人ヒト大脳皮質組織から厚さ350µmの冠状切片を作製しています。切片作製には旧モデルのCompresstome® VF-300または他社製振動ミクロトームが使用され、ニューロンの遺伝子発現、樹状突起形態、活動電位特性などが解析されました。
神経外科手術由来の成人ヒト脳組織
Parkらは、神経外科手術で得られた成人ヒト脳組織から、ニューロン、アストロサイト、ミクログリア、周皮細胞、脳血管内皮細胞などを培養する手順を報告しています。皮質スライス培養についても、組織の生存性と機能を維持した研究モデルが示されています。
※掲載論文にはCompresstome®の旧モデルを使用した研究が含まれます。現在の推奨モデルについては、試料条件と研究目的をもとにお問い合わせください。
よくある質問
ヒトの新鮮組織から切片を作製できますか?
はい。Compresstome®は、新鮮組織と固定組織の両方に対応します。新鮮組織を使用する場合は、組織回収から切片作製までの時間、温度、バッファー組成、酸素化条件なども細胞生存性に影響します。
切片作製前に組織を凍結する必要はありますか?
Compresstome®では、原則として凍結せずに組織切片を作製できます。凍結による組織変化を避けたい研究や、生細胞を含む切片の作製に適しています。
大型のヒト組織も切断できますか?
VF-800-0Zは、標準で直径100mmまでの試料に対応しています。肝臓、肺、大型脳組織などの切片作製を検討できます。ただし、実際の対応可否は試料の寸法、形状、硬さ、切断方向によって異なります。
どの程度の厚さのヒト組織切片を作製できますか?
メーカー公表値では、VF-510-0Zは最小10µm、VF-800-0Zは40~2,000µmの範囲に対応します。ただし、実用的な切片厚は組織の種類や状態によって異なります。
ヒト脳の急性スライス作製に使用できますか?
はい。Compresstome®は、ヒト脳を含む急性脳スライスの作製実績があります。電気生理学やスライス培養を行う場合は、切断装置だけでなく、試料採取後の時間、切断液、温度、酸素化、回復工程などを含めたプロトコル設計が重要です。
パラフィン包埋切片の作製にも使用できますか?
Compresstome®は、主に未固定組織や固定組織を振動ブレードで切断する装置です。一般的な数µm程度のパラフィン包埋薄切切片には、ロータリーミクロトームが適しています。希望する切片厚と解析方法に合わせて装置を選定してください。
どのモデルを選べばよいですか?
通常サイズの生組織や固定組織、電気生理学、スライス培養にはVF-510-0Z、大型のヒト組織や複数試料の切片作製にはVF-800-0Zが候補となります。試料サイズ、希望切片厚、処理数をもとに選定します。
ヒト組織の種類と研究目的に合わせた切片作製をご提案します
ヒト組織の切片作製では、試料の大きさだけでなく、組織の硬さ、固定状態、希望する切片厚、必要な細胞生存性、切片作製後の解析方法を考慮する必要があります。
オレンジサイエンスでは、ヒト脳、肝臓、肺、心臓、腫瘍、血管、軟骨など、対象組織と研究目的に合わせたCompresstome®のモデル選定をサポートします。
以下の情報をお知らせいただくと、より具体的なご案内が可能です。
対象となるヒト組織
試料のおおよそのサイズ
新鮮組織または固定組織
希望する切片厚
1回に処理する試料数
切片作製後の実験・解析方法
貴重なヒト組織から、再現性の高い切片を作製するために。Compresstome®の製品仕様、モデル選定、デモ、価格についてお気軽にお問い合わせください。
※本製品および本ページの情報は研究用途を想定しています。ヒト由来試料の使用にあたっては、所属機関の倫理審査、同意取得、バイオセーフティーなどの規定に従ってください。

組織切片作製ソリューション
Precisionary社のビブラトームを使用して、組織研究用の健康で生存可能な組織スライスを作成します。
組織研究のための高品質で生存可能な組織スライスの入手
Precisionary Instruments 社のビブラトームは、サンプルの生理学的完全性を維持する正確で生存可能な組織切片を作成するように設計されており、下流の解析において最も信頼性の高いデータを確保します。
高精度振動ミクロトーム
Compresstome® VF-510-0Z は、サンプルの生存性と健全性を保ちながら、薄い組織スライスを作成するように設計されており、脳や肺の組織研究に理想的です。この完全自動システムは、研究で正確な結果を得るために重要な、組織切片の生理的完全性を確実に維持します。
アプリケーション
VF-510-0Zは、正確で迅速な切片作製を実現し、組織・細胞の健全性を保ちながら、組織研究のための最高品質の結果をサポートします。
アプリケーション
実験別
臓器
動物モデル
関連コンテンツ
Compresstome©ビブラトームの利点
アガロース包埋
アガロース包埋とは、Compresstome©振動型マイクロトームで組織切片を切り出す前に、組織試料をアガロース溶液で包埋することです。切片作製にかかる時間はほんのわずかで、より健康的で滑らかな組織スライドを作製できます。
Auto Zero-Z®テクノロジー
振動ヘッドは、Z軸方向の振動をなくすように正確に調整されています。Auto Zero-Z®テクノロジーは、生きた組織サンプルの表面細胞へのダメージを軽減し、薄切片のチャタリングを低減してイメージング結果を向上させます。
豊富なアプリケーション例
Precisionary社は、20年近くにわたり組織スライス装置を専門に扱ってきた会社です。免疫組織学や組織切片の培養、電気生理学や植物研究など、幅広いアプリケーションと引用実績があります。
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多点観察モデル、定点観察モデルがあり、様々な観察シーンに対応できます。




